成立市町村別収録農書一覧   農文協へ
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文書名

収録
内 容 紹 介
農業全書(巻1〜5)
12
質・量ともに近世農書の白眉。元禄10(1697)年刊。以降200年にわたり刊行され、日本の農業に大きな影響を与え、その影響のもとに多くの農書が書かれた。本書の技術的立場は多肥集約農業の勧めであり、その中核技術は中耕・肥培である。労働集約型・土地生産性重視のこの農業が江戸時代の国内自給体制をもたらした。巻之一〜五を収録。
農業全書(巻6〜11)
13
『農業全』巻之六〜十一を収録。巻之十一附録は貝原楽軒著で国政、藩政と農業のあり方を説く。
広益国産考
14
江戸時代を代表する農業ジャーナリスト・大蔵永常の全生涯によって究められた農学の集大成。農民的・合理主義的感覚で当時の国産物を図解入りで記述する。
綿圃要務
15
近世商品作物のチャンピオンである綿の性状と栽培法とを整然と示した著作。先進地での栽培例や販売法、品質までふれている。顕微鏡による図も挿入。
農具便利論 上・中・下
15
鍬、すき、鎌、土覆い、馬鍬、田舟、千歯扱き、暗渠排水の方法から揚水機、各種の船まで、図解寸法入りで解説した江戸時代最高の農具の手引。立地や作物による使用法も詳述する。
除蝗録全・後編
15
鯨油による稲作害虫防除法につき、実例をおりまぜながらきわめて具体的に解説した書。後編では、鯨油を使えない地域、農家を対象に、綿実、油桐、菜種油の効果と施用法を記述。
百姓伝記(巻1〜7)
16
三河・遠江国を舞台に、最も古い時代に成立した著名な写本農書、全15巻。本巻ではその前半を収録。自然の観察、農民の生き方、土と肥料、樹木、農具、治水などについて述べる。
百姓伝記(巻8〜15)
17
『百姓伝記』の後半部分を収録。苗つくり、稲作、麦作、野菜作の実際からそれらの食べ方までを具体的に述べ、さらに農具類の備え、使用法を説く。本書は小農技術の体系化を目指しており、今日に至るわが国の農業技術の基礎をなすものである。また、中国の陰陽五行説を農業(とくに土壌)に適用した最初の書として注目される。
煙草諸国名産
45
江戸の町・九段でたばこ屋を営む狂歌好きの著者が書いたたばこ産地・品質・価格・効能から喫煙マナー・外国事情にいたるたばこ百科。
朝鮮人参耕作記
45
幕府は、すべて輸入に頼っていた朝鮮人参の国産化政策を進め、その栽培と調製にくわしい幕府医官・田村藍水を登用した。本書は栽培の普及を目的にした技術書で、基本は現代にも通じる。
油菜録
45
油菜(あぶらな、なたね)は、灯油・食用油・肥料の原料として欠かせないものになり、農民にとっては換金作物として重要な作物となった。その栽培法を絵入りでくわしく紹介した刊本。
製葛録
50
くずは、くず粉をとる素材として、また薬としても利用でき、茎からは糸をとって布に織ることもできるという重宝な植物である。本書はくず粉のとり方、くず布の製法を図解入りで説明している。
甘蔗大成
50
さとうきびの導入を、麦や菜種の間作として、つまり諸作のつくり回しのなかに組み込んで説いているところに本書の特徴がある。製糖技術としては中国渡りの伝統的な方法と、讚岐流の新しい技術を重層的に述べている。
製油録
50
永常の前著『油菜録』が栽培について述べるにとどまり、搾油法にはふれていなかったので、それを補う意味で刊行したもの。綿実の搾油法にもふれている。その技術は現代にも通用する。
童蒙酒造記
51
江戸期初頭の銘醸地・摂津鴻池(現伊丹市)の流派を中心に、酒づくりの全般にわたって解説している酒造技術書。乳酸発酵利用の新酒用菩提もと、高温糖化の煮もと、通常の生もとについての技術は貴重な情報。
寒元造様極意伝
51
摂津伊丹流の寒づくりの酒造技術書。水の加え方と蒸米の温度加減、加温用の暖気樽による温度調節などを解説していて、いわゆる「伊丹流」の酒造技術がよくわかる。
漬物塩嘉言
52
江戸の漬物問屋・小田原屋主人が、たくあん漬け、白うりの印ろう漬け・捨小舟など64種の漬物について、秘伝の漬け方を開陳。風趣ある絵と漬物名を詠みこんだ歌なども楽しい。家庭用・商売用いずれにも使える内容。
麩口伝書
52
小麦のふすまから、麩(ふ)を取り出す方法、それをもとにした焼き麩・観世麩・大名麩などのつくり方が記されている。麩の製造者の心おぼえのために書かれたものと思われる。生麩に小麦粉を加えた麩が4種、米粉を加えた麩が13種など、多彩。
績麻録
53
江戸渋谷の住人が、越後国田沢村の庄屋宅に逗留して越後縮の生産工程を正確な挿絵とともに記録。現在の重要無形文化財「小千谷縮・越後上布」をたどれる最も古い文献。縮布や織子、産地の習俗など、民俗資料としても貴重。
樟脳製造之法
53
樟脳は、防虫・薫香材、強心剤(カンフル)などに広く利用される。この樟脳の需要が幕末の開国によってさらに増大し、ほうろく式から蒸留式の製造法、いわゆる土佐式樟脳製造法が開発された。本書はその解説書。
鶉書
60
江戸時代には、小鳥の飼育が流行し、鳴き声や体型の優劣を競う「鳴き合わせ」が盛んに行なわれた。本書はうずら飼育者を対象に、よい鳴き声・体型についてポイントをあげて詳述したもの。
万病馬療鍼灸撮要
60
馬の病気治療のハンドブック。利用者のために巻頭に鍼灸のつぼの部位図を掲げ、生薬の配合についても詳細をきわめている。現場の要求に十分応えようとした実用性の高い馬医書である。
安西流馬医巻物
60
粉川僧正を開祖とする安西流の馬医学の彩色絵巻。馬に鍼をうつ部位とその効果が陰陽五行説と仏教の哲理にもとづいていることを、馬体の絵図や五行の配列をもって示している。
廏作附飼方之次第
60
本書の特徴は、乗用馬を飼育するきゅう舎のつくり方と馬の飼い方および飼料について、実用性の観点からきめ細かに述べているところにある。また、人の食事との対比など、叙述にも工夫がみられる。
門田の栄
62
三河国田原藩の領民のために書かれた農法改良、合理的農業経営の書。同じ船に乗り合わせた三河・下総・摂津・九州の4人の農民の問答を通じて、「乾田化の利益」「草木に雌雄はない」「今や技術を革新すべきとき」などを説明する。
満作往来
62
天保4(1833)年の大飢饉の惨状を契機に執筆された。救荒食の生産・加工・貯蔵に関して細かく説明し、あわせて、ふだんから窮乏生活に耐えうる工夫と態度が必要だと、救荒への心がまえを説く。
農業往来
62
土地の利用方法、農作業の勘どころ、年中行事、作物の紹介、68か国の日本国づくし、84種の職づくし、農民の生活心得など多岐にわたる。農事にかかわる事項を広く取り上げた、村役人層の子弟向け往来物=教科書。
再新百性往来豊年蔵
62
農家の生産や生活に直接必要な道具、肥料、副業、食べもの、家屋の造作、検見、貢納、生活の心得などの教科書。「百姓の取り扱う文字」として農具や所帯道具の1つひとつをあげ、「田畑の広さと長さの単位」まで教えている。
新撰養蚕往来
62
農家副業としての養蚕の経済的有利性を説き、桑のつくり方、蚕用のかごのつくり方、蚕の掃立てから給桑、上簇までの技術上の注意を細かく記す。「桑の葉をきざみ製する図」など、手順を示す図解も添えている。
米徳糠藁籾用方教訓童子道知辺
62
米作の重要性、稲の副産物のぬか・わら・もみがらの有効利用を子供たちに教えるために書かれた「道しるべ」。わら利用の仕方は三十数種もある。人形の胴、畳床、馬の寝わら、屋根ふき材、わらじ、かかし、縄……。
治河要録
65
幕末、江戸幕府によって編さんされた河川改修技術の集大成。関東・東海・甲州地方の大河川の特徴と改修技術、改修の経緯が記されている。「竜王村・西八幡村堤者信玄堤と申候て」と、信玄堤についての記述もみえる。
農家心得草
68
忘れたころにやってくる飢饉への備え。米の備蓄が実際的でなかった当時、まず麦の増収法と収穫した麦の運用を含めた備蓄法を説く。さらに、飢饉のときに誤って有毒植物を食べないように、有毒植物図を掲載する。
薬草木作植書付
68
幕府の旗本が薬種の国内自給を提言した文書。薬種の生産を増やす2つの方策、栽培法とその収支計算、確保すべき薬種など、薬種行政に関して具体的に提案する。享保期(1716〜35)以来の医療の充実、薬種の国産化の政策を継承・発展させるもの。
培養秘録
69
佐藤信淵家代々の地理・気候・土性の研究のうえに成り立ったとされる肥料論であり、佐藤家学の結晶ともいえる。鉱物性の肥料を重視していることが特徴。
農稼肥培論
69
多くの農書を世に出した大蔵永常は、肥料・肥培の分野では本書を著わした。蘭学の知識を取り入れ、それまでの陰陽説や雌雄説から離れ、水・土・油・塩の4元素によって肥培論を展開している。
再種方
70
「再種方」とは稲の二期作栽培の方法。大蔵永常が、土佐国で盛んな二期作の他国への普及をはかったもので、その有利性と栽培の実際を述べる。「付録」では、稲花の顕微鏡観察図を載せ、当時の常識であった植物雌雄説を蘭学の知見から批判している。
甘蔗培養並ニ製造ノ法
70
平賀源内の主著『物類品?』に収められている。宝暦(1751〜63)の当時、砂糖について国内の知識は不十分で、本書も中国・明の『天工開物』などからの引用と翻案からなる。しかし、類書のなかった当時にあっては、さとうきびの栽培、砂糖の製法について記された貴重な技術書であった。
甘藷記
70
本書は、青木昆陽『薩摩芋功能書並ニ作り様の伝』を主内容とする鈴木俊民編著『甘藷之記』と、小比賀時胤編著『蕃薯解』からなる。前者では、中国の書籍からの引用・翻案による中国流さつまいも栽培法が、後者では、わが国の先進地・長崎地方の栽培法が説かれている。
二物考
70
蘭学者・高野長英が、大飢饉に苦しむ人々を救おうとして著わした。二物、つまり気候不順でもよく成熟する早熟そばと、暴風雨や長雨にも強く栽培も簡単なじゃがいもについて記す。長英はその知識を、最新の西洋近代科学の成果を盛った蘭書から得ている。
老農夜話
71
絵巻物形式の農書で、天保の大凶作を教訓に、著者が若いときに老農から聞いた夜話を絵図とし、子孫への戒めとしたもの。絵図は種子の準備から始まり、食事風景に終わる20場面からなる。絵農書を代表する作品の1つ。
農耕図刺繍袱紗
71
あさぎ色の繻子地に刺しゅうを駆使して四季の農耕を表わした袱紗。春夏秋冬の各季節の稲作の各作業を、1つの田園風景の中に、あたかもひとつながりの景色として表現している。制作年代は1800年代。
農耕図染小袖
71
茶色の綸子地に友禅染で田園の四季を表わした小袖。構図はあぜを介して構成し、浸種から脱穀・調製まで年間の稲作の各作業を描いている。現存する小袖で農耕のようすを描いたものはきわめて珍しい。制作年代は1800年代。
農田うへ
72
うちわ絵として描かれた珍しい田植え図。一勇斎国芳作の美人画である。うちわとして用いるための錦絵で、使い捨てのうちわ絵が残った貴重な1枚。
渡辺始興筆 四季耕作図屏風
72
京都で公家や宮廷に仕えた経歴をもつ著者によって描かれた農耕屏風。農作業だけでなく、祭りや街道筋の光景も描いているところに特徴がある。
四季耕穡之図
72
絹本着色の肉筆錦絵。春の状景と秋の状景の2幅からなる。馬にえさを与える農夫、稲束を船で運ぶ親子、家の前の庭で脱穀に励む農民など、情趣豊かに描かれている。
鼎春嶽筆 農耕屏風
72
浸種、種まきから田植え、草取りをへて秋の収穫にいたる一連の稲作作業を描く。庭先で鶏を追う子供、赤ん坊を背負う女など、生活感もよく出ている。
白波瀬尚貞筆 農耕掛物
72
大和絵の手法によって描かれた2幅1対の田園風景図である。春の場面と秋の場面からなり、さわやかな印象を与える色づかいである。小川と種池の周囲にはすみれ、たんぽぽ、つくし、わらび、れんげが咲きそろい、その上を蝶が舞う。
岡本茂彦筆 農耕掛物
72
農耕掛物とは、年間の農作業と農民生活を軸物に仕立てた農耕図。岡本茂彦は四条派の手法で、畿内の農村のようすを描いたものであろう。
豊年満作之図
72
3枚続きの錦絵。遠景の富士山を背景に春の田植えから秋の収穫まで一連の作業を色鮮やかなパノラマにして見せている。それぞれの作業にタイトルがつけられている。
農家耕作之図
72
富士山を背景にした農耕錦絵。稲作の1年を描くが、やや収穫に重きをおいた描き方である。色あざやかな青を基調とした色づかいは、さわやかな印象を与える。
農業満作出来秋之図
72
浮世絵に描かれた農耕の世界。美人画の背景として田んぼが描かれている。3枚続きの大画面構成で、美人、背景の農村風景ともに見ごたえのある作品となっている。

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