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「スピード作業機で耕耘新時代」コーナーより
表層をキレイに硬く仕上げる
パワーハローの実力を徹底検証富山県高岡市・中山智章さん
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パワーハローによる砕土・整地・鎮圧作業(5月29日、倉持正実撮影、以下表記のないものすべて)
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中山智章さん(57歳)と息子の悠平さん(31歳)。水田転作でハトムギを36ha栽培。他産地では反収約150kgのところ、中山さんは300kgとる(2018年1月号138ページ)
面積・収量ともに日本一を誇るハトムギ農家の中山智章さん。昨年5月、パワーハローを使ってハトムギの播種床を整地するようすを見せてもらった。
砕土・整地・鎮圧を見事に仕上げるその仕組みを、パワハロくんに徹底解説してもらおう――。
すごく重いけど耕盤はつくらない
では、実際にワタシが作業するところを見てもらいましょうか。中山さんが使っている250cm幅のクラス(65〜120馬力)だと、重さは845kg。このクラスのロータリなら、だいたい550kgくらいの重さですから、結構な重量感でしょ?
作業機が重くてどっしりしていれば、ある程度スピードを出しても作業はビシッと安定します。それに重くても、トラクタの踏圧で耕盤ができるなんてこともないんです。ほら、よく見てごらんなさい、タイヤの後方にノミの形をした「タイヤ消し」ってやつがついてるでしょう。こいつでタイヤが踏んで硬くなった土をすぐに掘削してやるから耕盤もできないんですよ。
これがパワーハローだ!
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※中山さんの使用機種:バーチカルハローV25C。作業幅250cm、ロータ軸10本、重量845kg、65〜120馬力用。税抜定価176万円(写真提供:スガノ農機。写真は作業幅300cmのタイプ)
土を練らない、残渣を掘り起こさない
しかし、ワタシの最大の特徴は、やっぱり縦軸の爪でしょう。これが横に回転しながら、土を浅く削って砕いていくんです。縦回転するロータリのように土を叩いて練っていく、な〜んて野暮なことはしませんよ。表層の土だけを削って混ぜ混ぜするだけ。表層砕土ですから、前の作業で土中に埋めた残渣をまた掘り起こしちゃう、な〜んて野暮なこともしませんからね。
それと地味に重要な役割をしているのが、縦軸爪の後ろにある均平板なんですよ。砕土した土を均して整地するだけでなく、爪で浅く削った土を抱え込む役割を果たしているんです。抱え込んだ土を爪でかき混ぜながら細かく砕土していく。例えるなら、ボウルに入れた粉の塊を泡立て器でかき混ぜて細かくほぐしていくイメージですね。
作業のようすを見る
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ロータリ耕で雑草をすき込んだ圃場にパワーハローを走らせる
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トラクタを停めて、後方から見たところ。均平板で土を抱え込み、縦軸爪が回転して土を細かく砕いていく
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(記事はまだ続きがありますが公開はここまで。詳しくは本誌をお読みください)
この取材時に撮影した動画が、ルーラル電子図書館でご覧になれます。
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この記事の掲載号『現代農業 2018年3月号』特集:耕耘新時代 ロータリ&スピード作業機
ばか苗病をかしこく叩く/春はつぼみ菜・わき芽で稼ぐ/せん定はリンゴの樹に聞け/ワラビ栽培でひと稼ぎ/繁殖和牛にとって「良質な粗飼料」って ほか。 [本を詳しく見る]