「RACコードでローテーション防除」コーナーより
もう表示するしかないでしょ!?
すべての農薬ラベルにRACコードを!![]()
RACコードをすでに利用している都府県
IRACチョウ目部会日本支部・島克弥氏調べ(一部編集部調べ)。「病害虫防除指針」へはまだ掲載していないものの、農家対象の講習会や各種防除資料等で利用している府県を含む(京都府はそもそも防除指針がなく、2年前から注意報などに記載)。RACコードが列島縦断中!?
色を塗ったのは、すでにRACコードを利用し始めている都府県である(2018年4月現在)。その数、じつに41。「病害虫防除指針」にコードを掲載したり、農家向けの講習会で説明していたり。色はついていないが「来年の防除指針には載せたい」「やっぱ、もう載せてなきゃマズイですよね」という道県担当者もいた。
各県担当者によると、「カタカナで言われたって覚えらんないけど、これならわかりやすい」「ローテーションが組みやすくなる」など、農家の反応も悪くないようだ。一方で、「農薬ラベルに早く載せてくれよ」との意見もやっぱり多いという。
![]()
日本曹達が販売する殺菌剤の新しいラベル(一部)
農薬メーカーも動き出した
農家の声に押されたのか、農水省は2016年に各農政局に対して「農薬名には作用機構分類(IRAC・FRACコード)を併記してローテーション散布を指導すべし」という通達を出した。そして去年9月には、農薬工業会も各メーカーに対して「RACコードをラベルに記載しましょう」とガイドラインを出した。
そしてついに、農薬メーカーも動き出した。すでにラベル掲載をしているデュポン(株)やFMCケミカルズ(株)に続き、例えば日本曹達(株)では、ラベルにRACコードを記載したトップジンM水和剤
の出荷がまもなく始まるそうだ。ダウ・アグロサイエンス日本(株)でもブローダ水和剤
、ジマンダイセン水和剤
……と、今後ラベルを更新する製品から、すべてにRACコードを載せる。シンジェンタジャパン(株)、三井化学アグロ(株)も今後随時掲載していくことを決めたそうだ。
その他、多くの農薬メーカーは「前向きに検討中」、または「お客様のご意見や、RACコードの普及具合を見て決める」とのこと(ただし、クミアイ化学では「今のところ、自社製品に関しては掲載する予定はない」)。
農水省や農薬工業会は今後も後押しするという。
すべての農薬ラベルにRACコードを!
もう、ひと押しである。
![]()
この記事の掲載号『現代農業 2018年6月号』特集:今さら聞けない農薬の話
田畑の卵、虫当てクイズ/ハーブの力で減農薬/天敵最新ニュース/光の色で多彩に防除/火とお湯で滅菌殺虫/「RACコード」でローテーション防除/自作防除機大活躍/カミキリ&スカシバ 樹を食う虫の防ぎ方/牛のサシバエ・アブ対策/「農家の自家増殖、原則禁止」私も異議あり! ほか。[本を詳しく見る]