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巻頭特集

身体によくてうまいケールを長くとる

埼玉県さいたま市・池田和弘さん

池田和弘さん(34歳)

サラダのボリュームが出る

 地元さいたま市の飲食店向けにイタリア野菜をつくる池田和弘さん(82ページ参照)。飲食店でもとくに人気が高いのが、ケールだという。

 ケールは、キャベツと同じアブラナ科の野菜。葉がこまかくフリル状に縮れているので、サラダにするとキャベツよりもボリュームが出るのが人気のヒミツらしい。かつては青汁の原料として「苦くてまずい」が代名詞だったが……。

ケールとフルーツのジュースで健康

じつは池田さん、このケールが野菜の中でもトップクラスに好きだ。サラダでも食べるが、面倒でなければジュースがおすすめだという。庭先のフルーツといっしょにミキサーにかける。春から夏はイチゴやブルーベリー、秋から冬はキウイやミカンなど。最後にサイダーを入れて飲むのがお気に入り。好みでハチミツを入れてもいい。ケールにはβカロテン、カルシウムがキャベツの数倍から数十倍多く含まれるなど栄養価が高いことで知られ、身体にもいい。そしてうまい。池田さんがつくるカリーノケール(トキタ)はかつての青汁用の品種とは違い、苦味が少ないそうでおいしい。

池田さんがつくるいろいろなケール。Bear Necessitiesとエメラルドアイスはインターネット通販で購入(池田和弘提供、Iも)

ニつの品種で夏以外ずっととれる

 ケールは栽培も簡単だ。

「カリーノケールは、ものすごくつくりやすいですよ」

 たくさんの品種を使い分けなくても、2〜3カ月は余裕でとれるのだそうだ。池田さんは去年初めて、二つの品種を使い分けることで、なんと8〜9月を除いてずっととり続けることに成功した。

 二つの品種は、カリーノケール・ヴェルデカリーノケールCG(ともにトキタ)。ヴェルデは元からあったつくりやすい品種で、CGはあとから出てきた低温期でも柔らかい品種。

 池田さんはまず7月にヴェルデを播いて、10月から露地でとり始める。しかしヴェルデは年末に近づいて霜に当たると「タワシみたいに」固くなってしまう。そこで9月に入ったらCGをセルトレイに播き、10月下旬にハウスに植えると年末に柔らかいケールが出せる。年末に露地ものからハウスものに移行するのだ。年が明けたら1月下旬にまたヴェルデをセルトレイに播いてハウスで管理し、3月に露地に植えると、5月にとれ始め、7月中旬までとれる。

ブルーベリーとイチゴ、ビーツ、赤紫ケール(品種はカリーノケール・ロッソ)で赤いケールジュース。めちゃくちゃ身体によくて、うまい(I)

ケールとオレンジのジュース(I)

 おかげで、身体によくておいしい自家製ジュースはいつでも飲めるし、飲食店からの注文にもいつでも応えられる。

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

現代農業 2020年2月号
この記事の掲載号
現代農業 2020年2月号

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