月刊 現代農業
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巻頭特集

今こそ、農家の出番だ!

コロナちゃんの声を聞け

山口・木村節郎せつお

筆者(63歳)。稲作6ha(受託含む)が経営の中心(依田賢吾撮影)

ジャガイモを植えたい気分

 農舎前の花壇のような小さな畑。昨年は冬から雨が多くてつくれなかったけど、今年は冬によく乾き、ジャガイモを植えたい気分。ホームセンターに行くと、芽が出て緑化した植え頃の種イモがゴロゴロ、珍しい品種もあるある。価格も30〜50%オフで、植えたい気持ちに拍車をかける。

 アルミフォークの土起こしを踏み込んだり、スコップでドクダミやスギナの茎や根を掘って手で除ける。少しずつ、人力の超スロー・アナログで開墾してる楽しさを楽しんでます。

アホくさいなー

 時同じゅうして、新型コロナウイルス騒ぎが始まった。種苗法も種子法も土地所有のことも、人間の取り決めで法律がどうのこうの、とやっている。まったく、アホくさ。植物も動物も人間がつくったものではない。人は、自然から土地を使わせていただいて、動植物の命を頂いて、暮らしているんでしょう。楽しく暮らさなければ、自然に対して申し訳ないと思うんです。

 ジャガイモの葉や花、形も色も、ずいぶんいろいろなのですヨ。ホクホク系は乾きに強く、しっとり系なら少しの湿気は大丈夫。味や向く料理だけでなく、土との相性も違うのです。休眠期間と保存性も違い、休眠の短い品種は、春にも秋にも種イモを自給できます。タネの自給と量産できるものを探す楽しさ。「インカのめざめ」も「出島」も「デストロイヤー」も「とうや」も「紫月」も……今年は全9品種を楽しみます。

5月中旬、植え付け約1カ月半後のジャガイモ畑。葉がモリモリ伸びてきた

コロナちゃんの教え

 天使のコロナちゃん。人間の愚行をみごとにあぶり出し、「変わらないと、タイムリミットだよ」と教えてくれている、天からの使いなんです。戦わなくていいんです。対抗しても無駄です。自然(天)から、すべてさせられている・・・・・・・のです。

 大切なものは、お金じゃ買えないものがほとんどなんだって、今なら気付けるよねぇ。

 この国の現状は1次産業2次産業の実務に当たれる人材がおらず、貨幣経済という人間の作ったバーチャルが支配しています。かすみを食べる暮らし方に人間が慣れてしまいました。

 変わりましょう。他人任せの暮らしはもう終わり。都会では、仕事できない、物はない、動けない。田舎は「三密」とは無縁です。やることいっぱいで、今までと何も変わりません。野山や手つかずの耕作放棄地がたくさん、超たくさん。ジャガイモを育てるもよし。エネルギーの自給だって簡単です。貨幣経済とは縁遠く、本当の人としての暮らしは続けられますヨ。楽しくなってきますね。

(山口県田布施町)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

現代農業 2020年7月号
この記事の掲載号
現代農業 2020年7月号

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