鴨の鳴き声とともに育つ苗(鴨鳴声声秧苗壮)昨日、中日両国の専門家が丹陽市延陵に集まり合鴨水稲同時作についての現地交流を行った。今年6月、鎮江市科学技術委員会はこの技術を導入、まず丹陽市延陵鎮にてモデル試験を行っている。 合鴨水稲同時作技術とは以下のようなものである。鴨の雛を田に放ち、その旺盛な雑食性を利用して水田の雑草や害虫を食べさせるとともに、水田での絶え間無い活動によって土壌や水を撹拌させ、水稲の生育を刺激する。また、鴨の糞は肥料となり、限られた水田の空間の中で無公害の米と鴨の肉を生産することもできる。 延陵農業技術センター農場の200アール近い合鴨水稲同時作試験田には、ピンと立った苗が生い茂り、群れている鴨の鳴き声が聞いていて楽しくなるくらいである。日本岡山大学農学博士であり、合鴨水稲同時作の専門家でもある岸田芳郎氏と日本の有機農業農家古野隆雄氏は、車を降りるとすぐに待ちきれないように靴と靴下を脱ぎ、現地の農民が準備した長靴を丁重に断わって、はだしで水田に入って行った。彼らが言うには、こうすると水田土壌の軟らかさを実感できるのだそうだ。 「あなたがたの合鴨水稲同時作の技術はとても素晴らしい。水田の害虫や雑草は比較的少ないし、きっと成功するでしょう……」水田で観察しながら写真を取っていた岸田芳郎氏は、あぜにあがる頃には顔中汗だくになり、ズボンは泥だらけになっていた。同じようにシャツを汗びっしょりにした南京農業大学の強盛教授と王蔭長教授も口々に「モデル試験はとても成功している。このような前途有望な有機農業技術は、江南などの水稲栽培地域に普及する価値があります……」と話していた。 モデル試験場から鎮農業技術センターへ戻った時はすでに午後11時半になっていた。両国の技術者たちは休むことなく昼食前のわずかな時間にも交流を行った。「あなたがたは美しい音楽で鴨を呼び寄せましたが、これは初めてのこころみですね。」日本で合鴨水稲同時作を実践している古野隆雄さん夫人も、帰国したら中国の友人達のこの方法をしっかり学びますと話していた。(鎮江日報 2000.8.14) 戻る |