第15回北京国際図書展覧会(BIBF)

例年北京で開催されるBIBFが北京オリンピックの関係で今年は天津で開催され、農文協は今年もブース展示で参加しました。BIBFは中国出版業界の一大イベント。天津でも盛大な図書展となりました。

初めて天津で開催されたBIBF たくさんの参加者でにぎわった会場

“農文協”といっても中国では全く知られていません。そんなわけで、ブース展示には農文協がただの“農業書出版社”ではないということを知ってもらうための工夫が必要になります。例えば、農文協ブースの片隅には毎回中国有機農産物のパッケージや商品袋が展示してあります。これらの展示品は農文協の日中農業交流活動の拠点となっている江蘇省鎮江市の有機農業組合が生産した有機農産物のもので、これらと一緒に彼らが参考にしてきた農文協の有機農業関連書籍や雑誌を展示しています。

農文協日中農業交流活動の最前線を紹介

また、パネル展示も一般的には出版物の宣伝広告ポスターなどを展示するのが普通ですが、農文協ブースではその年に実施した農業技術交流や農民交流、北京の日本農業科学技術応用研究室・中日農業科技交流文献陳列室の活動を紹介するパネルが中心となります。これらの活動にともなって制作されたさまざまな資料も実物展示し、さらにこれらの活動の目的や経過、成果をより詳しく知ってもらうための冊子を準備してブースで配布しています。そして、それに関連する書籍を展示するのです。

 そんなわけで、農文協ブースを訪れる中国の人達は最初に交流活動の展示に関心を持ち、次に展示書籍をながめはじめるか、展示書籍を手にとって斜め読みした後、交流活動の展示をながめることになります。当然ブース担当者の仕事もこの二つの展示内容を往復しながら農文協の交流活動と出版活動を関連づけながら紹介していくことになります。勘のいい人で有れば、両者を見比べるうちに農文協の書籍や雑誌が農家の仕事や日常生活の文化と密接に結びついた実践的なものであることを理解してくれます。
 毎回このような展示を続けてくる中で、農文協の書籍や雑誌が中国でも役に立つと感じた出版社の人達から、農薬の安全利用、有機質肥料の作り方や使用法、畜産廃棄物の循環利用、農協のような農民組織に関する書籍を翻訳出版したいという要望を聞くことが多くなりました。しかし、なんと言っても抜群に人気が高いのが絵本「そだててあそぼう」シリーズです。“教育熱心”ということでは日本以上の中国ですが、現状では受験教育が中心となっており、生きる力を育むという意味でこのシリーズのように子ども達が農業や生活技術を実践的に理解できる本を中国の出版社としても出していきたいという強い欲求が感じられます。
大人気な食育コーナー

期間中、以下の出版社あるいは出版関連団体が農文協ブースを訪れて下さいました。
 中央広播電視大学、吉林出版集団、中国農業出版社 養殖業出版中心、上海科技教育出版社、山東大学出版社、中国人口出版社、海南出版社、広西接力出版社、湖南文芸出版社、上海三聯書店、江蘇省新華書店集団有限公司等。

ご来場ありがとうございました。来年もお待ちしております。