● 食べきれない野菜を持ちよって販売


 「きんたの里」では、金城町でとれる新鮮な野菜を料理にふんだんに使い、金城ならではの味を演出していますが、その野菜は、農家の主婦がつくった直売店「村じまん屋 甚左ヱ門」を通じて購入したものです。朝、収穫された野菜がその日の料理に使われているのです。「甚左ヱ門」は、平成七年に農家の主婦の発言からつくられました。
 農家は、どこの家でも自分の家で食べる野菜を多品目つくっていますが、どうしても食べきれないで捨てています。もったいない…と農家の主婦が役場の人に話したところ、それなら自分で売ったらどうかといわれ、農家の主婦10人が町の支援を受けて建てた農産物の直売店が、「甚左ヱ門」なのです。
 当初は、10軒の農家が自分の家で食べきれない野菜を持ちよって販売していましたが、それが評判となってどんどん売れ、今では200人がいろいろな野菜を少量ずつ持ちよるようになりました。もっとも、1日に出すのは50人くらい。野菜を持ちよった農家は、それぞれが自分で値段をつけるので、まるで朝市のように活気があり、7時に並べられた野菜は、昼までに売りきれてしまいます。販売するのは、「甚左ヱ門」の設立に関わった農家の主婦7人で、60代、70代の高齢者が中心です。