● 幕末から伝わる田植え囃子は、自前の衣装で派手にふるまう

 田植え囃子は、幕末のころに広島県の山県郡から奥ヶ野の庄屋を頼ってやって来た人たちから伝わったもの。「向こうじゃ、こんなことをやりよった」と、集落の人に教えてくれたのです。
 鍬を持って田を平らにする真似をするえぶりさしが先頭になり、ひょっとこのお面をつけたささら(を持った者)が、竹を鳴らしながら歩いて回ります。幣ふりが旗を持ち、音頭取りの胴頭の後を、拍子木、大太鼓、小太鼓、笛、鐘などの囃子方が練り歩くもの。口伝で継承されてきた歌は3つありますが、歌詞につながりはなく、意味は不明です。