● 「村の生き字引」が村の伝説の世界にツアー客を引き込む

 ―「伝説のロマン遠山街道ハイキング」のインストラクター・荒井学さん

 村の商工観光課が企画した春と秋の「伝説のロマン遠山街道ハイキング」でインストラクターをつとめるのは、地元の歴史にくわしい荒井学さんです。荒井さんは、「名前と顔は一度聞いただけで覚えてしまう」と言います。商工観光課課長の山崎さんは、荒井さんを「村の生き字引」と呼んでいます。荒井さんの話っぷりは、まるでそれを見てきたかのようで、ツアーのお客さんもつりこまれ、しばし、遠山郷の遠い昔に思いを巡らします。
 その荒井さんが編集した『南信濃村のあゆみ双書 南和田編』には、遠山街道の伝説、遠山川の言い伝え、各地の神様、魔物、妖怪たちも紹介されています。まだまだここ遠山の地には、神様も妖怪たちも生息しているようです。
 遠山街道は、案内板を立てて整備し、普段は村の人のウォーキングコースになっており、歴史がいつも身近に感じられるようになっています。