●山崎光博氏

 秋田県大潟村に住み、農村の高齢者対策、過疎対策の調査・研究をしています。
 グリーンツーリズムという言葉が出てきて8年くらいになりますが、農村の人が主役になるんだと変わってきている。私は新しいツーリズムとして、団体客、観光地、料理、村づくりという四つの幻想をやめて、1日数人の客、何にもしない滞在、目の前の畑から取ってきた材料で鍋料理、自分が輝くというというあり方を提案し、実際にそういうツーリズムが始まっています。今、農村の所得がどんどん下がっています。農業の傍ら、年に400万円くらい稼ぐことができれば農業所得の減少を補えます。農村レストラン、ステーキレストランも増えつつあります。将来は観光だけではなく、教育、福祉の視点も持った農村ツーリズムをと考えています。
 グリーン・ツーリズムは、外部の人びととの交流によって、地域の今日的な解釈と意味づけがなされ、農村の伝統文化やライフスタイルを再認識していくこと、いわば地域のアイデンティティや誇りを育てていく資源を発見し、地域の生き方を再構成していく手段であると考えています。