- 座談会 理科教育の課題と展望
藤田寛治,副島雄児,日高晃昭,松尾雅則,馬原俊浩
- 論 説 まとめを意識した実験結果の分析・考察などのさせ方
世波敏嗣
- 論 説 実験での「考えどころ」は?
―仮説・検証の役割を理解する― 平野俊英
- 主題研究 結果から考察する学習を目指して
―5年「植物の実や種子のでき方」をとおして― 坂元康一郎
- 主題研究 事実をもとに考える楽しさを味わわせるために
―根拠を明確にし,多様な考えを引き出すまとめ方― 有村和章
- 主題研究 体感で比較,数値で比較する記録のとり方とその生かし方
―3年「ひなたとひかげ」― 三井サナエ
児童は理科の実験が大好きです。しかし,ややもすると実験自体を目的として実験活動を行い,実験結果からはわからないことまで言ってまとめたり,実験から何が言えるのかという考察をないがしろにして,次の実験を行ったりしてはいないでしょうか。
?実験の観察
児童は,理科の授業のなかで実験・観察を行っています。そこでは,さまざまなことに気づいたり自分の考えを確認したりしています。では,実際には児童はどのようなことを考えながら,事象を観察しているのでしょうか。そこに,教師が意図したことを観察できるような手だてをとる必要があるのではないでしょうか。どのような観点を与え,言葉かけを行うのか。ワークシートなどはどのように作るべきかを考える必要があるのではないでしょうか。
?結果のまとめ方
実験・観察の結果から児童が考察し,自然の規則性に気づかせるためには,考える土台として実験結果の整理を行う必要があると思います。どのような観点で実験の結果をまとめていくのか,児童が考えやすいようなまとめ方はどのようにあるべきかを,考えていく必要があります。児童が共通の規則性に気づくことができて,その気づきを思わず声に出してしまうような結果の整理の仕方が大切ではないでしょうか。
?考察のさせ方
実験の結果が整理できたら,児童に考察させなくてはなりません。実験の結果からどのようなことが言えるのか,考えさせる必要があります。そのときには,実際の現象に対して帰納的な考え方で考察できるもの,モデル実験など演繹的に考察する必要があるものなど,事象に応じた考え方をさせる必要があります。
以上のような児童が実験結果から,規則性を導き出すことのできる一連の学習の流れを支える指導の手だてを明らかにしていくために,本号では各先生方のお考えや実践を報告していただきました。(担当/馬原 俊浩)
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