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日本初等理科教育研究会 編集
初等理科教育
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2009年5月号 No540
今こそ,自然観察力を育てたい
4月号表紙
  • 特集キーワード 丸山典雄
  • 座談会 現代の理科教育に息づく『自然の観察』の価値を語る
    日置光久,露木和男,一寸木肇,村山哲哉,丸山典雄
  • 『自然の観察』は教育の原点 武村重和
  • 『自然の観察』が語りかけるもの 菅井啓之
  • 「感じる」心を育てる
    ─季節遊びと野菜作りの実践から─ 吉澤良子
  • 主題研究を読んで 露木和男
  • 「わからなさ」に向き合う心の醸成
    ─子どもに学ぶ教師の生き方を通して─ 恒川徹
  • 主題研究を読んで 木村健治
  • 自然観察を楽しむために 鷲見辰美
  • 主題研究を読んで 一寸木肇

 理科は,自然を扱い,自然から学ぶ教科です。やはり,自然を見る力,自然を感じる力が子どもに必要です。そのためには教師にも,自然を見る力,自然から感じとる力が必要になります。
 そして子どもには,暗記させた知識ではなく,実感し,自らが見出した知識を身につけさせていくことが,求められています。
 日本人は,昔から,自ら見出した自然のしくみを活用して生活してきました。自然と一体となり自然を感じ,そのことから見出した自然のしくみが,どのように利用されているのか,どのように活用していけるのか,あるいは活用していくべきなのかを考えることが大切です。そして,自然とどのように関わっていくのか,といった自然観を,今の子どもたちにも育てていきたいものです。
 今月号では,昭和16年に発行された『自然の観察』という理科の教師用書の復刻版の出版に関わられた先生方に,『自然の観察』の理念などについて,お話を伺いました。この『自然の観察』という70年前の教師用書には,すでに新しい時代の新しい理科教育の姿が語られています。子どもは,自然という環境を介して,自ら育つ力を持っているのです。
 『自然の観察』は,子ども用の教科書ではありません。子どもにとっての教科書は,自然そのものであり,直接,子どもが自然に親しむことが,何よりも大切にされなければならないとされています。子どもが自然に親しみ,主体的に観察を行っていくための「教師用書」が『自然の観察』なのです。
 内容の一つに,「花摘み」「オオバコの相撲」「ナズナの穂のがらがら」などのように,草木と遊んでいるうちに子どもが自ら気づくという活動があります。この内容には,「野山の自然に接しさせ,自然とともに遊ばせる」ことと「教室や校庭に閉じこもらせないで,広い野山を学習の場とする」といった大きな意味が込められています。
 体験的な学習が重視されてきている今,『自然の観察』に示されているこれらの内容は,不易なものであり,現在の自然観の原点と言うべきものです。
 理科は,自然を対象にして学ぶものであり,まず,自然を観察する力からはじまると言えます。今月号では,理科の本質である自然の中で子どもに育つ力について考えてみたいと思います。
(担当/丸山 典雄)


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2009年
4月号 新学習指導要領をどう実践するか
3月号 科学史を授業に生かす
2月号 「生命」「地球」概念の授業
1月号 科学的思考力を育てる
2008年
12月号 実感を伴った理解
11月号 「伝え合う力」を育てる理科授業
10月号 習得・活用・探究学習と子どもの思考
9月号 活用力を高める「深化課題」の開発
8月号 人間力の向上
7月号 「エネルギー」「粒子」概念の授業を考える
6月号 「ことば」を重視する理科の授業とは
5月号 自然・科学・実感 はじまる新しい理科!
4月号 PISA型科学的リテラシー
3月号 活用力を育てる授業
2月号 意味の理解を伴った知識や技能の習得のさせ方
1月号 「子ども理解」を深めるために
2007年
12月号 研修・授業分析の生かし方
11月号 授業力を磨く
10月号 子どもの発達と問題解決
9月号 今,福島が熱い! 全国大会への道
8月号 授業が成り立つ問題が見えてくる
7月号 実生活と授業をつなぐ
6月号 授業がぐっと深まるこの発問
5月号 授業における子どもの「ひらめき」
4月号 “状況に入る学び”と“状況をつくる学び”
3月号 “読解力”を育てる理科授業の改善
2月号 「何を」かくか 「いつ」かくか
1月号 児童に考えさせる実験結果のまとめ方
2006年
12月号 今,単元構成を考える
11月号 教えて考えさせる授業と問題解決
10月号 話し合いを深めるキーワードとは?
9月号 感性をみがく理科教育
8月号 知識の差,経験の差を乗り越える理科授業
7月号 幼・小・中連携を踏まえた学習指導要領改訂のポイント
6月号 「表現力」を理科で鍛える
5月号 知的ボルテージを高める理科授業
4月増刊号 学力低下を克服する 小学校理科の新展開
4月号 こうすれば楽しくなる,理科の授業!!―若い先生方とともに育つために―
3月号 小学校理科はこれでいいのか―学習指導要領改訂への提言―
2月号 問題解決の力を育む
1月号 子どもが「わかった」と実感できる授業
2005年
12月号 子どもの見方や考え方をとらえる
11月号 見えない世界を楽しむ
10月号 他教科との関連を踏まえた新世紀型理科教育
9月号 こだわりを育てる理科授業
8月号 確かな学力に高める「説明活動」
7月号 子どもの出番! 教師の出番!
6月号 先行学習の有効性
5月号 教師を理科好きにする“新しい校内研修”
5月増刊号 「真の学力」を育てる 理科の学習指導案集
4月号 ふるさとの自然に自信と誇りを育てる授業
3月号 個の学びを生かした 練り上げのある授業
2月号 豊かな「挫折」がある授業
1月号 自然を豊かに感じ、確かな科学を築く
2004年
12月号 発展的な学習のアイデア
11月号 「問題解決」の原点
10月号 対話で変わる子どもの見方や考え方
9月号 わかる理科授業をめざして
8月号 21世紀型の教材研究
7月号 特集:子どものつくる「問題」、教師の考える「問題」
6月号 特集:みがけ! 感性
5月号 専門家の協力を得た授業
4月増刊号 小学校理科授業のレベルアップ読本
4月号 確かな学力を育てる理科授業
3月号 長期記憶に残る理科授業の工夫
2月号 「問題解決と学力」を問う
1月号 理科嫌いをなくす授業をめざして
2003年
12月号 予習と理科学習
11月号 「わくわく導入」のあり方
10月号 科学的思考を育てる「基礎・基本」
9月号 ポートフォリオを生かす
8月号 教師の指導力を問う
7月号 ものづくりで科学する力を
6月号 どうする? 発展的・補充的な学習
5月号 飼育・栽培の楽しみ
5月増刊号 楽しい理科の導入の工夫
4月号 ワンランク上の学力をつけたい
3月号 学習指導要領をみつめなおす
2月号 学力低下への緊急提言
1月号 理科から総合へ
2002年
12月号 海外の理科教育に学ぶ
11月号 絶対評価 私の実践
10月号 地域とつながる理科教育
9月号 わかる喜びをめざす理科の授業
8月号 教材化を図る教師の眼
7月号 自然体験活動のすすめ方
6月号 理科の授業と仲間づくり
5月号 センス・オブ・ワンダーの心を育てる
5月増刊号 理科に役立つ栽培植物
4月号 「豊かな心」にどこまで迫れるか
3月号 感動を表現する子どもを育てる
2月号 現代日本の理科離れの危機
1月号 子どもの仮説が生きる授業
2001年
12月号 IT革命と理科授業
11月号 子どもが協同しあう授業の創造
10月号 ものづくりをどう位置づけるか
9月号 理科で育つ学力
8月号 「わかる」授業から「わかりあう」授業へ
7月号 事実を大事にした授業
6月号 生命観を養う理科授業
5月号 地域の自然 目のつけどころ
5月増刊号 もっと活かそう学校環境
4月号 特集:私の考える「よい授業」
3月号 特集:心に残る授業
2月号 特集:理科で育つ資質や能力
1月号 特集:心の世紀と理科の教育

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