- 特集キーワード 佐々木昭弘
- インタビュー 中川美穂子氏に聞く/学校で動物を飼うことの意味
- これからの「板書」を考える─教育学部生の理解と変容を通して─ 小田切真
- [国語科の板書術]思考の場としての板書 白石範孝
- [社会科の板書術]毎時間の授業板書をデジカメに記録 臼井忠雄
- [算数科の板書術]思考・理解の拠り所になる板書 夏坂哲志
- [道徳の板書術]黒板を子どものフィールドに 加藤宣行
- 子どもの視覚に訴え,思考を促す構造的な板書
─4学年「電池のはたらき」の実践─ 藤井創一
- 主題研究を読んで 白岩等
- 「板書」が授業を変える,子どもの表現を変える 佐々木昭弘
- 主題研究を読んで 鷲見辰美
国内の学力調査,PISAやTIMSSをはじめとした国際学力調査から,日本の子どもたちの読解力,言語力のなさが明らかとなった。その後,国語科のみならずさまざまな教科・領域で読解力,言語力育成が叫ばれるようになり,学習指導要領は改訂される。理科教育においても,子どもの科学的な読解力,言語力をどのように高めていくかは,極めて重要な課題である。
授業の展開に合わせ,言葉,図表によって構成していくのが板書だが,それは,単なる授業の記録ではない。板書を媒介として教師と子どもをつなぎ,子どもの思考をより深いものへと導く指導ツールの一つである。そう考えると,科学的な読解力,言語力を,理科教育において育成するためのアプローチの一つとして,板書の工夫をあげることは,実に自然なことと思う。
指導力のある教師の板書は,授業を見ていなくても指導の流れをおよそ想像できるという。しかし,「理科教師は板書が下手」という声をよく聞く。観察・実験が中心的活動となる理科は,「事実から学ぶ」ことが当たり前のように優先され,板書によって子どもの理解をより深めなければならないという必要感が,これまで高まらなかったのかもしれない。
本特集では,教師と子どもをつなぐ教育技術の一つである板書術について多面的に考えるために,他教科(国語・社会・算数・道徳)からも提案していただいた。理科教師に必要な板書術を高めるための参考にしていただきたい。
(担当/佐々木昭弘)
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