- 6学年「月と太陽」の教材活用 教材提供:株式会社 ヤガミ
- 特集キーワード 中村大地
- 「SHIRASE」探検記&インタビュー
- 言葉は仲間と心をつなぐために 露木和男
- 思考する場の設定と「言語化」を図るための工夫 佐伯英人
- 「科学のことば」を軸にした学習指導の工夫
─6学年「追究!電気の性質と働き(電気の利用)」の実践から─ 吉田哲朗
- 目に見えない世界のイメージ化
─6学年「電気の利用(電熱線の発熱)」の試行─ 大森尚慶
- 言語活動を活発にするモデル図の活用
─6学年「ものの燃え方」─ 松本武久
新学習指導要領の移行措置2年目になりました。いよいよ来年度から本格実施です。
学校現場からは,新しく入ったり,内容が付加されたりした単元を扱っていくにあたり,さまざまな声が聞こえてきています。
今回の改訂で目標に新たに加わった「実感を伴った理解」を推進していくためには,「主体的な問題解決」を重視していくこと,そして「言語活動の充実」が重要であると掲げられていることは,言うまでもありません。(以下抜粋)
科学的な思考力・表現力の育成を図る観点から,学年や発達の段階,指導内容に応じて,例えば観察・実験の結果を整理し考察する学習活動,科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動,探究的な学習活動を充実する方向で改善する。 『小学校学習指導要領解説理科編』4頁
観察,実験において結果を表やグラフに整理し,予想や仮説と関係付けながら考察を言語化し,表現することを一層重視する必要がある。 『小学校学習指導要領解説理科編』7頁 |
上記のように,問題解決学習の過程における「言語活動」では,事象(事実)の差異点や共通点を記録したり,比較や分類,関係づけといった技法などを活用し説明したり,仮説を立てて観察・実験を行い,その結果を考察し,まとめて,表現したりすることが重要となっています。
実際の学習場面に置き換えて考えると,
・重さや時間,回数などを数値として捉える
・観察や実験における双方の関係を表や図に整理する
・目にした事象を科学的な言葉を使って考察したり,説明したりする
・観察や実験から得た事実を合わせて見えない現象を図や絵,モデルを使って表わす
などを,各単元のなかで行っていくことが,これまで以上に求められています。
ただ最終的に,「科学的な思考力・表現力の育成」まで考えた場合,これだけを行っていけばよいのでしょうか。そのためには,各学年に重点化されている「比較」や「関係づけ」「条件制御」「要因や規則性,関係の推論」「分析,解釈」という能力を,子どもたちの発達段階に合わせて,言語活動のなかではもちろんですが,すべての学習過程において生かしていくことが,大切になってくるものと思われます。
そこで本号では,「理科における言語活動」について考えられていること,日常の実践で行っている言語活動,言語活動で変わってくる(変わった)授業などを紹介していただき,今後の「理科における言語活動」を,さらに充実させていただきたいと思います。(担当/中村 大地)
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