月刊 現代農業 季刊 のらのら 隔月 保健室
  季刊地域 季刊 うかたま 季刊 生物科学

日本初等理科教育研究会 編集
初等理科教育
バックナンバー購入
2010年12月号 No559
理科における言語活動の充実
12月号表紙
  • 6学年「月と太陽」の教材活用 教材提供:株式会社 ヤガミ
  • 特集キーワード 中村大地
  • 「SHIRASE」探検記&インタビュー
  • 言葉は仲間と心をつなぐために 露木和男
  • 思考する場の設定と「言語化」を図るための工夫 佐伯英人
  • 「科学のことば」を軸にした学習指導の工夫
    ─6学年「追究!電気の性質と働き(電気の利用)」の実践から─ 吉田哲朗
  • 目に見えない世界のイメージ化
    ─6学年「電気の利用(電熱線の発熱)」の試行─ 大森尚慶
  • 言語活動を活発にするモデル図の活用
    ─6学年「ものの燃え方」─ 松本武久

 新学習指導要領の移行措置2年目になりました。いよいよ来年度から本格実施です。
 学校現場からは,新しく入ったり,内容が付加されたりした単元を扱っていくにあたり,さまざまな声が聞こえてきています。
 今回の改訂で目標に新たに加わった「実感を伴った理解」を推進していくためには,「主体的な問題解決」を重視していくこと,そして「言語活動の充実」が重要であると掲げられていることは,言うまでもありません。(以下抜粋)

 科学的な思考力・表現力の育成を図る観点から,学年や発達の段階,指導内容に応じて,例えば観察・実験の結果を整理し考察する学習活動,科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動,探究的な学習活動を充実する方向で改善する。 『小学校学習指導要領解説理科編』4頁

 観察,実験において結果を表やグラフに整理し,予想や仮説と関係付けながら考察を言語化し,表現することを一層重視する必要がある。 『小学校学習指導要領解説理科編』7頁

 上記のように,問題解決学習の過程における「言語活動」では,事象(事実)の差異点や共通点を記録したり,比較や分類,関係づけといった技法などを活用し説明したり,仮説を立てて観察・実験を行い,その結果を考察し,まとめて,表現したりすることが重要となっています。

 実際の学習場面に置き換えて考えると,
・重さや時間,回数などを数値として捉える
・観察や実験における双方の関係を表や図に整理する
・目にした事象を科学的な言葉を使って考察したり,説明したりする
・観察や実験から得た事実を合わせて見えない現象を図や絵,モデルを使って表わす
などを,各単元のなかで行っていくことが,これまで以上に求められています。

 ただ最終的に,「科学的な思考力・表現力の育成」まで考えた場合,これだけを行っていけばよいのでしょうか。そのためには,各学年に重点化されている「比較」や「関係づけ」「条件制御」「要因や規則性,関係の推論」「分析,解釈」という能力を,子どもたちの発達段階に合わせて,言語活動のなかではもちろんですが,すべての学習過程において生かしていくことが,大切になってくるものと思われます。

 そこで本号では,「理科における言語活動」について考えられていること,日常の実践で行っている言語活動,言語活動で変わってくる(変わった)授業などを紹介していただき,今後の「理科における言語活動」を,さらに充実させていただきたいと思います。(担当/中村 大地)


  

Back Number

2010年
11月号 系統性を重視した指導(生命・地球)
10月号 確かな学力を育む理科の系統性(エネルギー・粒子)
9月号 メディアと問題解決
8月号 教科をつなぐ理科
7月号 子どもの学びと実験・観察
6月号 「A区分」新内容・新教材 こう授業する
5月号 生命・地球「B区分」の魅力にせまりたい
4月号 新学習指導要領で授業はこう変わる
3月号 子どもの問いかけをどう組織化するか
2月号 理科と「言語活動」
1月号 学ぶ喜びのある授業
2009年
12月号 「理科離れ」の正体を探る
11月号 考察力を高める
10月号 実験結果のまとめと評価
9月号 活用できるものづくり教材
8月号 教師と子どもをつなぐ板書術
7月号 環境教育と理科
6月号 学ぶ価値を実感する授業
5月号 今こそ,自然観察力を育てたい
4月号 新学習指導要領をどう実践するか
3月号 科学史を授業に生かす
2月号 「生命」「地球」概念の授業
1月号 科学的思考力を育てる
2008年
12月号 実感を伴った理解
11月号 「伝え合う力」を育てる理科授業
10月号 習得・活用・探究学習と子どもの思考
9月号 活用力を高める「深化課題」の開発
8月号 人間力の向上
7月号 「エネルギー」「粒子」概念の授業を考える
6月号 「ことば」を重視する理科の授業とは
5月号 自然・科学・実感 はじまる新しい理科!
4月号 PISA型科学的リテラシー
3月号 活用力を育てる授業
2月号 意味の理解を伴った知識や技能の習得のさせ方
1月号 「子ども理解」を深めるために
2007年
12月号 研修・授業分析の生かし方
11月号 授業力を磨く
10月号 子どもの発達と問題解決
9月号 今,福島が熱い! 全国大会への道
8月号 授業が成り立つ問題が見えてくる
7月号 実生活と授業をつなぐ
6月号 授業がぐっと深まるこの発問
5月号 授業における子どもの「ひらめき」
4月号 “状況に入る学び”と“状況をつくる学び”
3月号 “読解力”を育てる理科授業の改善
2月号 「何を」かくか 「いつ」かくか
1月号 児童に考えさせる実験結果のまとめ方
2006年
12月号 今,単元構成を考える
11月号 教えて考えさせる授業と問題解決
10月号 話し合いを深めるキーワードとは?
9月号 感性をみがく理科教育
8月号 知識の差,経験の差を乗り越える理科授業
7月号 幼・小・中連携を踏まえた学習指導要領改訂のポイント
6月号 「表現力」を理科で鍛える
5月号 知的ボルテージを高める理科授業
4月増刊号 学力低下を克服する 小学校理科の新展開
4月号 こうすれば楽しくなる,理科の授業!!―若い先生方とともに育つために―
3月号 小学校理科はこれでいいのか―学習指導要領改訂への提言―
2月号 問題解決の力を育む
1月号 子どもが「わかった」と実感できる授業
2005年
12月号 子どもの見方や考え方をとらえる
11月号 見えない世界を楽しむ
10月号 他教科との関連を踏まえた新世紀型理科教育
9月号 こだわりを育てる理科授業
8月号 確かな学力に高める「説明活動」
7月号 子どもの出番! 教師の出番!
6月号 先行学習の有効性
5月号 教師を理科好きにする“新しい校内研修”
5月増刊号 「真の学力」を育てる 理科の学習指導案集
4月号 ふるさとの自然に自信と誇りを育てる授業
3月号 個の学びを生かした 練り上げのある授業
2月号 豊かな「挫折」がある授業
1月号 自然を豊かに感じ、確かな科学を築く
2004年
12月号 発展的な学習のアイデア
11月号 「問題解決」の原点
10月号 対話で変わる子どもの見方や考え方
9月号 わかる理科授業をめざして
8月号 21世紀型の教材研究
7月号 特集:子どものつくる「問題」、教師の考える「問題」
6月号 特集:みがけ! 感性
5月号 専門家の協力を得た授業
4月増刊号 小学校理科授業のレベルアップ読本
4月号 確かな学力を育てる理科授業
3月号 長期記憶に残る理科授業の工夫
2月号 「問題解決と学力」を問う
1月号 理科嫌いをなくす授業をめざして
2003年
12月号 予習と理科学習
11月号 「わくわく導入」のあり方
10月号 科学的思考を育てる「基礎・基本」
9月号 ポートフォリオを生かす
8月号 教師の指導力を問う
7月号 ものづくりで科学する力を
6月号 どうする? 発展的・補充的な学習
5月号 飼育・栽培の楽しみ
5月増刊号 楽しい理科の導入の工夫
4月号 ワンランク上の学力をつけたい
3月号 学習指導要領をみつめなおす
2月号 学力低下への緊急提言
1月号 理科から総合へ
2002年
12月号 海外の理科教育に学ぶ
11月号 絶対評価 私の実践
10月号 地域とつながる理科教育
9月号 わかる喜びをめざす理科の授業
8月号 教材化を図る教師の眼
7月号 自然体験活動のすすめ方
6月号 理科の授業と仲間づくり
5月号 センス・オブ・ワンダーの心を育てる
5月増刊号 理科に役立つ栽培植物
4月号 「豊かな心」にどこまで迫れるか
3月号 感動を表現する子どもを育てる
2月号 現代日本の理科離れの危機
1月号 子どもの仮説が生きる授業
2001年
12月号 IT革命と理科授業
11月号 子どもが協同しあう授業の創造
10月号 ものづくりをどう位置づけるか
9月号 理科で育つ学力
8月号 「わかる」授業から「わかりあう」授業へ
7月号 事実を大事にした授業
6月号 生命観を養う理科授業
5月号 地域の自然 目のつけどころ
5月増刊号 もっと活かそう学校環境
4月号 特集:私の考える「よい授業」
3月号 特集:心に残る授業
2月号 特集:理科で育つ資質や能力
1月号 特集:心の世紀と理科の教育

|| 農文協のトップへ || このページのトップへ ||