- 5学年「動物の誕生」の教材活用 教材提供:株式会社ケニス
- 特集キーワード 佐々木昭弘
- インタビュー 中村正人氏に聞く/小学校1,2年生の教育がいちばん大切
- 「まとめ」の活動とその意義 遠西昭寿
- 授業の終末には“独りで創る”活動を設定する
─5学年「ものの溶け方」における説明活動から─ 森田和良
- 単元終末における活用場面の設定の仕方
─3学年「ものの重さと体積」を例に─ 白岩等
- 理解を深めるための終末活動 鷲見辰美
- 「教えたつもり」からの脱却を目指して
─終末指導の工夫─ 種子和憲
◆これまで,理科教育においては,学習の入り口である「導入指導」のあり方について,研究が繰り返し行われてきました。「事象の提示」「自由な試行」をはじめとした具体的な指導法は,その研究のなかで生まれてきた大きな成果でありました。
一方,学習の出口である「終末指導」のあり方についての研究は,それほど重点的に行われていなかったように思います。公開される多くの授業も,時間が足りなくなってしまうことがほとんどで,「終末指導」がどのように行われるべきか,ほとんど議論されてきませんでした。
◆これまでの評価観点の一つであった「科学的な思考」に「表現」が加えられ,「科学的な思考・表現」となりました。その趣旨は,言語活動を中心とした表現活動を,評価と一体化して行うことを明確にするためであるといいます。具体的には,獲得した知識・技能を活用し,各教科の内容などに即して思考・判断したことを,「記録・要約・説明・論述・討論」といった言語活動を通して評価しようというものです。つまり,これからの授業づくりにおいては,言語活動を適切に取り入れ,表現された事実にもとづいて子どもを適切に評価することが求められているわけです。
◆そこで本特集では,これからの授業に求められる新しい「終末指導」の具体的な指導法と,その理論的な背景について,実践的研究の成果を踏まえながら考えてみることにしました。
(担当/佐々木 昭弘)
3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震は,東日本に甚大な被害をもたらしました。被災された方々に,心からお見舞い申し上げます。
地震があった午後2時46分といえば,どの学校も下校の支度をしたり,下校をはじめたりしている時刻でした。先生方は子どもたちを守ろうと,必死だったにちがいありません。
今回の災害は,私たち教師の心の中に「自分だったら,どうしただろう」「何ができただろう」という問いとともに,「自分は教師としてどう生きたらよいか」「これからどのような授業をしていくのか」「子どもたちに何を伝えるのか」という課題を残しました。
被災地の1日も早い復興とそこに生活している方々のご健勝を心からお祈りするとともに,改めて私たち教師一人ひとりが,これから何をなすべきか考えていきましょう。
日本初等理科教育研究会理事長 一寸木 肇
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