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─「環境水族館」としてできること─
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- 思考の深まりが生む伝える意欲
─5学年「電磁石の性質」の実践より─ 奥村敬治
- 子どもの考えを総合的につなげる言語活動
─3学年「光であそぼう」の実践より─ 鎌田まりみ
- 「ことば」で観察・実験とモデルをつなぐ 井上竜作
新学習指導要領が本格実施されました。
一昨年度からの移行措置期間を終えて,学校現場からは,新しく加わった単元,内容が付加された単元を扱っていくにあたり,さまざまな声が聞こえてきます。
今回の改訂で目標に新たに加わった「実感を伴った理解」を推進していくためには,「主体的な問題解決」を重視していくこと,そして「言語活動の充実」が重要であると掲げられていることは,いうまでもありません。(以下抜粋)
科学的な思考力・表現力の育成を図る観点から,学年や発達の段階,指導内容に応じて,例えば観察・実験の結果を整理し考察する学習活動,科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動,探究的な学習活動を充実する方向で改善する。
『小学校学習指導要領解説理科編』
観察,実験において結果を表やグラフに整理し,予想や仮説と関係づけながら考察を言語化し,表現することをいっそう重視する必要がある。
『同上』 |
上記のように,問題解決学習の過程における「言語活動」では,事象(事実)の差異点や共通点を記録したり,比較や分類,関係づけといった技法などを活用し説明したり,仮説を立てて観察・実験を行い,その結果を考察し,まとめて表現したりすることが重要となっています。
実際の授業場面では,どのように行われているのでしょうか。自分の日常の実践から考えてみると,
・重さや時間,回数などを数値として捉える。
・観察や実験における双方の関係を表や図に整理する。
・目にした事象を科学的な言葉を使って考察したり,説明したりする。
・観察や実験から得た事実を合わせて見えない現象を図や絵,モデルを使って表わす。
などがあげられます。
「科学的な思考・表現」を考えた場合,これだけを行っていけばよいのでしょうか。そのためには,各学年に重点化されている「比較」や「関係づけ」「条件制御」「要因や規則性,関係の推論」「分析,解釈」という能力を,子どもたちの発達段階に合わせ,「言語活動」を用いて生かしていくことが大切になってくるものと思われます。
そこで本号では,「言語活動のあり方」について考えられていること,日常の実践で行っている言語活動,言語活動により変容が見られた授業などを紹介していただき,今後の「理科における言語活動」を,さらに充実させていただきたいと思います。
(担当/中村 大地)
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