- 5学年「動物の誕生」の教材活用 教材提供:株式会社 内田洋行
- 特集キーワード 鷲見辰美
- インタビュー 村山哲哉氏に聞く/
全国学力・学習状況調査から
見えてきた
これからの理科活動の方向性
- 平成24年度全国学力・学習状況調査結果を踏まえた
授業改善の視点 塚田昭一
- 平成24年度全国学力・学習状況調査
【第1分野】調査結果と授業改善 谷口哲也
- 平成24年度全国学力・学習状況調査
【第2分野】調査結果と授業改善 田中保樹
- 全国学力・学習状況調査から考える今後の理科授業 鷲見辰美
- 「わかったつもり」を超える理科授業へ 原口淳一・井上竜作
- 見落としがちな「条件」をどのように制御するか 福島千恵子
平成24年4月17日に,初めて理科の全国学力・学習状況調査が実施されました。これまでは国語と算数が実施され,それぞれの教科において「活用する力」をどのように考えるかが話題になりました。今回の理科の調査においては,「知識」と「活用」の2つに分類され,活用が「適用」「分析」「構想」「改善」という枠組みで示されることになりました。そして,実生活の場面で問題を解決していく形式が多く含まれたことが特徴的だったといえます。また,「学校で学んだ知識を問う」だけではなく,日常のさまざまな問題に対して「学校で学んだ知識を利用する」ことが,大きなメッセージであったといえるでしょう。したがって,今回の学力調査の実施により,これまでの理科の学習観が大きく変わることになると考えられます。
「知識」:
「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」などの科学の基本的な見方や概念を理解しているか |
「適用」:
理科で学んだ自然の事物・現象の性質や働き,規則性などに関する知識・技能を,実際の自然や日常生活などに当てはめて用いることができるか
「分析」:
自然の事物・現象に関するさまざまな情報および観察・実験の結果などについて,その要因や根拠を考察し,説明することができるか
「構想」:
身につけた知識・技能を用いて,ほかの場面やほかの文脈において,問題点を把握し,解決の方法を構想したり,問題の解決を想定したりすることができるか
「改善」:
身につけた知識・技能を用いて,自分の考えを証拠や理由に立脚しながら主張したり,他者の考えを認識し,多様な観点からその妥当性や信頼性を吟味したりすることなどにより,批判的に捉え,自分の考えを改善できるか |
(平成24年度全国学力・学習状況調査解説資料小学校理科より)
今回の結果では,活用の問題において,各枠組みで正答率が低かったということだけではなく,「受粉」などを答える知識問題では無解答率が多いという結果からもわかるように,知識問題も十分ではないことが明らかになりました。では,このような「知識」や「活用する力」を,子どもたちにどのように身につけさせていけばよいのでしょうか。
そこで今月は,8月8日に公開された調査結果も踏まえながら,学力調査から見えた理科の学力について特集し,「知識」や「活用」について検討していきます。理科における「活用する力」とは何なのか,どのようなことが課題なのか,課題に対してどのように指導すればいいのかについて,具体的に考えていきます。これから理科に求められる学力や指導のポイントが,きっと見えてくると思います。
(担当/鷲見 辰美)
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