- 11月の自然のたより 写真提供:増田和明
- 特集キーワード 志田正訓
- インタビュー 森篤嗣氏に聞く/教師は子どもの言語モデル
教師の言葉で子どもは変わる!
- 校内で“すすめる”理科指導力の向上
─ともに学び合い,共有して成長する場の形成─ 平野俊英
- 言語活動の充実を質的に評価し教師の成長を再考する
新井正樹・益田裕充
- 子どもの見方・考え方にもとづいた問題解決を実現する授業づくり
─A区分 4学年「電気の働き」を事例として─ 三田幸司
- 観察する力を高める教師の手立て
─4学年単元「私の『生きもの』をアルバムにしるそう」実践事例より─
下吉美香・田中一磨
- 全国学力・学習状況調査結果をもとに活用する力「分析」を育てる授業
─A区分 6学年「電気の利用」─ 中山貴司
平成25年4月25日に出された「第2期教育振興基本計画について(答申)」の中で,教員の資質能力の向上が基本施策として掲げられており,私たち教師は,その指導力の向上に向けて,さまざまな取組みを行っています。そして,指導力の向上を含めた教師の成長は重要であり,急務であると言えます。それでは,どのようなことに力を入れて取り組むことが必要なのでしょうか。
理科に注目してみると,平成24年度に「全国学力・学習状況調査(理科)」が実施されて,その結果を受けて,「授業アイデア例」が作成され,さまざまな授業が提案されています。また,本調査の中では,理科における主として「活用」に関する問題について,4つの枠組み(適用,分析,構想,改善)が明示されました。このように,国においては,全国学力・学習状況調査を中心として,日々の授業改善に関する方針が示されています。
学校では,個人,もしくは学年の先生方と理科の教材研究として,予備実験などをし,学習内容と指導方法の両面から授業の流れを考えているのではないでしょうか。また,校内研究において,理科を研究教科の対象にされている場合は,代表の先生がその他の先生に授業を見ていただき,教職員全体で協議をして授業研究を進めていく学校もあるでしょう。
国においても学校においても,教師のための理科の指導力向上についてさまざまな取組みがなされています。しかし,私たちが指導力向上を目指すのは,目の前の一人ひとりの子どものためであり,教師の指導力向上にあたっては,子ども理解や子どもへの学力保障といった視点を忘れてはいけません。目の前の子どもにどのような課題があるのか,そして,それを克服するために,どのような指導が必要なのか。そこを考えることが,指導力向上の第一歩なのではないでしょうか。
つまり,理科の指導力向上に向けた取組みを行う際には,私たち教師が,まずは子どもを理解しようという視点に立ったうえで,さまざまな資料を活用し,教材研究を行うこと,そして,子どもの変容を踏まえた授業研究を教師一人ひとりが続けていくことが重要です。本号では,授業の実際を,そのような理科の指導力向上に関する取組みと合わせて紹介していただきたいと思います。
本号が,理科の指導力向上の指針を示すことができることを願うとともに,読者の先生方の授業づくりのお役に立てると幸いです。
(担当/志田 正訓)
|