- 2月の自然のたより 写真提供:増田和明
- 特集キーワード 横山考志・塚田昭一
- 大会を終えて・日程と内容
[大会を終えて]未来を切り拓く子どもの育成をめざして 依田眞吾
大会の日程と内容 岩根宏充
- 記念講演 理科における問題解決と授業づくり 村山哲哉
- 研究提案 未来を切り拓く子どもを育てる理科授業の創造
─問題解決を通して,達成感・自己効力感・有用感を高める─
杉山陽亮
授業の様子と研究協議
- 3学年 授業T 単元名「風やゴムのはたらき」,
授業U 単元名「ものと重さ」 中村明子
- 4学年 単元名「水のゆくえ」 藤本幸大
- 5学年 単元名「振り子のきまり」 杉田芳江
- 6学年 授業T 単元名「月と太陽」,
授業UA・UB 単元名「電気の利用」 山中大介
- [全体講評]問題解決への意味理解が深まり,
科学の花を咲かせる授業の創造に向けて 森田和良
- 研究発表と研究協議
3学年 小酒井晃子・小林卓/4学年 古瀬健太郎・松田善行/
5学年 日向聡・中村諒/6学年 新北史人・堺将史
- 座談会 堺大会を終えて ─研究部長,各授業者に聞く─
今月号は,日本初等理科教育研究会全国大会堺大会の特集です。堺大会では,研究主題を「未来を切り拓く子どもを育てる理科授業の創造」と設定しました。本主題を実現するために,問題解決を通して,達成感・自己効力感・有用感を高めていくことをめざした授業を提案しました。
「未来を切り拓く子ども」とは,「自らよりよく生きる生き方を求め,自信と謙虚さをもって行動し,必要な知識と問題解決の能力を持っている子」と考えました。
問題解決の過程のなかで,小グループでの話合い活動を大切にしたセッションタイムでは,一人ひとりの問題解決の質を高めていく取組みを通して,自分の気づきや考えを友達と表現し合い続けてきたことで,一人ひとりが主体的に観察・実験し,考えることができる子どもが育ってきました。また,そのことが自信となり,「自己効力感」を高めていくことができてきました。
「科学に対する有用感」では,授業のなかで学習した知識や技能が,生活のなかに活かされていると感じる場面を,意図的に設定しました。また,「問題解決に対する有用感」では,このように問題解決の過程で学習を進め続けていくことで,問題解決の能力を身につけることができ,理科だけでなくほかの場面においても使えることが実感できました。
本大会では,このように問題解決を通して,この3つの感「達成感・自己効力感・有用感」を高めていくことにより,自らよりよく生きる力を求め,自信と謙虚さをもって行動し,必要な知識と問題解決の能力を持つようになった子,すなわち「未来を切り拓く子」として,具体的な子どもの姿を見ていただきました。
本号から,理論と実践の合一をはかった取組みを感じ取っていただけたら幸いです。
(担当/横山 考志・塚田 昭一)
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