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第1回 手ぶれを防ごう

 デジカメはフィルムのカメラと違って、撮影した画像をその場ですぐに確認できるし、フィルム代やプリント代がかからない便利な道具だ。すごい勢いで普及し始めているが、きれいに撮影できなかったり、意味不明の写真になってしまうことも多い。
 デジカメも、普通のカメラも撮影する基本はまったく同じ。ほんの少しコツを覚えれば、誰にでもかっこいい写真が撮れるようになる。プロが教えたがらないちょっとしたコツを中心に話を進める。

  • デジカメの選び方
  • コツ1 液晶モニターは使わない
  • コツ2 カメラの構え方
  • コツ3 三脚を使う
  • コツ4 三脚のエレベーターを正しく使う
  • レフ板の効果
  • レフ板のつくり方

  • デジカメの選び方

     次の基準に適合したカメラを選ぶ。
    1 単3電池が使える機種
    2 ズームは8倍程度で充分
    3 外部ストロボが使える機種
    4 できるだけがっちりとした機種
    5 画素数にこだわらない
     これを満たすのは、カメラメーカーの機種であることが多い。



    コツ1 液晶モニターは使わない

     ほとんどの人が液晶モニターを見ながら撮影しているけれども、次の理由で使わないほうがいい。
    1 デジカメでいちばん電池を食うのは液晶モニターだ。撮影した画像の確認にだけ使ったほうが電池を節約できる。
    2 カメラブレの原因となる。液晶モニターを見ながら撮影すると、カメラブレが起こりやすくなる。


    コツ2 カメラの構え方

     写真をごらんいただきたい。小さなカメラを構えるときでも、両脇をしっかりと締めて、ファインダーを顔にしっかりと近づけて撮影しよう。これはカメラブレを防ぐコツである。オートフォーカスになってからピントは合っているのだけれども、カメラブレによる「ピンボケに見える」写真が激増した。ボケを防ごう。

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    両脇をしっかり締めて両手でカメラを構える。足は肩幅くらいにゆったりと開く。

    左ひじを左太ももに乗せてしっかりと固定する。しゃがんで撮影することは比較的多いので、この構え方をきちんと身に着けよう。

    手すりを利用するときは、両肘をしっかりと手すりに押し付けよう。

    夜景を写すときなどは、カメラ本体を手すりにしっかりと固定するとよりカメラブレを防ぐことができる。

    コツ3 三脚を使う

     がっちりした重たい三脚がいいのだが、そこまでの物を購入することはない。しかし、おまけについてくるようなものは避けたほうがいいだろう。金額で言うと、デジカメ本体価格の30%程度のものでいい。できるだけ余計なレバーのついていない、写真のような「自由雲台」が使いやすい。

    写真のようにカメラを取り付ける運台は、レバーひとつでぐるぐる動く自由雲台が使いやすいだろう。

    コツ4 三脚のエレベーターを正しく使う

     三脚の便利な機能のひとつに、「エレベーター」がある。くるくると回すだけで、カメラの高さを調節できる。けれども、このエレベーターは正しく使わないと、カメラブレの原因となるので注意しよう。

     まず、三脚の本体の脚の部分は、被写体の高さに応じて、大まかに決める。エレベーターは、あくまでも微調整にだけ使うようにしよう。写真のように15cm内外で使うのが理想だ。

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    エレベーターをいっぱいに伸ばすと、カメラブレの原因になる。

    エレベーターは、あくまでもカメラの高さの微調整に使おう。
     

    エレベーターはおおむね15cm以内の高さで使おう。

    レフ板の効果

     レフ板とは、光を反射して陰の部分の光を補うために使う板。この写真はレフ板のあるなしを比較したものだ。レフ板を使わないと影の側が暗く写ってしまうけれども、レフ板を使うと暗い影の部分に光が回ってメリハリのきいた写真になるのがわかるだろう。レフ板一枚で、お手軽にかっこいい写真を撮影することができるのだ。かかる費用は、1000円以内だ。

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    【レフ板なし】


    人形の向かって右側が暗く沈んでしまった。

    レフ板を使わないで、画面左ななめ後ろからの窓の光で撮影した。

    【レフ板あり】


    人形の向かって右側にも適当な光が当たって表情が豊かになる。

    窓の反対側にレフ板をおいた状態。

    レフ板のつくり方

     ホームセンターなどに売っている発泡スチロールの板でも作れるが、白い画用紙やケント紙を二つ折りにしてもOK。二つ折りにする理由は、半開きにすれば、誰かにレフ板を支えてもらう必要がないからだ。

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    1.ホームセンターなどで、発砲スチロールの板を購入する。横幅60cmのもので充分。

    2.長返方向半分でカット。

    3.でこぼこにならないように、なるべくきれいにカットする。

    4.二つにあわせて、

    5.→

    6.透明な幅広セロテープもしくは、荷造り用の白いガムテープでセンターをしっかりと張り合わせる。裏返しにして反対側もテープで止める。

    7.テープに空気が入らないようにしっかりと「しごく」。

    8.レフ版のできあがり。どこに行くにも持って出かけよう。荷物になるけれど、非常に便利な小物だ。

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