「総合的な学習の時間」のプランづくりをインターネットで

「食と農 学習のひろば」http://gakkou.ruralnet.or.jp  好評公開中

求められている「生きた情報」
 「私は、土とは無関係な仕事―小学校の教師として働いている。教師には縁遠いと思われる『現代農業』を2年間購読していて感じることは、ともに対象を『より良く育てよう』としていることであった。『現代農業』の中には、農作物を作り・工夫し、さらに良いものを育てていこうとする気概が充満している。そして農業とともに人間社会も発展させようとする視点は、21世紀社会への理念であると思う。『育てる夢』を送り込んでくれる情報誌、それが『現代農業』である」

 これは、千葉県の読者からいただいた投書だ。今、農家の雑誌である『現代農業』を読む学校の先生が増えている。『現代農業』は、農家に学び、農家の思いとともに農業の技術や自給の知恵を発掘し、広げてきた日常生活・生産文化の情報誌である。豆腐や味噌づくりなど加工による村づくりや、炭・木酢・ボカシ肥など有機農業の工夫など、その「生きた情報」を「総合的な学習」を構想する先生方は「たいへん示唆に富んでいる」と受け取っているのである。3月にオープンした「食と農 学習のひろば」へのアクセスが着実に伸びているのもそうした動きの一端であるといえよう。

教材づくりのイメージを ふくらませるデータベース
「食と農 学習のひろば」の最大の特色は、農文協が長年の活動の中で蓄積してきたデータベースである。前掲の月刊『現代農業』をはじめ印刷物としては数百冊にのぼる。「食と農」の基本と応用のほぼすべてに関わるもので、わが国で使えるデータベースとしては唯一のものである。

 しかも「食と農 学習のひろば」では、「ガイドページ」といって、ひとつの作物から「総合的な学習」を組み立てていくのに役立てていただこうと、いくつかのテーマを提示し、メニュー形式で記事を引き出せるようなシステムを準備している。現在は第1弾として「ダイズ」を素材にした試作版を公開中だが、これを見ると植物としての特性から料理・加工にいたるまで、ダイズの世界が広がり、農家が蓄積してきた技術と文化と子どもたちをつなぐための授業の切り口やアイデアが豊かに浮かんでくる。今後、学校でよく栽培されている20品目程度を目標に準備を進めていく。

 このデータベースは有料会員制だが、記事のタイトルや見出し、執筆者や出典出版物、掲載ページなどの記事の諸要素までの検索は誰にでも無料で試すことができる。

データベースに収録されている情報(一部予定)
▼自然な暮らしを求める 月刊実用誌『現代農業』1985年以降
▼全国5000人のおばあちゃんからの聞き書き 『日本の食生活全集』全50巻
▼作物の起源から経営事例まで農業の総合百科事典 『農業技術大系』全61巻
▼病害虫の生態から天敵による防除まで 『病害虫防除総覧』全21巻
▼農文協の教育雑誌 『食農教育』『農業教育』等
▼農業に関わる4000点以上のカラー画像データベース