著者:鈴木 薫
A5判 304ページ
ISBNコード: 4-540-03218-6
発行日:2003年10月23日
東洋と西洋の交わる地に花開いた、フランス・中国と並び「世界3大料理」と称されるトルコ料理。その食文化の真髄を民族の食の伝統、食材の空間的背景、イスラムの戒律などの諸要素から解き明かす食の一大絵巻。
世界の食文化 9 トルコ 目次
ボスポラスのほとり、マルマラの岸/イスタンブル旧市街の雑踏/スパイスの芳香、露店の匂い/市場と食物屋と/食の宝庫
トルコ料理は世界三大料理の一つ?/料理と自然/文明と文化/様々な文化と文化世界/文字圏と食文化/三大料理論と食文化圏
トルコ料理の諸源流/トルコ民族の伝統/トルコ民族とイスラムとの出会い/中央アジアからアナトリアへ/諸源流の融合の場としてのオスマン帝国/イスラム食文化の伝統/ビザンツの遺産と地中海の食材世界と
場としてのオスマン帝国の形成/オスマン帝国下における食材圏の拡大/食の文化の成熟器としてのイスタンブル/宮廷と「御殿風」/都と鄙と/年中行事と祝儀もの
トルコの食の伝統的作法/「指食圏」としてのイスラム世界/イスラム的座食の作法/食卓のしつらえ/食器の品揃え/金器から中国陶磁器へ/二食制から三食制へ
トルコ料理とその食材の空間的背景/アナトリアとトルコ領ヨーロッパ部の気候帯と生態系/麦と米との接点としてのトルコ/豆と芋と/茄子と胡瓜と/青物の色々/玉葱と人参とトルコ大根と/果物と木の実と/いま一つの陸の幸─家畜と家(〓擒のてへんがない漢字)/川と湖の幸/海の幸/帝国の食材圏/食材圏としてのインドとその彼方の世界/中南米渡米の品々
塩調味料圏の一画/だしとしての羊汁/隠し味としての玉葱の役割/アクセントとしての酸味の役割/トマトの普及とその用法/バター圏とオリーヴ油圏と/甘味料の色々/ハーブとスパイス/辛味の変遷
古料理書に現れた料理の区分/最古の刊本料理書の料理の区分/オスマン食文化の総目録的料理書/現代の料理書の分類のいくつかの例
メゼ─トルコ式前菜/サラダとジャジュク
卵料理の用法/スープの色々/トルコのスープの品揃え
ケバブだけでない肉料理の多様性/料理書でのトルコ料理におけるケバブの位置/トルコ式焼肉の原型としてのチェヴィルメ/詰め物焼きドルマ/衰退しつつある料理名キュルバストゥ/ケバブの色々/串焼き系ケバブの色々/直火のトルコ式つくねと、その諸タイプ/クユとタンドルと/煮物的ケバブの数々/ケバブ以外の様々な肉料理/キョフテ─トルコ式肉団子/蔵物と頭と/羊以外の獣肉と鳥肉と/川と海の幸の食べ方
野菜料理の諸ジャンル/「坊さんが目を回した」─野菜料理の華/ゼィティン・ヤール・ドルマの数々/ピラーキー/温かい野菜料理の諸ジャンル/肉入りのドルマの品揃え/ムサカとトゥリュリュと/トルコ式煮豆の変遷
パン食圏としてのトルコ食文化/パンとパン焼きかまどと/パイの色々/お焼きとトルコ式ピッツァ/トルコ式麺類の乏しさ/マントゥのきた道/おかずとしてのピラフ/庶民の食事としてのブルグル・ピラフ/口がわりとしてのトゥルシュ
イスラムの戒律としての禁酒/水の貴さ/シャーベットの源流/宮廷風健康飲み物の味/それでも酒は禁断の美酒/メイハネの世界/馬乳酒と民族主義
酒なき世界における甘味の優位/甘味のジャンルと種類/トルコ式プディングとその同類/焼き菓子づくし/サヴァランの源流/ヘルヴァという甘味/トルコ菓子の代表としてのロクム/エズメ─トルコ式半生/飴と砂糖細工/木の実や果物素材の甘味の色々/レチェルとシュルプ/ホシャプとコンポスト/コーヒーなき時代の嗜好飲料/コーヒーの到来/カフヴェの世界/トルコ・コーヒーの入れかた/トルコ・コーヒーの作法/喫茶の風習の伝来/カフヴェの変容
伝統と変化と/「西洋の衝撃」の到来/食文化における「西洋化」の進展/トルコ食文化の変化の緩慢さ/グローバリゼーションの深化と外食文化の変容/ノスタルジック・アナトリアとノスタルジック・オスマン風と/トルコ料理の海外への拡がり
あとがき
監修にあたって 石毛直道
『世界の食文化 トルコ』鈴木薫 東西の文化の交差点が生んだフランス・中国と並び「世界3大料理」と称されるトルコ料理の真髄。 [本を詳しく見る] |
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『絵本 世界の食事 トルコのごはん』文:銀城康子/絵:高松良己 香辛料の交易の拠点、ヨーグルト発祥の地、トマトとタマネギが味の決め手、豊富な小麦料理や詰め物料理など世界3大料理の国の食。 [本を詳しく見る] |
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『季刊 vesta(ヴェスタ)』 身近な食の深奥な世界に多角的な視点から迫る食文化研究誌。年間購読料前納で送料サービス。 [本を詳しく見る] |
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