食と農の学習の広場ルーラル電子図書館田舎の本屋さん
Ruralnet・農文協食農教育2001年3月号

食農教育 No.12 2001年3月号より

『現代農業』を手引きにして

ダイコンやレタスも花が咲くの?


赤ダイコン
リーフレタス
この花、何の花?(上・赤ダイコン、下・リーフレタス)

農家の知恵が豊富に載っている地域づくりの総合実用誌『現代農業』では、その2月号に「野菜の花」の写真が掲載されています。左ページがその野菜の花です。実物はカラーで、なかなか可憐なものです。さてあなたは何の花だかわかりますか?

キュウリやスイカは黄色い花、トマトの花はその真っ赤な果実に比べて何とも地味な花をつけます。またナスは果実の色に近い紫の花弁と黄色いおしべのコントラストがきれいですね。このような実を収穫する野菜(果菜)は、注意すれば必ず花を見ることができます。

では、ダイコンやレタスの花はどうでしょう。どんな色の、どんな花が咲くのでしょうか。

例えばダイコン。学校園でダイコンをつくっても、根っこが大きく育った段階でヨイショと抜いてしまいます。

このダイコン、2〜3本残してそのまま観察を続けてみたらどうでしょうか。育てた品種にもよりますが、春先になってくると芯が伸び出して、そのうち、十文字の可愛い花を咲かせます。花の形からアブラナの仲間だとわかります(レタスの花を咲かせると、レタスがキクの仲間なんだということが実感できます)。

5〜6月ごろになるとタネの入ったサヤがまるまると太ってきます。お天気のよい日に株ごと刈り取って、教室にぶら下げておき、乾いたらタネを採り、茶筒のようなものに入れて涼しいところに保管しておきます。

採ったタネを播くと‥‥‥

さて、2学期になったら、そのタネを学校園に播く。

「このタネは去年の○年生が育てたダイコンから採ったものです。今年はこのタネを播いてみます」

「ちゃんと芽が出るかな?」「ちゃんとダイコンになるのかな」‥‥‥と不安と期待の入り交じった、ちょっとスリリングなタネ播きになるかもしれません。

品種には固定種と交配種があり、タネの袋にその旨書いてあります。前の年に播いたタネが固定種なら、今度も同じ形のダイコンが収穫できるでしょう。しかし交配種から採ったタネならどうなるでしょうか?細長いもの、カブのような形をしたもの、色のついたもの、きっとさまざまな種類のダイコンが育つはずです。

世界に1つだけの自分だけの品種もつくれる

昔の農家は自家ダネといって自分の好み、その土地にあった品種を自分で選びながら育ててきました。いまはその役割を種苗メーカーが担っていますが、いまでも「自分だけの品種」に夢とロマンを求めている多くの農家がいます。2月号に登場している長崎県の野菜農家・岩崎政利さんは、何と50種類もの野菜のタネを自分で採種しています。やり方は先の方法と基本的には同じです。

採種―選抜をくり返すことで、生徒といっしょに世界に1つだけの「私の品種」「ぼくらのクラスの品種」「わが校だけの品種」といったオリジナル品種をつくってみることもできるのです。

野菜を収穫するだけでなく、その野菜のタネ採りに挑戦するのもいろいろな発見があっておもしろいと思いますが、いかがでしょうか。

※『現代農業』2001年2月号は1冊丸ごと品種の特集号です。タネ採りの方法やオリジナル品種の作り方のほか、緑色のダイコンやリンゴの香りのするキク、チョコレートのにおいのするコスモス、1株にたくさんの実をつけるミニカボチャやミニスイカなど学校園向き、授業向きの面白品種が掲載されています。この2月号を読者の方5名にプレゼントいたします。編集部までハガキで応募してください。その際、学校名、アドレスもお忘れなく。

もどる