いのちつぐ「みとりびと」第2集

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2万もの人がいのちを失った東日本大震災、その地には、悲しみを刻みながら今を生き、いのちをつなぐ人たちがいる。被災地に生きる人々の暮らしに目を向け、その「いのちのバトンリレー」や看取りをつぶさに描く。
著者 國森康弘 写真・文 ISBN 9784540121647 発行日 2014年1月 判型/頁数 AB/各32ページ -
仮設に暮らす老夫婦の楽しみは、孫の歩未ちゃん。がんだったじいやんは旅立つとき、心を込めた「いのちのバトン」を手渡しました。歩未ちゃんとばあやんは、そのお返しに、大切に吹いたしゃぼん玉を空へ贈りました。
著者 國森康弘 写真・文 ISBN 9784540122514 発行日 2014年1月 判型/頁数 AB/32ページ -
「今の医療では手の施しようがない」といわれた小4の華蓮ちゃん。最後にひとつ大きな目標を立てました。毎年一番の楽しみだったディズニーランドへの家族旅行――。彼女は今も家族や友だちの胸の中で生きています。
著者 國森康弘 写真・文 ISBN 9784540122521 発行日 2014年3月 判型/頁数 AB/32ページ -
がんの闘病中に被災、仮設で暮らす勝彦さん。最強の生物「クマムシ」になりたいと思ったことも…。ありきたりだけど大切な夢もありましたが…、彼が最後に望んだのは、おかあさんとの笑顔の写真を残すことでした。
著者 國森康弘 写真・文 ISBN 9784540122538 発行日 2014年1月 判型/頁数 AB/32ページ -
大震災のあと、病院の医師たちは在宅診療部を立ち上げ、町に飛び出しました。地域全体を病院に見立て、いろんなアイデアを持ちより、地域の人を巻きこみ、「いのちのバトン」をつなぐ「まちづくり」を始めています。
著者 國森康弘 写真・文 ISBN 9784540122545 発行日 2014年2月 判型/頁数 AB/32ページ
いのちつぐ「みとりびと」第2集
歩未 とばあやんのシャボン玉
華蓮 ちゃんさいごの家族旅行
ぼくはクマムシになりたかった
まちに飛び出したドクターたち
このシリーズの特徴
看取りの意味や在り方(この本のテーマ)について。高齢化の進行(日本の高齢化率は全国平均23%)とともに国民的な関心事となり、「看取りの文化」を取り戻す実践も広がっている。「いのち」「絆」について大震災を機に改めて深く問い直されている。
この絵本の舞台である滋賀県の農村地域は高齢化率が40〜50%に迫ってきており、数十年後の日本の姿とも言える。そこには自宅で最期を迎えて、笑顔で旅立ち、あふれんばかりの生命力と愛情(いのちのバトン)を受けつぎ手渡す死がある。
看取りや死を冷たい終末としてではなく、あたたかで次代に「いのちつぐ」ものとしてとらえ臨場感豊かに描く、この写真絵本を子どもらと一緒にお読み下さい。
第2集「あとがき」より
琵琶湖の東に広がる永源寺地域を舞台にした写真絵本『いのちつぐ「みとりびと」』第1集で見たように、世界中の人が自分のいのちをまっとうし、あたたかい看取りができたらと、心から願っています。
でも東日本大震災では、2万もの人がいのちを失います。……そこには、家族が寄り添えなかった突然の別れが数多くありました。同時に……、いのちをつないでいこうとする人たちが生きています。
そのすがたに接したとき、私は、そこに生きる人々の「バトンリレー」を見つめなければ、と強く思いました。そして、南相馬市や宮城県沿岸部で取材・撮影を重ねました。ひじょうにきびしい環境のなかでも、いのちのバトンをしっかりとつないでいく家族や、それを支える多くの方々に出会うことができました。いのちの有限性と継承性—。この作品でも写しこめていればと、祈ります。
著者紹介
写真・文●國森康弘(くにもり・やすひろ)
写真家、ジャーナリスト。1974年生まれ。神戸新聞記者を経て、イラク戦争を機に独立、イラク、ソマリア、スーダン、ウガンダ、ブルキナファソ、ケニア、カンボジアなどの紛争地や経済貧困地域を回って撮影・取材。国内では、戦争体験者や野宿労働者のほか、近年では看取り・在宅医療・地域包括ケアの撮影・取材に力を入れる。 2011年度上野彦馬賞、コニカミノルタ・フォトプレミオ2010、ナショナルジオグラフィック国際写真コンテスト2009日本版優秀賞など受賞。著書に『家族を看取る』(平凡社)、『証言沖縄戦の日本兵』(岩波書店)、『子ども・平和・未来 21世紀の紛争』(岩崎書店、共著全5巻)、『3・11メルトダウン』(凱風社、共著)、『TSUNAMI3・11: 東日本大震災記録写真集』(第三書館、共著)などがある。