現代農業 特別号
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編集後記


▼「あっちの話」には、スズメを寄せつけないいろんな工夫とともに、庭木に毛虫が大発生した時、コメをまいてスズメを呼び寄せ退治してもらうという工夫もでてくる。そんな話を奈良県の試験場の研究者にしたら、ナシ園の害虫防除にスズメを活かす方法はないかと研究テーマに考えていたところで、研究者にとっても農家の工夫には得がたいヒントが隠されていると、大いに盛り上がった。青ガエルを一反の畑に20匹放してアブラムシを防ぐという工夫にも、鳥やカエルを害虫予防に活かすことはこれからの課題かもしれないと、この特別 号を大変心待ちにしてくれた。

 「あっちの話」を集めて1冊にし、農家に届けたい。きっとおもしろい本になるはずだ。そんな気持ちで編集にとりかかったが、編集を終えた今、大変な本が出来上がった、という思いをいよいよ強くしている。暮らしの中から生まれた農家の工夫。平均的な科学的な技術とはちがって、個人的な「生の情報」であることが親しみとともに読むものに豊かな着想、刺激を与えてくれる。スズメが「害鳥」にもなれば「益鳥」にもなったりするように、身近にあるものを活かす工夫だから、自分の条件にひきつけて自分なりの工夫を生むヒントになる。そんな工夫が一冊に集まることで、それぞれの工夫の個性がより浮き彫りになってもいる。どんなにお金をかけて「調査」してもできないであろう、農家の知恵集が出来上がった。農文協の普及職員をあたたかく迎えてくれ、とっておきの工夫をお聞かせいただいた農家の皆さんのおかげである。昨年発行の「農業の技術 自給の知恵」とあわせて、ご活用いただければと思う。

◎なお、本書の農家の工夫についてのご質問にはお答えかねますので、ご遠慮いただければ幸いです。

(豊島 至)


▼読み込んでいった記事は1000本以上――。疲れそうな作業のはずが、「なるほど」「へー」と、とっても楽しい編集作業となりました。こんな時代でもアイデアがあれば元気になれる! そんな気になってきます。この楽しさってなんだろう?と考えると、やはり自然を相手とする農業の魅力にたどりつくのではないでしょうか。そんな情報をまとめることができたのも、農家のみなさまと農文協の普及職員の人間的なかかわりがあったからこそと、感じています。その会話の光景を思い浮かべながらの、編集作業でした。

(赤石晋一郎・編集スタッフ)


▼医食同源という言葉があるように、食生活に気をつかわなければと思いつつも、おろそかになりがちな毎日。編集作業をしながら、母親が作ってくれたかき餅、漬物、風邪をひいたときに食べたキンカンの味などを思い出していました。台所に久しぶりに立ってみようという気にも…。幸い今シーズンは風邪をひかずにすんでいますので、「健康を守る、つくる」コーナーの工夫にはまだお世話にはなっていませんが、油断は禁物。

(星川清房・編集スタッフ)

 


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