現代農業 特別号
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2005年12月別冊 購入する
自然力を生かす農家の技術早わかり事典

「用語に対する解説がわかりやすいので、今まで『現代農業』を読んでいて漠然とはわかっているつもりだったものが理解できるようになった」・・・そんな感想が多く寄せられた雑誌「現代農業」の今年の2月号(700号)付録特集の「用語集」。とくに、親父から田んぼをまかされたり、定年帰農で野菜や花の栽培を始めたり、身近な資源を生かして減農薬・有機農業をめざす人々に好評だったようです。
「より充実させて1冊に」、そんな要望も多く、そこで
(1)基礎的な用語を増やし、売り方に関する用語も新しく加える
(2)図・表を大幅にふやし、実践への手引きとして充実させる
(3)豊富なカラー写真をいれて、生育と作業の実際がよくわかるようにする
の3つを重点においてリニューアルし、「別冊現代農業」として発行することにしました。
新設した「番外編 売リ方の用語」では、直売所/ラベル/ネーミング/米産直/学校給食/道の駅/オーナー制/観光農園/農家レストラン/有機認証/特別栽培農産物をピックアップ。「有機農産物で使える肥料、土壌改良剤、農薬」の一覧表も掲載しました。
『現代農業』がより楽しく読める、農家の事例記事をより実践的に読める・・・あたなにとっての『現代農業』の魅力が倍増する手引き、ガイドとしてご活用ください

はじめに目次編集後記

別冊2005年12月号

自然力を生かす 農家の技術 早わかり事典

「用語集を見て“これはありがたい”と思いました。というのも、まわりの先輩農家の方と話をするとき、知らない単語をいちいち尋ねていると、肝心の話が前に進まず、かといって、意味を聞かないと、話の中味が分からなくなり、地団駄を踏むことがよくあったからです」「言葉を調べるというより、順番に読む中で自分の知識が増えていくような気がしています」…そんな感想が多く寄せられた『現代農業』2005年2月号の700号記念企画「『現代農業』用語集」。とくに、親父から田んぼをまかされたり、定年帰農で野菜や花の栽培を始めたり、身近な資源を生かして減農薬や有機農業をめざす人々に大変好評だった。「より充実させて一冊に」、そんな要望も多く、そこで、基礎的な用語や売り方の用語を追加し、図・表とともにカラー写真を豊富に入れ、各用語の解説も吟味して、この「事典」が誕生した。

言葉の意味を理解し、みんなで共有することで、農家の工夫は一層豊かに展開する。自分の身体や家族や田畑の条件にあわせた、「自然力を生かす」個性的な技術が次々に生まれ、「農家の技術」を引き継ぐ元気な担い手が増えていく、そのための手引きとして本書を役だてていただければと思う。

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「田舎の本屋さん」のおすすめ本

 自然力を生かす 農家の技術早わかり事典

定年帰農で野菜や花の栽培を始めたり、親父から田んぼをまかされたり、身近な資源を生かして減農薬や有機農業をめざす人々に大好評の事典。基本の用語から、稲作、野菜・花、果樹、畜産、土と肥料、防除、資材・機械、そして売リ方まで、農家の知恵が凝縮した250語を豊富なカラー写真を入れながらをわかりやすく解説。作物を育てる楽しさを楽しさを感じ、農業の魅力を満喫できる、実践的農業入門ガイド。オールカラー保存版。 [本を詳しく見る]

田舎の本屋さん 

目次

カラー口絵

基本の用語

小力技術14 土ごと発酵15 土着菌・土着微生物16 海のミネラル17 米ぬか防除18 酢防除19 自然農薬19 土着天敵20 ただの虫21 景観作物21 自家採種22 

稲作の用語

【栽培体系】

への字稲作24 不耕起・半不耕起25 疎植27 直播栽培28 茎肥29 穂肥29 実肥31 深水栽培31 溝切り32 米ぬか除草32 トロトロ層33 イトミミズ34 紙マルチ・布マルチ35 冬期湛水36 秋起こし36 「白い根」稲作37 晩植え38 レンゲ38 菜の花39 有機元肥一発40 合鴨水稲同時作41 香りの畦みち42 

【育苗】

種もみ処理43 比重選(塩水選)43 温湯処理(温湯浸法)43 平置き出芽44 プール育苗45 薄播き46 ポット育苗(成苗ポット苗)47 乳苗48 

【生育・障害】

幼穂形成期49 出穂49 葉齢49 冷害50 高温障害51 乳白米(白未熟粒)51 斑点米52 ジャンボタニシ52 食味53 

野菜・花の用語

うね立てっぱなし栽培(連続うね利用栽培)54 鎮圧55 不耕起・半不耕起・部分耕56 溝底播種56 直挿し57 土中緑化58 接ぎ木59 浅植え・深植え60 若苗・老化苗61 しおれ活着62 根洗い62 摘芯(ピンチ)63 栄養生長と生殖生長63 成り疲れ64 寒じめ64 露点温度65 マルチムギ66 るんるんベンチ67 養液土耕・点滴かん水68 

【かこみ記事】うね(畝・畦)の起源69 

果樹の用語

樹形70 せん定70 夏季せん定71 切り上げ・切り下げせん定72 貯蔵養分72 隔年結果74 徒長枝74 摘心栽培(ナシ)75 新短梢栽培(ブドウ)76 大草流(モモ)77 八名流(モモ)78 夏肥(カンキツ)79 秋元肥(落葉果樹)79 草生栽培80 ナギナタガヤ81 わい化栽培82 新梢83 植物ホルモン85 花芽の形成86 頂部優勢86 花振い87 

畜産の用語

放牧(酪農)88 放牧養豚89 むらごと放牧(里地里山放牧)90 敷地放牧91 二本立て給与91 サンドイッチ交配92 自然卵養鶏92 畜産の土着菌利用93 飼料イネ93 つぼ療法94 下痢止め94 バイオガス95 

土と肥料の用語

【土つくり・施肥改善】

表面・表層施用96 有機物マルチ97 堆肥マルチ97 土中ボカシ(土中堆肥)98 土中マルチ99 根まわり堆肥99 ボカシ肥100 化学肥料ボカシ101 完熟堆肥101 中熟堆肥(未熟堆肥)102 戻し堆肥103 石灰追肥103 苦土の積極施肥104 流し込み施肥105 糖度計診断105 

【自給肥料・自給資材】

米ぬか107 フスマ108 くず大豆108 おから109 茶かす・茶がら109 魚肥料110 生ごみ110 もみがら111 落ち葉112 竹肥料(竹繊維)113 緑肥114 雑草緑肥114 天恵緑汁115 鶏糞116 豚糞116 牛糞117 家畜尿118 下肥(人糞尿)118 草木灰119 木炭・竹炭119 もみがらくん炭120 木酢液・竹酢液121 魚腸木酢121 もみ酢122 柿酢123 

【化学肥料・ミネラル資材】

LP肥料124 過リン酸石灰(過石)124 硫マグ・水マグ125 消石灰(水酸化カルシウム)125 カキ殻125 貝化石126 カニ殻126 ゼオライト126 黒砂糖127 自然塩127 にがり128 海水128 海洋深層水128 海藻129 硫酸鉄(硫酸第一鉄)129

【基礎用語】

C/N比(炭素率)130 pH130 EC(電気伝導度)131 塩基置換容量(CEC)131 塩基飽和度132 塩基バランス133 腐植134 団粒134 酸化・還元135 塩類集積137 濃度障害137 ガス障害138 硝酸138 カリ139 リン酸139 ケイ酸140 石灰(カルシウム)141 苦土(マグネシウム)141 微量要素(微量元素)141 ミネラル142 キレート・錯体143 アミノ酸144 有機酸144 根酸145 酵素146 根圏微生物146 葉面微生物146 菌根菌・VA菌根菌147 好気性菌・嫌気性菌148 酵母菌148 乳酸菌149 酢酸菌150 こうじ菌150 放線菌151 納豆菌152 光合成細菌152 発酵153 腐敗153 ミミズ153 自活性センチュウ154 

防除の用語

太陽熱処理(太陽熱消毒)155 土壌還元消毒156 混植・混作・間作157 コンパニオンプランツ(共栄作物・植物)159 ネギ・ニラ混植159 バンカープランツ160 おとり作物160 センチュウ対抗植物161 アレロパシー162 輪作163 フェロモントラップ・フェロモン剤163 虫見板164 リサージェンス164 防虫ネット165 黄色蛍光灯165 キチン・キトサン166 ストチュウ166 高温処理(ヒートショック)167 活性酸素167 光触媒168 静電防除169 猿落君169

資材・機械の用語

べたがけ資材170 循環扇171 サブソイラ171 フレールモア(ハンマーナイフモア)172 ドライブハロー172 ライムソワー173 植繊機173 高所作業車174 水田用除草機174 カルチ175 

番外編 売り方の用語 

直売所176 ラベル178 ネーミング179 米産直179 道の駅180 学校給食180 オーナー制182 観光農園183 貸し農園183 農家レストラン185 インターネット産直185 有機認証・有機農産物186 特別栽培農産物186 (表)有機農産物で使用が可能な肥料、土壌改良資材、農薬187 

索引188 

●各用語の解説文中の太字は、この「事典」で取り上げた用語です。関連する用語としてご参照ください。

●各用語の解説の末尾に、関連する『現代農業』の記事(記事名・執筆者・年月号)、および農文協の単行本(書名と著者)を案内しました。単行本については巻末の「本事典で紹介した農文協の関連書籍一覧」をあわせてご覧ください。

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編集後記

▼以前アメリカの農場を訪れたとき、アメリカの農家が、私が使っていた手づくりの農業用語英和辞書を見て、「日本人とドイツ人は物をつくるのがうまい」と言っていた。(私が会った)アメリカの農家は炭を自分で焼いたりしないし、木酢も天恵緑汁も知らない。糖度計の使い方ももちろん知らない。土壌診断や生育診断をやるのは専門の業者(かなり高額)だし、天敵はすべて購入する。使う肥料は窒素肥料だけ(プレーリーはそれぐらい土が肥えている)で、農業の大学を出たという農家でさえ、その成分を知らない(その代わり輪作体系には忠実)。

 明治期にアジアでは日本だけが工業化に成功した理由として、江戸時代の寺子屋制など高い教育水準が挙げられる。また、日本人は真似が上手で、しかもちょっと改良を加えて商品化するといわれる。私はこうした日本の工業化の成功の背景に、日本の農業の栽培環境の多様さと、農家の工夫好きがあるのではないかと思っている。大陸から伝来した新しい植物を当時の農家たちは、地域の風土や自分の田畑にあわせて、様々な工夫と改良を加えて育ててきた。このような個性的な栽培法の文化こそが、今日の工業社会を支えている。(本田進一郎)

▼『現代農業』から出た言葉の多さに驚きました。「への字稲作」「土ごと発酵」「トロトロ層」など、言葉を聞けば、何となくどんな農業なのかわかる、すごいコピーライターだと思います。それだけ多くの農業技術を『現代農業』は発掘されてきたんだと感心しました…この本にもとになった05年2月号の「用語集」への岐阜県・森本守さんからの感想である。「への字稲作」は兵庫県の故・井原豊さんの発案、「トロトロ層」は自然農法で使われていた言葉、「土ごと発酵」は編集部が考え出したものと「用語」が生まれる経緯はいろいろだが、そこには、農家の技術の背景にある土や作物の見方、それがもたらす現象を他の農家に伝え共有したいという思いがあった。科学の成果も生かしながら言葉を共有することで、「自然力を生かす」農家の工夫が一層豊かに、個性的に展開する。自分の身体や家族や田畑の条件にあわせた多様な「への字稲作」や「土ごと発酵」が生まれている。(豊島至)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

 自然力を生かす 農家の技術早わかり事典

定年帰農で野菜や花の栽培を始めたり、親父から田んぼをまかされたり、身近な資源を生かして減農薬や有機農業をめざす人々に大好評の事典。基本の用語から、稲作、野菜・花、果樹、畜産、土と肥料、防除、資材・機械、そして売リ方まで、農家の知恵が凝縮した250語を豊富なカラー写真を入れながらをわかりやすく解説。作物を育てる楽しさを楽しさを感じ、農業の魅力を満喫できる、実践的農業入門ガイド。オールカラー保存版。 [本を詳しく見る]

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