現代農業 特別号
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2006年6月別冊 購入する
農家が教える 家庭菜園 春夏編

「現代農業」に登場した菜園名人の工夫と知恵と、作物を知りつくした農家の着眼点、 ビックリ栽培法、さらに農業百科事典「農業技術大系」の情報も加えて1冊に集大成!

 自家用に、直売・産直用に必ず役立つ必携本。

はじめに目次編集後記

別冊2006年6月号

農家が教える 家庭菜園 春夏編

 新聞やテレビでは、米も牛乳も生産過剰と伝えられている。日本の人口も、2005年をピークに減少に転じ、食糧危機などまったくの昔話のように感じられる。しかし本当は、世界はゆっくりではあるが、確実にそれに向かっている。世界の人口は急増をつづけており、今世紀中に89億人に達すると予想されている(現在は65億人)。逆に、石油などの資源は、枯渇が近づいている。

 2007年に、団塊世代が定年を迎え、その多くは土に親しむような暮らしを望んでいるという。「趣味の家庭菜園」を楽しむだけでなく、自分の食べものは少しでも自分でつくるという、「自給のための菜園」時代が再び到来するかもしれない。

 *本書は月刊『現代農業』に登場した農家の皆さんの菜園づくりのアイデアと、「農業技術大系」などに収録された研究者のみなさんの知見をもとに再編集したものである。

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「田舎の本屋さん」のおすすめ本

 農家が教える 家庭菜園 春夏編

「現代農業」に登場した菜園名人の工夫と知恵と、作物を知りつくした農家の着眼点、ビックリ栽培法、さらに農業百科事典「農業技術大系」の情報も加えて作物の原産地別に整理し、その特徴を栽培に生かす知恵と技を1冊に集大成! 自家用に、直売・産直用に必ず役立つ必携本。 [本を詳しく見る]

田舎の本屋さん 

目次

カラーページ

トルクメニスタンのメロンをつくる …… 小川光さん(福島県)

家庭菜園のアイデア 夏野菜の地床育苗 …… 井原英子さん(兵庫県)

ぎょうじゃにんにく栽培 …… 小島等さん(北海道)

雑穀 粟・稗・黍・蜀黍・鳩麦・四国稗・蕎麦

作物の原産地と風土 …… 写真・文 池部誠

不耕起栽培のトマト …… 養田昇さん(埼玉県)

1株から300個のなす …… 飯田宏さん(神奈川県)

きゅうり …… 松本勝一さん(群馬県)

Part 1

農家の菜園 春夏編

畑は小さくてもアイデアいっぱい …… 大坪夕希栄

菜園づくりのびっくりアイデア …… 井原英子

こだわりを産直 おいしい野菜を届けたい …… 佐久間いつ子

Part 2

東アジア起源の作物

マメ科 大豆(枝豆)
 名人の技 おばけ枝豆づくり 新潟県荒川町 遠山恵美子さん …… 文・編集部

マメ科 小豆(あずき)
 名人の技 小豆の摘心栽培 …… 京都府綾部市 塩見三男

マメ科 なんてんはぎ(あずきな)

タデ科 そば(蕎麦)
 名人の技 そば栽培のポイント …… 長友大

キク科 ごぼう(牛蒡)
 名人の技 ごぼうの「底なし肥料袋栽培」 …… 宮澤美佐子(JAながの)

キク科 山ごぼう

キク科 ふき(蕗)

キク科 もみじがさ(しどけ)

キク科 食用菊

セリ科 みつば(三つ葉)

セリ科 せり(芹)

セリ科 あしたば(明日葉)

シソ科 しそ(紫蘇)

シソ科 えごま(荏胡麻)
 名人の技 えごまが超人気
  広島県福富町 福富物産しゃくなげ館他 …… 文・編集部

ウコギ科 うど(独活)
 名人の技 山うどの種子栽培法 …… 鳥取県三朝町 武部熏司

ウコギ科 たらの芽
 名人の技 ポット育苗で充実のたらの芽づくり
  山形県 柿崎富榮さん・ヤス子さん …… 文・西村良平

シダ類 ぜんまい(薇)
 名人の技 年々よくなるぜんまい栽培のこつ …… 秋田県阿仁町 佐藤千代美

シダ類 草そてつ(こごみ)
 名人の技 こごみの増殖と栽培法 …… 山梨県甲府市 藤嶋勇

ショウガ科 みょうが(茗荷)
 名人の技 紅色のみょうが15年連作
  長崎県 川口政幸さん …… 文・写真 赤松富仁

アブラナ科 わさび(山葵)
 名人の技 畑わさびの林間栽培 長野県小川村 宮下裕文さん

アカザ科 おかひじき

アオイ科 おかのり(冬葵)

ユリ科 ぎょうじゃにんにく(行者葫)
 名人の技 人気のぎょうじゃにんにく栽培法 …… 山梨県甲府市 藤嶋勇

ユリ科 ゆり根  
 名人の技 ゆり根の栽培法 …… 川崎重治

ユリ科 大葉ぎぼうし(うるい)
 名人の技 庭の下草として親しみのある多年草 …… 山梨県甲府市 藤嶋勇

ヤマノイモ科 自然薯(やまのいも)

サトイモ科 こんにゃく(蒟蒻)

ザクロソウ(ツルナ)科 つるな(蔓菜)

オモダカ科 くわい(慈姑)
 名人の技 正月料理に欠かせぬくわい …… 栗島光夫

Part 3

インド-東南アジア起源の作物

イネ科 きび(黍)

イネ科 あわ(粟)

イネ科 はとむぎ(鳩麦)
 名人の技 国産の出番到来 はとむぎ …… 小林甲喜

ウリ科 きゅうり(胡瓜・黄瓜)
 名人の技 野菜のびっくり教室 きゅうり …… 兵庫県太子町 井原豊

ウリ科 にがうり(苦瓜)

ウリ科 へちま(糸瓜)

ナス科 なす(茄)
 名人の技 1株から300個のなす
  神奈川県横浜市 飯田宏さん …… 文・撮影 赤松富仁

ショウガ科 しょうが(生姜)

サトイモ科 さといも(里芋)
 名人の技 さといもは芽出しまでが勝負
  千葉県八街町 桑田清さん …… 文・鈴木健司

ツルムラサキ科 つるむらさき(蔓紫)

ヒルガオ科 えんさい

シソ科 バジル

健康食 雑穀

 ・ヒエ ・アワ ・キビ ・タカキビ ・ハトムギ

 ・シコクビエ ・ゴマ ・脱ぷと精白 ・アマランサス

 ・ソバ

Part 4

アフリカ起源の作物

ウリ科メロン
 名人の技 中央アジアのメロンをつくる
  福島県山都町 小川光さん …… 文・写真 赤松富仁

 名人の技 病害虫に強いメロンの品種 …… 小川光/水口文夫

ウリ科 白うり

ウリ科 ゆうがお(夕顔・かんぴょう)

ウリ科 すいか(西瓜)
 名人の技 すいかのうま根は苗からつくる …… 水口文夫

ゴマ科 ごま(胡麻)

アオイ科 オクラ

シナノキ科 モロヘイヤ

マメ科 ささげ

Part 5

アメリカ大陸起源の作物

イネ科 とうもろこし(玉蜀黍、唐黍)
 名人の技 超小力スイートコーンのつくり方 …… 水口文夫

ヒユ科 アマランサス

マメ科 いんげん(隠元豆)
 名人の技 さやいんげんのネット栽培 …… 佐藤睦人

マメ科 落花生

ナス科 トマト
 名人の技 雨不足でも不耕起トマトは大玉
  埼玉県熊谷市 養田昇さん …… 文・編集部 写真・赤松富仁

 名人の技 花房直下の側枝をすべて伸ばす …… 福島県山都町 小川光

 名人の技 病気に強いトマトの品種 …… 小川光/水口文夫/若梅健司

ナス科 ピーマン・とうがらし・ししとう
 名人の技 ししとう一本整枝 …… 宮澤寛和

ナス科 じゃがいも
 名人の技 じゃがいもの品種 …… 梅村芳樹

 名人の技 じゃがいも美味多収法への道 …… 吉田稔

ウリ科 かぼちゃ(南京瓜)
 名人の技 マルチムギを利用した栽培法 …… 水口文夫

ウリ科 はやとうり(隼人瓜)

ヒルガオ科 さつまいも
 名人の技 多収さつまいもの植え付け法 …… 菅野元一

キク科 ヤーコン
 名人の技 ヤーコン新品種「サラダオトメ」を多収する …… 中西建夫

キク科 きくいも(菊芋)

付録1 家庭菜園で役立つ便利なアイデア
ポット育苗のやり方/留守にするときの水やり/夏の暑さ対策

付録2 家庭菜園での施肥量の決め方
作物のタイプと養分吸収のパターン/土壌別の施肥倍率/有機質肥料

および堆肥の成分例/作物別 施肥量の例

*本別冊は月刊『現代農業』を基本にしながら、左記の本を参考にして編集しました。

農業技術大系 野菜編

農業技術大系 作物編

農業技術大系 土壌施肥編

食品加工総覧

家庭菜園コツのコツ 水口文夫著

家庭菜園ビックリ教室 井原豊著

プランターの野菜つくり 山田貴義著

農学基礎セミナー 新版 野菜栽培の基礎 池田英男 川城英夫 著

家庭菜園レベルアップ教室 果菜 1 トマト・ナス・ピーマン・シシトウ・トウガラシ 森俊人著 山田貴義著

家庭菜園レベルアップ教室 根菜2 吉田稔 大場貞信 中谷誠 鈴木健司 著

(以上農文協)

野菜探検隊世界を歩く 池部誠著 文藝春秋

あっちの話 こっちの話

カマキリの卵をじょうずに使って害虫退治

みかんの皮で菜園のアブラムシを撃退

アブラムシ、アオムシに効果、超即席の唐辛子液

にんにくパワーでアブラムシ撃退

はやとうりの葉でヨトウムシが防げる

通路に水を張ってアブラムシ撃退

焼酎でうどんこ病が消える、体力もアップ

はがきの壁でヨトウムシから苗をガード

家庭菜園の知恵袋

お茶の作り方(大坪夕希栄さん)

唐辛子の味噌漬け(大坪夕希栄さん)

かぼちゃのつるのガーリックいため(佐久間いつ子)

ズッキーニの雄花のチーズ揚げ(佐久間いつ子)

そばもやし(奥薗壽子さん)

簡単な青じその保存法(鹿股英生さん)

ぜんまいの乾燥・貯蔵法(農業技術大系野菜編)

水におぼれる?ヨトウムシ

しょうがづくりには笹の葉(松本孝一さん)

さといも貯蔵のこつ

電気カーペットですいかのラクラク促成育苗

花オクラ(西村文子さん)

モロヘイヤのおひたし(西村文子さん)

根洗い

ヤーコンのフライのつくり方

本書で取り上げた作物・野菜一覧(五十音順)

【あ行】

あしたば(明日葉)/小豆/アマランサス /あわ(粟) /いんげん(隠元豆) /うど(独活)/うるい /えごま(荏胡麻)/枝豆/えんさい/大葉ぎぼうし(うるい) /おかのり(冬葵) /おかひじき/オクラ

【か行】

かぼちゃ(南京瓜) /きくいも(菊芋) /きび(黍)/きゅうり (胡瓜・黄瓜)/ぎょうじゃにんにく(行者葫) /草そてつ(こごみ) /くわい(慈姑) /こごみ /ごぼう /ごま(胡麻)/こんにゃく(蒟蒻)

【さ行】

ささげ/さつまいも /さといも(里芋)/ししとう /しそ(紫蘇)/自然薯(やまのいも)/じゃがいも/しょうが(生姜)/食用菊/白うり/すいか(西瓜)/せり(芹)/ぜんまい(薇)/そば

【た行】

大豆(枝豆)/たらの芽 /つるな(蔓菜)/つるむらさき(蔓紫)/とうがらし/とうもろこし(玉蜀黍、唐黍)/トマト

【な〜は行】

なす/なんてんはぎ /にがうり(苦瓜) /バジル /はとむぎ(鳩麦) /はやとうり(隼人瓜) /ピーマン /ふき(蕗) /へちま(糸瓜)

【ま行】

みつば(三つ葉)/みょうが(茗荷)/メロン/もみじがさ(しどけ)/モロヘイヤ

【や〜わ行】

ヤーコン/山ごぼう/やまのいも/ゆうがお(夕顔・かんぴょう)/ゆり根/落花生/わさび

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編集後記

◆人類の祖先がアフリカを出奔したのは、8万年ほど前で、その数は数百人程度だったといわれている。まず、アジアの暖かい地方に向かい、7〜6万年前にインド、オーストラリアに到達した。4万年前には、アジアから分かれたグループが、ヨーロッパにたどりついたという。

 日本列島で、縄文時代からに利用されていたと思われる作物には、稲、大豆、えごま、しそ、ひえ、長いも、ごぼう、ごま、メロンの仲間、あわ、さといも、長いも、かぶ、などがある。ごま、メロンはアフリカ、ごぼうはシベリアが起源といわれている。

 アフリカを出発した人類は、ごまとメロンの種を携えていたのだろうか。また、マンモスを追ってシベリアを東に進んだ狩猟民たちは、ごぼうを食べていたのだろうか。作物の起源を調べていると、人類史そのものを見ているようで興味がつきない。

 また、じゃがいもやメロンの原産地には何百もの品種があるそうで、数千年の栽培によって、多くの品種がつくられたことがうかがえる。現在、農家は種を買うのがふつうで、さらに品種や作物を「所有」できるかのような論調さえある。種を伝えた古代の人々が、このような状況を見たら、どのように感じるであろうか。 (本田進一郎)

◆プランターに植えたわが家のイチゴの調子が悪い。新しいイチゴ品種の苗を買ってきて植えた女房は、肥料が多かったのかなあ、今年は春が寒かったから厳しかったのかあ…などと心配している。もう3年ばかり育てている別の品種のイチゴは今年の寒さにじっと動かずにいたが、遅れ気味の春の訪れを待っていたかのように、このところ葉を大きく伸ばしてピンクの可愛らしい花を咲かせ始めた。

 今回の別冊『家庭菜園 春夏編』は、作物や野菜の原産地とその自然条件にこだわりました。多くの本にいろんな栽培法が書かれていても、つまるところはその作物がもともと生まれた地帯の条件に学ぶのが一番との想いがあったからです。はるか遠くの原産地から日本に渡って日本に定着した作物や野菜たちが、品種改良によって一見すると原産地とは違った姿を見せていても、その奥にはもともとのDNAが宿っています。本書に登場した野菜つくりの名人たちは、その性質を巧みに生かして、アッと驚く栽培法や、な〜るほどと納得させる技や知恵を披露してくれていて、読んでおもしろいのはもちろん、その技を盗み取る奥深さを秘めています。

 9月には『家庭菜園 秋冬編』も発行予定です。どうぞお楽しみに。(西森信博)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

 農家が教える 家庭菜園 春夏編

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