「踏んで鍛えてガッチリ苗」コーナーより
特別編 写真で見る 多収イネの姿
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出てきたばかりの芽をコンパネの上から思いっきり踏みつぶす
揃いよく極太茎へスタートさせる
芽つぶし福島県須賀川市・薄井勝利さん
圧倒的な根張りと分けつ力の「強健苗」を育てる薄井勝利さんも、苗踏みの実践者(2018年4月号などを参照)。しかもその1回目は出芽直後という超スパルタだ。出てきたばかりの芽を思いっきり踏みつぶす「芽つぶし」である。
1株2〜3粒の薄播きで5.5葉のポット成苗を育てる薄井さんは、発芽力の強い大粒の種モミを使い、播きムラがないようとても気をつけている。とはいえ、出芽にはどうしても多少のムラがあるもの。その対策が、芽つぶしだ。
「芽を踏むと、一晩で苗が揃っちゃう」と薄井さん。出芽直後に踏みつぶしてやれば、早く出た芽の生育が抑えられて、遅れて出てくる芽と揃ってくる。しかも、早々からのエチレン効果で、太茎に育っていくというわけだ。
(写真・取材 依田賢吾)
タネ播き
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播種前、土を入れずに種モミだけ播いて量を確認。1穴2〜3粒(1箱30〜40g)になるよう、播種量ダイヤルを調整してから作業開始
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播種作業時には、ポット電動播種機(LSPE-1)の播種部のすぐ後ろに座り、実際に落ちる種モミの量をチェックし続ける
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3粒より多く落ちていたら取り除き、欠穴には足し、播きムラがないよう徹底する
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種モミは芽と根が同時に膨らみ始めた状態で播く。自家採種圃で鍛え直して選抜した種モミは、千モミ重30〜35gの超大粒で発芽力が強い。均一に温度がかかるハトムネ催芽機なら、催芽時間は32℃で15〜17時間でOK
芽つぶし
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孫の勝史くんと芽つぶし。シルバーラブをかけての平置き出芽
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7割くらい芽が見えてきたときが芽つぶし適期。今回は、苗を並べて6日後
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苗箱の大きさに切ったコンパネをのせて……
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ガシガシガシと満遍なく踏みつぶす
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芽は見事にペシャンコ。折れ曲がっているが、「これがいい」と薄井さん
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2葉期。ハウスの端から端まで芝生のように生え揃った
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芽つぶしした苗と、しなかった比較用の苗を並べてみると、芽つぶしした苗のほうが確かに茎が太い傾向にあった
取材時の動画が、ルーラル電子図書館でご覧になれます。「編集部取材ビデオ」から。
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この記事の掲載号『現代農業 2019年4月号』特集:切って食べて 竹やぶを減らす
自作の苗踏みローラー大集合/水を制してタマネギ9tどり/今年は防ぐリンゴ黒星病/北国の竹林整備/イノシシをフェンスで撃退/食い止まりのない牛をつくる/山菜のペットボトル漬け/種苗法 農家の自家増殖「原則禁止」に異議あり! ほか。 [本を詳しく見る]『バケツで実践 超豪快イネつくり 1粒のタネが1万粒に!』薄井勝利 監修 農文協 編 1粒の種モミを、何粒に増やせるか? 生育時期ごとの肥料のやり方、葉っぱの姿でメタボイネと健康イネの診断など、イナ作名人が、小学生にもわかるイネのとらえ方や施肥法を解説する。バケツイネ栽培の決定版。 [本を詳しく見る]