第5回酪農技術交流訪中団

6月9日〜6月13日、第5次酪農交流団が訪中した。団員は酪農家の小沢禎一郎、大野剛、尾形茂、獣医師の越後谷幹雄、岩瀬慎司の各氏。農文協から斉藤理事、葛嵐屏。この時期はコムギの収穫末期であった。二本立て給与の実践の広がりから予測されるモデル農家の粗飼料不足に対し、コムギのアンモニア処理ワラの利用方法を伝える狙いが第一にあった。しかし、この提案は「牛はコムギワラを好まない、過去に試験して失敗した」との理由で現地により強力に拒否された。また、第二には、バンカーサイロの改善や簡易サイロの増設でより大量のサイレージを確保する学習を行う狙いがあった。その意図は了解されたが、バンカーを仕切り、チェーンブロック(電動または手動)でサイレージの取り出しを行い、空いたサイロには新しく素材を詰めてサイロ回転率を高めて量を確保しようという提案であったが、「チェーンブロックがない」という理由でこれも拒否された。粗飼料確保の必要性に関する日本側と中国側の認識の差が根源にある。後述の酪農実用書の発行が待たれるゆえんである。その他に関する学習、視察、巡回指導等は初期の目的を実行できた。

鹿泉の酪農情勢は激変していた。大河鎮に地元資産家をオーナーとする日量100トン処理が可能なミルク工場がほぼ完成していた。銅冶鎮の三鹿乳業も同規模の新ラインを建設中であった。このことで、鹿泉市は一気に乳牛不足に陥り、市長は4万頭増頭計画を打ち上げ、黒竜江省などに買い付けに走っていた。しかし、どこからも売ってもらえない状況である。全国で酪農振興が動き出しているからである。さらに、アルファルファの試作が始まり、春播きのものが旺盛に育っていた。アルファルファのヘイキューブ工場を立ち上げる気運もできかけていた。鹿泉酪農は急変している。

次回は1月に訪中し、総括的な交流を行う予定である。


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