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新刊
 中国文化百華
 第11巻 東アジア四千年の永続農業 上巻-中国・朝鮮・日本」
  第12巻 東アジア四千年の永続農業 下巻-中国・朝鮮・日本」
   F・H・キング 著 杉本俊朗 訳 久馬一剛古沢広祐 解説     
                                           農文協刊 全2冊・各巻税込み定価3200円
上巻  下巻
  
 巧みな循環型集約農業の実態を、農民像とともに活写した名著を復刊 !!!
 アメリカの土壌物理学の父といわれているF.H.キング(1848〜1911)は、今から1世紀前の1909年(明治42年)に日本、中国、朝鮮の農業を視察し、アメリカ人の目で初めて、東アジア農業に光を当てた。
 川と灌漑による水の巧みな利用、下肥、山の草木、クローバ緑肥、河川の底土など地域資源の徹底活用、そして輪作や混植、丁寧な栽培管理など、東アジアの農民が長年かけて築いてきた農法と技術を今に伝え、地域資源を活かした循環型農業の創造に限りない着想とヒントを与える。

 100年前の貴重な写真・248点も収録!

開閉できる柄杓で河泥を船に積み込む 水田の畦の大豆。向こう側には梨畑 上海市の人糞尿を船で耕地に運ぶ
【序文】
 中国、朝鮮および日本の農業上の慣行や慣習に関して、本書で述べられている事柄を考察するに読者諸子を最も便ならしむる上に、一言序文を述べる必要がある。今日西洋諸国民の農業的および他の産業的活動を特色づけ、支配し、決定している大きな要因は、百年以前には彼らにとっても、またそれまでは一切の人々にとってもそうであったが、物理的な不可能事であったことを銘記せねばならぬであろう。
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訳者 
 杉本俊朗(スギモト トシロウ) 
 1913年神戸市生まれ。武蔵高等学校文科乙類卒業(1934.3)、東京帝国大学経済学部経済学科卒業(1937.3)。東洋経済新報記者、財団法人世界経済調査会独逸経済研究部研究員、東京大学経済学部社会科学辞典編集主任、東海大学経文学部教授、横浜国立大学経済学部教授、横浜商科大学教授を歴任。横浜国立大学名誉教授。専門は国際経済学、経済書誌学
【訳者序文 
 本訳書の底本は、Farmers of Forty Centuries or Permanent Agriculture in China, Korea and Japan by F. H. King, D. Sc., Madison, Wis.,Mrs. F. H. King, 1911
 である。右の原著のほかにブルース教授( Prof. J. P. Bruce)の編集せる版本がロンドンのジョナサン・ケイプ書店およびニューヨークのハーコート・ブレイス書店より一九二六年に出版されているが、これは原版を多少省略しており、写真もまた鮮明を欠いている。 著者キングは 本書を執筆した当時(一九一〇年)はウィスコンシン大学農業物理学教授であり、一時、合衆国農務省土壌管理部部長(Chief of Division of Soil Management, U. S. Department of Agriculture)でもあったが、アメリカ農学界の耆き宿しゅくベイリー教授の緒言にある如く、原稿が印刷所に渡されようとしたとき(たぶん一九一一年)急逝した。

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【復刊版へのあとがき】 

 私がキングの本書の存在を知ったのは、ウィットフォーゲル( K. A. Wittfogel)の Wirtschaft und Gesellschaft Chinas, 1931.と羽仁五郎の『史学雑誌』連載論文「東洋に於ける資本主義の形成」(一九三二年)とに引用されていたからである。それは一九三三、四年当時、武蔵高校三年生の頃であった。ドイツ語の国松孝二先生の学年末の試験問題に中国経済史の一齣らしき文章のなかに Produktionsverhaltnisseとか Produktionsweiseなどが出てくるので、当時評判になっていたウィットフォーゲルが出所でしょうと、試験後先生に聞いたらびっくりされていた。平野義太郎訳は一九三三年末に出たので、先生は出題を思いつかれたらしい。もちろん、高校生だった私が当時すぐにキングの業績の意味を深く理解したわけではなかった。
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【解説1】  

 アメリカ人土壌学者の見た百年前の中国、日本、朝鮮の農業
 久馬一剛(京都大学名誉教授・元日本土壌肥料学会長)     
 本書は、アメリカ人土壌学者、フランクリン・ハイラム・キング( Franklin Hiram King)がちょうど百年前の一九〇九年(明治四十二年)に半年にわたって中国、朝鮮、日本を訪れ、その農業を視察し、帰国後一九一一年に著した本の翻訳書である(朝鮮の農業については車窓からの観察にとどまる)。
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【解説2】 
 “アジア的ルネッサンス”に向けた未来展望への確かな示唆
   ――キングの旅にみる文明的な出会いと発見
 古沢広祐(國學院大学教授)
 明治四十二年(一九〇九年)、F・H・キングが見た極東アジア(中国、朝鮮、日本)の農業、農村とは、いわば西欧近代化の波を受け始めながらもそれ以前の伝統社会の姿を色濃く残した世界であった。それはアメリカ的文明≠「わゆる新大陸型社会の側からの人間が、アジア的文明≠ネいし旧大陸型社会と出会ったことを意味している。キングは、この地で連綿と営まれ続けてきた土地と自然を巧みに利用する英知や人々の努力に驚き、その様子を印象深く書き記している。
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目次
第1章 まず日本へ

船を降りる−初めて見る日本
東洋人の表情、振る舞い
下肥を運ぶ街−横浜・東京間の風景
田園・町並み・人びとの混雑
零細かつ分散する田畑
狭隘な耕圃を最大限に利用する
冬作も盛んな神戸・大阪の農地
石炭を積む労働者−門司港にて
段丘園芸圃の構造
第2章 中国の墓地

肥沃性を保ち続ける国へ
耕圃の中の墓
埋葬の慣習、意義
第3章 香港、広東へ

広がりつづける土壌
香港島に入る
中国人の気質、労働力
役立つものは何でも肥料に
河南島における集約的耕作と廃物利用
零細経済のなかに生きる人びと
衛生面での知恵
人力と機械技
第4章 西江をさかのぼる

船上からの視察
河泥をさらう人びと−三角洲平野にて
丘陵地帯−薪の運搬、藺の栽培
梧州の船大工
南中国の農業・養魚
第5章 運河開鑿の程度と耕圃の整地
中国における運河開鑿の意義
三視点かての運河調査
土木事業−洪水対策・土壌の増大
黄河の洪水被害と運河
水蝕の防止策
貯水池の役割
第6章 民衆の若干の慣行について
人びとの賃金と労働姿勢
捺染技術、家庭での織物
家業としての綿打ち、布団製造
中国の市場と青物の多い食材
よく食される多種多様な野菜
肉食の浪費性を知っている東洋人
第7章 燃料問題、建築資材および織物原料について

東洋における燃料加工
効率的に体温を保つ衣服
助lによる燃料節約と土壌への利用
綿実油・綿実かすの生産
慎重なる植林家
助け合いの金銭貸借の慣習
短い周期で伐採される若木
木材以外の建築材
繊維原料の生産
電力の農村工業への貢献
第8章 近郊踏査

蚕豆畑に施肥される河泥
河泥の採取、桑畑と稲田の土壌交換
かたつむりを食する人びと
船の客室、食事
鶏などの孵卵所の光景
河泥を用いた混合肥料の作り方
田圃への混合肥料施用と油菜栽培
第9章 廃物の利用

われわれはいかに多くの栄養素を棄ててきたか
衛生問題と廃物の貯蔵
半エーカーの土地から二エーカー相当の収益を得る
言葉の通じぬ二人の農夫
焼き灰の耕地利用と燃料
緑肥と混合肥料の利用
土壌の窒素・リン・カリを絶やさない努力
第10章 山東省にて

欧米列強の影響を受ける地
土壌侵蝕と植林地域
山東の町々と旅中の労苦
山東省の農業の特徴
旱魃時の対策
乾燥土糞の利用
物価、金銭の感覚
人口稠密や旱魃は家畜にも影響を及ぼす
劣悪な道路と陸上輸送手段
二条播き植付け法
南中国の農業との相違−農具、土糞
人も耕地も蝕む阿片とタバコ
農村の家族、住まい
混合肥料施用の実際
硝化作用の産物
返還せざるを得なかった植物栄養素
青島での見聞
 第8巻 「日中を結んだ仏教僧-波濤を超えて決死の渡海」
     頼富本宏 著
「解説」

 日中交流の歴史において、仏教僧は単なる宗教者ではなかった。彼らは東アジアにおける最先端の政治思想や文化、技術を身につけた知識人であり、文官でもあった。自分では最新の仏教教理を修得するのが目的だった場合でも、彼らがもたらした経典や曼荼羅などの資料はそれ自体が当時のアジアの最新の情報技術や工芸技術の塊だったし、ときには政治的変動から逃れて亡命してくる僧たちが禅とともに喫茶や豆腐などの食文化、畳をつかう建築文化など、最新の生活文化を日本に伝えたりもした。今日、日本人が「日本的」とイメージするものの多くが、彼ら仏教僧が中国から伝えてきたものであったりする。
 本書では、奈良・平安時代から鎌倉・室町時代まで、中国で言えば唐・宋時代を中心とした約1000年の期間に日中を往来した仏教僧約40人を取り上げ、その足跡と時代への影響をたどったもの。鑑真や空海など、高名な仏教僧の事績については多くの解説書が出版されているが、ついに生きて日本に戻ることができなかった悲運の者も含めて「仏教僧が担った日中文化交流」をここまでトータルにとらえた書はなかった。一人ひとりの渡海の動機と困難な旅の行程が描かれ、宗教者同士のさまざまな交流の中には友愛もあれば確執もあり、大河ドラマのように日中交流を描き出す。異色の日中交流史である(編集者より)

目次
第1章 仏教僧による日中交流
1.異国僧の訪れた新興日本
2.遣唐使節による新仏教の伝来
3.曼荼羅・密教図像の果たした役割
4.唐から宋、そして明へ
第2章 奈良朝の仏教交流
1.遣唐使節中心の日中交流
2.法相宗と火葬の伝来−道昭
3.三論宗と求聞持法の伝来−道慈
4.古密教と一切経の伝来−玄オ
5.鑑真来朝
6.大仏開眼に立ちあった異国僧−菩提遷那・仏哲・道叙
7.新仏教請来の光と影−戒明・永忠
第3章 大物入唐僧の栄光と成果
1.還学僧・最澄
2.留学僧・空海
第4章 空海入唐の歴史的意義
1.長安入京
2.般若との邂逅
3.恵果のもとに到るまで
4.空海の密教受法
5.恵果が伝えたもの
6.「虚しく往きて実ちて帰る」
7.大唐文化の積極的摂取
第5章 空海に続く者たちの光と影
1.入唐八家に数えられなかった僧
2.異国に散った高僧−霊仙
3.調伏の秘法の請来
4.一芸に秀でた成果−円行・恵運
5.悲運の僧−円載
第6章 天台僧の活躍と矜持
1.慈覚大師・円仁
2.智証大師・円珍
第7章 唐朝の衰退と最期の入唐僧たち
1.破格の入唐僧−真如法親王
2.入唐学問僧の幕引き−宗叡
第8章 唐から宋へ
1.王朝と文化の大変化
2.禅仏教の中国展開
3.禅仏教の波状伝来
4.日本文化に与えた大きな影響

 「中国農村合作社制度の分析」

  河原昌一郎 著 農林水産政策研究所 編

「解説」 すでに80 年を超える歴史を有する中国農村合作社制度の通史的研究に取り組み、その農業共同化機能および組織・企業形態の分析・解明を行うとともに、中国農村合作社制度変動の独自性または特色を明らかにしたものである。(編集者より)

目次
第1章 中国農村合作社制度研究への視点
1.問題意識
2.中国農村合作社制度に関する既存研究の検討
3.研究の課題および方法並びに本論文の構成
第2章 民国期中国の中国農村合作社制度
1.民国期中国農村経済の概況
2.中国農村合作社の沿革
3.民国期農村信用社の組織・機能
4.民国期農村信用社の兼営化
5.日中戦争・国共内戦期の中国農村合作社の動向
6.民国期中国農村合作社の変動
第3章 土地改革・中国農村合作化期の中国農村合作社制度
1.新中国成立後の中国農村
2.農業生産合作社の形成と制度
3.供銷合作社系統組織
4.農村信用合作組織の再編
5.土地改革・農業合作化期農村合作制度の変動
第4章 人民公社期の農村合作社制度
1.人民公社の形成・変遷過程
2.人民公社の農業経営と企業形態
3.供銷合作社と所有制
4.人民公社期の農村金融
5.人民公社期農村合作制度の変動
第5章 農村社区合作経済組織
1.農村社区合作経済組織の形成と性格
2.農村社区合作経済組織と農村土地請負経営権
3.農村社区・土地股分合作制
第6章 農村株式合作企業
1.株式合作制の形成と郷村企業の株式合作化
2.農村株式合作企業の企業形態
第7章 供銷合作社
1.供銷合作社の改革
2.供銷合作社の機能と組織的性格
第8章 農村信用社
1.改革開放後の農村金融と農村信用社
2.農村金融体制改革と農村信用社
3.農村信用社の組織的性格
第9章 農民専業合作経済組織
1.専業合作組織の現状と分類
2.専業合作組織の農業共同化機能
3.専業合作組織の制度的課題と農民専業合作社法
第10章 改革開放期農村と合作社制度の変動と課題
1.改革開放期農村合作社制度の変動
2.中国農村合作社制度の課題
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