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1996年4月号
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パソコンで自分用の本を作ろう 『現代農業』記事検索CD‐ROMの発行に当たって パソコンが大いに売れている。昨年は500万台、今年は750万台が売れるだろうという。大部分が一般的なビジネスやゲームなど娯楽目的なのであるが、実はパソコン活用は、農家・農村にとってこそおもしろい。産直をやる上での強力な助っ人事務屋さんであるのはもちろんだが、お客さんが魅力を感じるあなたの地域の米や野菜、農産加工品に、さらに個性的な磨きをかけるための情報活用に使えるからだ。たとえば、何年間分かの『現代農業』から、あなたが必要とする記事をすぐに探し出すこともできるのである。 ◆タイの谷口さんからの手紙「現代農業見出しノート」タイの谷口巳3郎さんから手紙が来た。谷口さんは熊本の農業大学校の教官を定年退職した後、13年前から、独りタイにわたって農村教育、農村開発にあたりながら、21世紀の農業はいかにあるべきかを模索している方だ。手紙の中に、「『現代農業』の中から、自分の欲する記事を数秒から数十秒で発見する方法」と副題をつけた部分がある。「雨期と乾期が半年ずつの北部タイ・サバンナ地帯で、どうすれば農業で自立できるかを日夜研究し実験している今日である。入タイ以来、有機農法によって経営しており、1995年のイネは全国平均の2・5倍であった。肉牛、豚、鶏、養魚、果樹、野菜、竹林などを10人の研修生とともに経営している。それらの農業の技術はすべて農文協の『農業全書』、『農業技術大系』と『現代農業』より学んでいる。 しかし人間というものは本を読んだからとてすべて覚えているわけではない。たまには仕事の途中で技術上のことで疑問が起きてくる。そのときに、上記の書籍類をめくって確かその記事があったはずだと思って探す。なかなか探し出せない。長い間、そんなことのくり返しであったが、今、やっとその悩みが解決した。」 谷口さんは、10年間の『現代農業』の「見出しノート」をつくったのである。自分が必要だと思う作物、技術についての記事を年代順に整理しておく。そして、それを見るのである。 「1例をあげると、『太ネギの白根をどのように長くするか』という疑問がおきたとする。まず見出しノートのネギの項を出す。すると、1994年4月号228頁に『根深ネギの軟白化はモミガラ、オガクズはいかが』というものと、同じ年の8月号218頁に『土寄せいらずのフィルム軟白』が見出される。」 こうして谷口さんは、自分用の「見出しノート」を作ることにより、数秒から数十秒で、自分に必要な記事を探せるようにした。野菜のいろいろな種類、家畜のいろいろな種類ごとに、見出しノートを整理したのだと思う。お手紙についていた写真には、10年分の『現代農業』が年ごとに仕切り板をして棚に整然と並んでいる。何年のものかがすぐわかるようにラベルが貼ってある。それにしても、それを10年分つくった谷口さん、ご苦労様でした。そこまで『現代農業』を使い込んでくだされば、編集者として冥利につきる。 ◆パソコン用「見出しノート」
農文協では、この5月に『現代農業』記事検索CD‐ROM(1995年版)を発行する。これは一言でいえば、タイの谷口さんが苦労して作りあげた「見出しノート」のパソコン版である。 |
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