食品加工総覧
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醤油製造業のみなさまへ
「食品加工総覧」で膨らむ商品開発・経営展開

醤油を生かしたこだわりの地域食品

地域と協同して廃校を仕込み蔵に活用

こだわりの加工品には、副素材までこだわりをもつていきたいもの。醤油もこだわりの商品を使いたい。醤油の多彩な活用に光をあて醤油文化を見直すために。

「王醤漬け」(青森県天間林村、第1巻共通編p319〜p325)

「王醤漬け」は、酢漬けしたニンニクをペースト状にし、無添加醤油で煮込み、地場産の米でつくられたこうじに漬け込んだもの。ちなみにこうじは、村内産の米を使い、加工グループが製造している。醤油は、上北農産加工協同組合で、女性部が共同購入することを条件に原材料と酒精のみを使用した化学調味料などの添加物を使わない醤油を製造してもらっている。

「しょう油漬にんにく」(青森県天間林村、第1巻共通編p319〜p325)

「しょう油漬にんにく」は、収穫直後の生ニンニクの皮を剥かず、丸ごと酢に漬け込んで10日程度してから、酢を捨て、さらに醤油に漬け込んだもの。1年間以上漬け込むとにおいや辛味が柔和になる。乾燥したニンニクを使用するとカリカリ感はなくなるので収穫直後のニンニクを使用するのがポイントである。

納豆のタレ・カラシ(第5巻加工品編・総論p233〜p237)

調味料には従来醤油が使われていたが、近年タレ・カラシ添付が常識となってしまった。本来の醤油は旨味と醸造香をもち、味も香りも納豆を引き立たせるのに十分であったが、最近のタレはアミノ酸添加による合成タレが多くなり、あまり品質の良くないものもある。タレを使うことにより、納豆の旨味を増幅できるような本格的製品を添付するようにしたい。

梅醤(第5巻加工品編・総論p397〜p399)

梅醤は、過熟果、大果、傷果などを原料にして製造するものであるが、梅漬・梅干しからもつくられる。一般に上記ウメ果を、約20%食塩で漬け込んでおき、適時二つ割りとして種核を除き、つぶして裏ごしし皮なども除く。これに水あめ、醤油、みりんなどで調味して製造する。時にかつお削り節などを混入して「梅ガツオ」、「カツオ梅」また「梅あえ」などとすることもある。

蒲焼のたれ(第7巻加工品編・総論p241〜p245)

蒲焼きの場合の標準的なたれは、「同割り」といって、みりんと醤油を同量合わせてつくる。「うなぎや」では、この同割りに、ウナギを裂いたときに出る頭や骨をあぶって入れておくと旨味が増すなどといって、こういうたれを毎日使っている。家庭ではみりんと醤油を等量合わせ、鍋で煮立たせる。この際、好みにより醤油またはみりんの量を加減する。みりんの代わりに砂糖を使うと味が落ちるようである。

そばのつゆ(第7巻加工品編・総論p241〜p245)

かえしのつくり方:そば屋では醤油にみりんと砂糖を合わせた麺つゆ用の調味料をかえしと呼んでいる。醤油は麺つゆの基本の味をつくり、塩分の供給源となる。日本そばの場合、つゆを一度ボイル直前まで煮立て、醤油の香りを麺つゆ風の加熱した状態に変える。みりんはかくし味の効果をもち、麺つゆには必須の調味料である。複雑なこくのある甘さをつけ、麺つゆ独特の甘ったるい香りを付与し、だしのくさみを抑える作用もある。みりんの分量は一概にはいえないが、つゆの5%前後が標準のようである。砂糖は麺つゆの主たる甘味をつけ、塩味とのバランスを調える。塩分と同比前後を用いるのが標準であるが、好みにより辛口、甘口で手加減される。

だしのつくり方:麺つゆの調味の基本は“かえし”に“だし”を割り、化学調味料で味を調える点にある。だしの取り方は関東と関西では若干異なり、東京では削り節のみ、関西では削り節とコンブを併用するのが普通のようである。削り節は通常そうだ(宗田)節を用いるが、これにさば節その他の雑節とを併用する場合が多い。厚削りにしたものが用いられる。だしの取り方は、料理だしの場合よりも長い時間をかけるのが普通である。図1につけ汁の標準的なつくり方を示した。

和風ソース(第7巻加工品編・総論p251〜p261)

和風ソースは醤油と味噌、酢がベースだが、その数はフランス料理のソースの数に匹敵するともいわれている。味噌、醤油、酢に香辛料を加えて仕上げる。用途は刺身、和え物、酢の物だが、煮物用、焼き物用、鍋物用ソースもある。それをまとめたのが表6である。

米菓(第7巻加工品編・総論p697〜p717)

米または米の粉を主要材料としていったんもちに搗いたものを固めて乾燥し、焙煎し、調味して製造する。糯米を原料とするあられ、おかき、またはもちにしてつくるもなか種などの製菓材料、または粳米を粉にしたものを捏ねて蒸し、もちにしてつくる塩せんべい、八つ橋などがある。

米菓で重要なことは、原料の米質とたれとなる醤油の味を選ぶことである。米菓はほかの菓子で用いられる甘味料や膨張剤を使用せず、もち生地の膨化力を利用しており、その製法には一定の原料配合はない。

醤油のしぼりかすをいかす

園芸肥料

醤油づくりで発生するかすを粉末にして、園芸肥料にする機械を購入予定である。これまでは、毎回180〜200kg出るかすを、1回につき2,000円、年間30万円支払って捨てていた。かすで肥料ができるようになったら、欲しいという人に提供したいと思っている。

味のために技術にこだわる

火入れ

生醤油に火入れする際には、安全性を考えて、温度は83℃を目安に設定していたが、試験センターの先生からは、75℃くらいで大丈夫だと指導を受けたため、現在、火入れの温度を下げる研究をしている。

温度が低いほどもろみの香りは強く残り、炊けば炊くほど焦げ臭くなる。今後、より香りのいい醤油をつくることが課題である。

<■以上は和歌山県那智勝浦町・国内産丸大豆醤油の事例(第7巻加工品編・事例p155〜p160)>


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