食品加工総覧
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製粉業のみなさまへ
「食品加工総覧」で膨らむ商品開発・経営展開

こんな情報が得られます

1、製粉機をいかして、こんな素材を粉に
2、国産小麦、地粉を生かした企業展開事例
3、販売先へ、小麦粉の2次加工品の提案アイデア
4、小麦粉と地域の素材を組み合わせた地域食品のアイデア(事例)
5、米粉、そば粉情報も満載

1、製粉機をいかして、こんな素材を粉に(素材編9〜11巻で掲載)

米粉乳の加工品。
タイのクイティァオ(上)と押し出し麺のバーミセリ

◆9〜11巻には、以下の素材を粉にして活用した記事が掲載されています。
小麦、大麦、ライコムギ、粟、キビ、ハトムギ、キノア、アマランサス、米、モロコシ、稗、ヒマワリ、ソバ、サトイモ、サツマイモ、コンニャク、カタクリ、シャクチリソバ、桑の葉、マイタケ、菜種、ヤマノイモ、ケール、銀杏、ヨモギ、ソラマメ、蓮根

「ハトムギ」の場合

加工特性と加工用途(第9巻素材編・総論p618〜p619)

穀実は茶の製造に用いられる。製茶はかたい殻を取り除かずに焙煎し、挽き割ってつくられる。殻を取り除いた精白粒は米飯に混ぜたりかゆにする材料としてそのままで販売される。また、ぽん菓子に加工される。精白粒を製粉した精白粉は麺類、団子、煎餅、クッキーの原料として利用される(表3)。

ハトムギは主に澱粉から構成される穀物であるが、茶に加工される以外は米麦と違って単独で加工されることがなく、米や小麦に混合して菓子や味噌に加工される。ハトムギには独特の香味があるため、混合量が多いとクセが強くなりすぎる傾向がある。米飯は1割程度混ぜるとよい。だんごは1割程度を上新粉に混ぜるとよいが、量が多くなると色調が悪くなる。

2、国産小麦、地粉を生かした企業展開事例

道産小麦の「粉の味」を生かすパン用粉の加工技術

北海道江別市・江別製粉株式会社(第4巻加工品編・事例p517〜p522)

[商品名]チホク、ドルチェ(薄力、製菓・製麺用)、ホロシリ(中力、製麺・製パン用)、ハルユタカ(強力、製パン・製麺用)、業務用25kg、家庭用1kg・5kg

[主な素材]北海道産小麦

[販売方法]代引き宅配便による直接販売、生協、スーパー、業務用(問屋、商社経由または直接業務用に販売)

(記事の一部)

国産コムギは輸入コムギと比べて何が違うのか、さまざまに意見の分かれるところである。農産物は言うまでもなく、産地の土壌・気候・栽培技術などに左右されて同じものはひとつとして存在しない。特に国産品は同品種でも含水率、タンパク含量、澱粉粘度、粉の白度などの成分値にバラツキがあり、製粉原料として使いにくいというのが製粉業者の一般的な評価である。しかし量的に一定のまとまりがあれば、実需者(製麺、製パン、製菓などの2次加工業者)との商品開発のなかで特色ある使い方に特化できるのも国産コムギである。国産コムギの味わい・風味などは輸入物に勝る部分だといえる。われわれが扱う道産コムギにしてもしかりである。

県産小麦の風味とビタミン、ミネラル豊かな石臼挽きの硬焼きパン

群馬県前橋市・曽我製粉株式会社ベーカーズストリート(第4巻加工品編・事例p463〜p467)

[商品名]石臼挽き粉パン(田舎パン)、石臼挽き全粒粉のスコーン

[主な素材]国産小麦粉(群馬県産農林61号石臼挽き・全粒粉)、沖縄産天然塩、発酵種

[販売方法]直営店での販売および宅配など

(記事の一部)

日本においても従来型のソフトタイプのパンでなくて、主食としてしっかり存在感のあるヨーロッパタイプのパンを普及定着させるべきときがきたと思われる。それには国産小麦をその主原料として位置づけることが重要である。

当社は小麦産地の真ん中に立地し、長い間郷土食として親しまれてきたお切り込み、手打ちうどん、焼きまんじゅう、おやき、田舎まんじゅうなどとの密接な関わりをもってきた。1987年のベーカリー事業部設立以降は、継続して群馬県産小麦をパン用として利用する方法を研究している。パンの種類としては特にフランス、ドイツ系のパンに重点をおいて開発してきた。小麦の品種としては主として農林61号の活用がポイントである。

3、販売先へ、小麦粉の2次加工品の提案アイデア

うどん類

食品としての価値と製品開発(第4巻加工品編・総論p295〜p299)

[見出し]

食品としての価値

美味しさ(旨味)栄養バランス

茹でうどんのグルテン比較(2)
機械製麺では、グルテン組織が一方向に延伸され方向性をもつのに対して、手打ちめんでは方向性がないことがわかる。この方向性の有無がめんの柔軟性や弾性の違いを生む

農村加工の着眼点

美味しさ(旨味)からみた着眼点

  【小麦粉の品質】【製麺法】【製造経過時間】

製法からみた着眼点

  【乾めん類】【生めん類】

他に、パスタ、中華面、パン、菓子類など

4、小麦粉と地域の素材を組み合わせた地域食品のアイデア(事例)

そばとの組み合わせ

茨城県金砂郷町・西金砂そばの郷(第1巻共通編p623〜p632)

そばパン、そばクッキー

特産「常陸秋そば」の加工で地域の女性に雇用の場を

モロヘイヤとの組み合わせ

北海道根別町・水村工業株式会社農業研究所(第4巻加工品編・事例p325〜p327)

モロヘイヤ入りうどん

栄養のかたまりモロヘイヤを粉末にして練り込む

菜の花との組み合わせ

青森県横浜町・JA横浜町女性部(第9巻素材編・事例p599〜p601頁)

菜の花ドーナツ全国の作付面積の40%を占める町での菜の花加工

他に、カボチャまんじゅう、カボチャうどん、まんじゅうなど

5、米粉、そば粉情報も満載

そば粉を使った新商品

そばの新商品開発の研究例としては、そば粉の配合割合の高いそばの開発、高品質冷凍そばの開発、生理活性作用のある素材を添加したそばの開発、雑穀類を添加したそばの開発、簡便性のある生タイプそばの開発、生そばの日もち向上などがある。

【100%そば】

手打ちそばでは、そば粉に熱湯を加えて澱粉の一部を糊化させて(湯捏ね)つなげる方法がとられていたが、機械製麺にこれらの方法をそのまま導入することは困難であった。2軸エクストルーダで加工したそば粉は、加工条件によっては良好な結着性を示すことから、これを普通そば粉に配合することにより、「100%そば」の乾そばが開発された(松橋ら、1992)。

また、韓国式冷麺のように、そばペーストを熱湯に押し出して成形する方法(特開平07-170929)、粒度を3〜40μmに調製したそば粉で製麺する方法(特開平07-170928、07-222563)、アルファ化したそば粉を加え、減圧化で麺帯とする方法(特開平10-023870)など、そば粉100%のそばに関する研究は多い。

他に【長期間保存可能な生タイプそば】【生理機能をもつそば】【副素材の添加によるそば】【ソバ味噌】

米粉を使ったこんな加工品

【クイティァオ】

精白した高アミロース米を2〜3時間程度水浸漬し、石臼などで水挽きして適当な濃度の米粉乳をつくる。石臼で水挽きしたものと、製粉機で機械的に粉にしたものではめんの物性(美味しさ)が異なることも考えられるので、その点を十分確認しながら、次善の策として製粉機を利用することも考えられる。

米粉乳を平たい容器(金属製のバットのようなもの)に薄く入れ、せいろに入れて蒸気で蒸す。薄い状態の米粉乳は糊化し平板状にかたまるので、これを取り出して切り歯あるいは包丁で幅広のめん状に切断する。

基本的には、日配的な商品として食堂などで食べてもらうことを考えたい。

【ライスめん(ライスヌードル)】(略)


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