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酒造業のみなさまへ
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1、清酒の価値を見直す―機能性の最新情報 |
2、一味ちがうこんな酒づくり |
3、伝統品種の酒を物語とともに |
4、自慢の酒を生かして地域食品づくり |
5、麹を生かす |
6、酒粕を生かす |
7、米事例に学ぶ農村、地域との連携による展開 |
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復活品種「神力」の穂。草丈130cm、穂21cm |
清酒食品としての価値と製品開発(第7巻加工品編・総論p473〜p475)
清酒や酒粕中から、次のような効果をもつ生理活性物質が報告されている。
血圧上昇を抑える:清酒や酒粕中には血圧上昇に関与するアンギオテンシンIIの生成に働くアンギオテンシン変換酵素に対する阻害効果をもつ数種類のペプチドがある(斉藤ら、1992)。
他に、健忘症、骨粗鬆症、糖尿病などの記載があります。
清酒特徴的な加工品と加工方法赤い清酒(第7巻加工品編・総論p495〜p495)
【有色米】赤米あるいは紫黒米などの有色米がもつ赤い色素を利用した特徴ある酒づくりが各地で行なわれている。有色米の色素は赤ぬか部分にそのほとんどが含まれているため、精米歩合が92〜94%程度の米を掛米として利用するか、上槽前に色素含有アルコール液を添加する方法で真紅の清酒の醸造が可能である。
なお、有色米の赤色の色素はタンニン系とアントシアニン系の色素があるがいずれも最近話題となっているポリフェノールの一種であるため、抗酸化性などの生理活性機能にも関心がもたれている。有色米については、本書第9巻:素材編p110「有色米」も参照されたい。
他に【紅こうじ】「香り米の酒」など
清酒 特徴的な加工品と加工方法
復活品種による酒づくり(第7巻加工品編・総論p493〜p494)
近年、全国各地で現在は栽培されなくなった品種を復活させて、酒づくりを行なうという事例が増えている。その事例を次に示す。
【亀の尾】亀の尾(かめのお)は1893(明治26)年に余目町の阿部亀治氏が「惣兵衛早稲」(冷立稲)から選抜したものである。東日本の良食味米系譜のもととなり、「神力」、「愛国」とともに日本三大品種となった。これを、山形県余目町出身の7人の民間育種家の功績を継承しようと、地域おこしの一端として余目町創造ネットワークが中心となって復活した品種である。全国各地でも「亀の尾」の酒づくりが広がり、「全国亀の尾サミット」が毎年開催されている。
ほかに【強力】【雄町】【祝】【渡船】【穀良都】【神力】など
清酒兵庫県姫路市・無ろ過・純米清酒(第7巻加工品編・事例p497〜p503)
播州杜氏が明治の育種家の意気に感じて酒米を復興(株式会社本田商店)
(記事の一部)
昭和45(1970)年頃までは普通の地酒屋として営業していたが、これからの日本酒業界を考えたとき、大手のメーカーと同じものをつくっていたのではいずれたちゆかなくなるだろう、その蔵の個性、特色のあるものを醸造しなければと考え、大吟醸酒に挑戦を始めた。大吟醸をつくり始めるとお米の味は酒の味ということが明確にわかってきたため、良いお米を使わなければならないという思いがますます強くなってきた。結果として酒造好適米を100%使用する酒づくりになったわけである。
地元では神力を育てその米で酒を醸造し酒を楽しもうという仲間の会も立ち上げられた。会の名はその名も「土米酒人倶楽部・神力(どめすとくらぶ・しんりき)」。復活米を使った清酒神力ができるまで、土にまみれ、米を育てるなかで自然に向き合い、杜氏に行き会うことで伝統技術に触れて、酒を飲む喜びを分かち合うための会である。会の活動としては春6月の田植え、秋11月の稲刈り、冬酒蔵の仕込みの見学、春3月の試飲会が行なわれる。会費は年間1,000円、年4回の会報を発行している。
果実漬物 食文化・伝統技術に学ぶ(第5巻加工品編・総論p409〜p411)
上記でふれたような果物の漬物加工法を紹介すると下記のとおりである。
【ユズ】ユズを塩水に入れ、壺を半分ほど出して土に埋めて置く。壺の口をよく包むと来年まで保つという。また、ユズの砂糖漬は、ユズをせん切りにし、あたためた酒につけ、黒砂糖に漬け、10日ほどして、取り出して外に一夜置き、翌日白砂糖に漬ける。30日で漬かる。
他に【アンズ】【ブドウ】など
菓子類加工方法(第7巻加工品編・総論p697〜p717)
【酒まんじゅう】
小麦粉に酒種を加え、発酵させて生地をつくるのであるが、その風味は他の追随を許さぬ独特のものである。しかし、その元種をつくるには、米飯、こうじ(糀)を栄養体として酵母菌を培養しなければならないので、その温度調節はむずかしく、この工程を誤ると優秀な元種が得られず失敗するので高度の技術と熟練を必要とする。
〈元種づくり〉(以下、略)
漬物 素材選択(第5巻加工品編・総論p19〜p22)
・酒、ビール、酒粕
ぬか床には酒やビール、酒粕などを入れることで風味を良くすることができる。
【製法と留意点】
ぬか床をつくるのに準備する素材は以下のとおりである。(以下略)
ここでは、シロウリの緑色と酒粕の白のコントラストが絶妙な、歯切れのよい浅漬風粕漬について紹介する。製品のねらいとしては、低温下で加工することにより緑色を保ち、粕漬前に塩漬けおよび糖漬けを行なうことにより、余分な水分を除くとともに甘味を浸透させることにある。これにより、従来の粕漬にありがちな味のくどさが除かれ、粕の風味とスッキリとした甘味をもつ漬物となる。
・酒粕の熟成(略)
・製造工程と加工上の注意点(略)
【粕漬】(略)
台風による被害果を生かしたナシの粕漬豊浜町梨加工研究会
・粕酢の加工法
酒造期の秋から冬に、清酒の副産物である圧搾粕を木製桶や、ホウロウ製、ステンレス製の槽中に空気を遮断した密閉状態で2〜3年貯蔵する。(以下、略)
「いわて蔵ビール」の立ち上げから「食のむら」構想へ(第1巻共通編p63〜p74)
(記事の一部)
「それは一本の電話から始まった」。小説風にいうと「いわて蔵ビール」の事業の始まりはそのようになる。ビール醸造免許取得の2年ほど前(1994年)、市内の菓子メーカーの松栄堂の社長から電話が入った。「県で補助金の申請を受け付けしている。今、地ビール事業がおもしろいと思うのさ。世嬉の一酒造の石の蔵は、ビールによく似合うと思わない?」。世嬉の一酒造の代表取締役の私も、「おもしろいね。やりましょう」と答えて、この事業は動きだした。
「醸造の里」構想の展開(第1巻共通編p109〜p117)
(記事の一部)
この村には仙人がおってな、この仙人がひらひらと舞いあそび飲んでいた酒がある…という伝説にちなんで名づけられた地酒が弥栄村にはある。純米吟醸「やさか仙人」という日本酒である。この村でしか飲めない、弥栄の酒米で醸し、弥栄の水で仕込んだ、弥栄の村人が飲(や)る酒である。1993(平成5)年に「弥栄むら」という酒ができ、翌年には「やさか仙人」に名称を変えた。
酒は、米と水と腕のいい杜氏をはじめとするいい蔵人がいなければ美味しい酒にはならない。地域の個性だといっても美味しくなくてはだめなのだ。つまり、グローバリゼーションに対抗するためには、数多ある大手酒造会社の酒の味を上回るものにしていかなければならない。さいわい、隣町の三隅町にある日本海酒造にお願いし、「山廃づくり」の酒をつくってもらった。「山廃づくり」は酒の元である酵母をつくるときに乳酸を人工的に加えるのではなく、自然界にある乳酸菌を利用して、酵母を増殖させるつくり方である。自然にできあがったじっくりとした味わいの酒ができる。
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