推薦・紹介文
いま、伝説が甦り、あらたな旅学の時代がはじまる
東北芸術工科大学 東北文化研究センター所長 赤坂憲雄
かつて、『あるく みる きく』と題された旅の雑誌があった。主宰していたのは宮本常一である。宮本はたくさんの若者たちをそそのかして、旅へと向かわせた。若者たちは師匠のように足にゲートルを巻くことはなかったが、それぞれに〈歩く・見る・聞く〉という実践を重ねたすえに、旅から帰還した。その見聞や探訪記が、『あるく みる きく』に掲載されたのである。そのほとんどが、高度経済成長期の日本列島を舞台とする旅であったことに、不思議なめまいを覚える。
いま、『あるく みる きく』と名づけられた伝説が甦る。たとえば、この双書を携えて、若者たちがその地へと、それぞれの旅をはじめる姿を思い描くのは楽しい。そうして、あらたな旅学の時代が幕を開けるならば、まだこの国は棄てたもんじゃない、救いがある。ポストモダンの、この日本列島もまた、記録されねばならないはずだ。
週刊読書人2010年10月8日号 姫田忠義氏、田村善次郎氏、宮本千晴氏、三氏の鼎談が掲載
●週刊読書人10月8日号に「宮本常一とあるいた昭和の日本 全25巻」の刊行を記念して姫田忠義氏、田村善次郎氏、宮本千晴氏、三氏の鼎談が掲載されました。
「発見の姿勢、対象への敬意」
http://www.dokushojin.co.jp/(外部リンク)
図書新聞2010年10月16日号 谷川健一氏、神崎宣武氏、前田速夫氏よりコメント
●図書新聞10月16日号に「宮本常一とあるいた昭和の日本 全25巻」の刊行を記念して谷川健一氏、神崎宣武氏、前田速夫氏よりコメントをいただきました。
「歩き続けた巨人 町づくり・村づくり・島おこしの原点」…アジテーターであった宮本常一 谷川健一氏
「変わりゆく時代の証言集」…日本の地方の、世界の辺境の「ものいわぬ」人びとの遺言集である 神崎宣武氏
「偉大なるオルガナイザー」…今だからこそ、私たちは自分たちが失ったものの大きさを、宮本常一と共に見つめ直さなければならない。 前田速夫氏
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/(外部リンク)
産経新聞2010年10月17日 書評欄で佐野眞一氏が紹介
●産経新聞10月17日・書評欄で佐野眞一氏が「宮本常一とあるいた昭和の日本 全25巻」を紹介
「本を開いたとき思わずめまいをおぼえた。どのぺージからも若々しい情熱が心のひだまで伝わってきて、
名伏しがたい感情に打ちのめされた…昭和40年代に学生時代をすごした人たちにぜひ読んでほしいと思う。
青春を追体験できるばかりでなく、第二の青春の旅に出るきっかけになるかもしれない」
日本農業新聞2010年10月18日 書評欄「あぜ道書店 コラム 本屋街」で紹介
●日本農業新聞10月18日書評欄「あぜ道書店 コラム 本屋街」で紹介
「地域で生活する人たちの話を聞き、そして書き留める。資料は膨大で、常に温かいまなざしで見詰め、
読んだ人が豊かな創造力を醸しだす。…宮本の真骨頂は、民衆と同じ視座で取材・調査し(中略)
分かりやすい文章を書いた点だろう」「内容は半分程度を写真が占め1巻当たり200枚を超す」
「非常に読みやすい。『読書の秋』本書を通じて、先人たちの苦労と知恵を学ぶことも意義がある」
http://www.agrinews.co.jp/(外部リンク)