NCL図書目録の表紙イラストを描いてくださっているおのでらえいこさんから 表紙のことばをいただきました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってから、すでに1年。戦禍に苦しむ人々を尻目に、この戦争をビジネスとして利を得ようと暗躍する輩の存在が、戦争を長引かせているように思えてなりません。 モーリス・ドリュオン著「みどりのゆび」という童話には、指を触れるとそこから植物が繁茂する不思議な力を持つ少年が登場し、世界中の兵器を使えなくしてしまうのです。 植物の繁茂とは知性と教養の暗喩でしょうか。豊かな読書体験が、健やかな心を育てると信じればこそ、無数の知性の花が世界中に咲き溢れ、平和の種子を結びますように、と祈らずにはいられません。
――おのでらえいこ