「空想科学読本シリーズ」の作者 柳田理科雄さんから、 学校司書の先生・図書担当の先生へメッセージをいただきました。
希望される学校の図書館に「空想科学 図書館通信」を送るようになって、ちょうど20年になる。夏休みなどを除いて週に1回、児童・生徒さんから寄せられたマンガやアニメの疑問を科学的に考察する、という内容だ。「通信」は、図書館に掲示しても、図書館便りなどに転載しても、コピーして生徒さんに渡しても、要するにどんな活用でもOK。一人でも多くの子どもが図書館に足を運んでくれたら……と思っている。 これを始めようと言い出したのは、空想科学研究所の所長だ。小学6年のとき、小さな田舎町から鹿児島市に転校した所長は、転校が夏休み直前だったこともあって、ほとんど友達ができないまま、長い夏休みを一人本屋に通って過ごした。2学期が始まると学校の図書館に居場所を見つけて、図書委員になった。毎朝、図書館に直行し、整理や掃除をしてから教室に向かうようになったという。 「あの図書館には、本当に救われたんだ」と所長は言う。最初は避難場所だったのかもしれないが、図書館に入り浸ったおかげで、すっかり本好きになり、やがて出版社で働くようになるのだから、影響力は大きかった。僕も、そんな彼から『空想科学読本』の企画を提案されて本を書くようになったわけで、『空想科学読本』の出発点はその図書館にあるともいえる。20年前、所長とそんなことを語り合って、「空想科学 図書館通信」をスタートさせた。 講演会や出張授業などで学校にお邪魔したとき、時間と状況が許せば、図書館を見学させてもらっている。潤沢な予算があるのだな、と一目でわかる私学の図書館もあれば、利用者が少ないのか、活気に乏しい図書館もある。もっぱら生徒さんたちの勉強スペースになっている図書館もある。 しかし、どの図書館にも共通して漂っているのは「来るものは拒まない」という雰囲気だ。本を読むのはもちろん、調べものや勉強のためでも、一人で考えごとをするためでも、かつての所長のように、居場所がないからやってくるのでも構わない。どんな学校図書館にも、そんな温かさがあるのを感じる。 図書館は「出発点」だ。そこにある本を開けば、過去にも、宇宙にも、空想の世界にも行ける。『空想科学読本』の出発点といった役割を果たすこともある。どこにでも行ける出発点だ。そんな図書館に一人でも来てほしくて、僕は今週も「空想科学 図書館通信」を書いている。昨秋から、小学生版と中高生版の2版体制にしたので、空想科学研究所のホームページからお申し込みください。無料です。
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