2017年（平成29年）8月号

夏の石灰欠乏に挑む

「カルシウムは水で動く　積極かん水で挑む」コーナーより

山口・林 謙次

　約10年前に脱サラして新規就農し、山口県の高原の町、旧阿東町で夏秋トマトをつくっています。当産地の部会「山口あぶトマト」は部会員100名弱、7月から11月下旬までの出荷で、売り上げ3億円を目標に頑張っています。

かん水チューブは株元と通路に設置。乾燥防止や抑草のため、土壌表面は竹チップやモミガラで被覆している（2016年4月号）

林 鷹央

　日本人の心の原風景「田んぼ」は、絶滅危惧種の5割が集中する里地里山の中心的な場でもあります。その素晴らしさを守り、伝えるためのツール「田んぼの生きもの調査」を楽しむ方法を紹介します。

埼玉県川越市での生きもの調査。金魚網を持ってアゼに並び、採取する

「農家と反戦」コーナーより

静岡・中井弘和（78歳）

　私は1939年福井県に生まれた。終戦の年は6歳で、戦争を経験した最後の世代に当たる。その当時、今メガネの産地として知られる鯖江町（現在は市）に住んでいた。終戦間際の夏の夜中、突然両親にたたき起こされ、空襲警報がけたたましく響く暗闇を走り、近くの山の中に逃げ込んだ。当町から北方に15km離れた福井市が米軍の大空襲を受けた時のことである。草陰に身をひそめて真っ赤に染まる空にとめどなく燃え上がるどす黒い噴煙のさまに目を凝らす私たちの頭上にも、爆撃地に向かって行き交う戦闘機B29から多く爆弾が落とされた。

棚田の一角に作った苗床にイネの種モミを播種する中井弘和さん。静岡大学名誉教授（元副学長）、専門は植物育種学。「農業・環境・健康研究所」の技術顧問のほか、棚田の修復と自然農法によるイネづくりを行なう「清沢塾」を主宰

8月号の主な記事（予告）7月5日発売、編集後記

あっちの話こっちの話（884KB）
・ハウスの間の草刈りはニワトリにおまかせ――岩手から
・子牛、セリ前の汚れ落としに灰が使える――岩手から
・サラサラとした地元産馬糞堆肥がいい感じ――岩手から
・自家製ショウガパウダーでスパイシー天ぷら――岩手から
・炊飯器で1日 荒井康介 黄色い梅と白砂糖で作る絶品梅ジュース――岩手から

農文協出版案内（1.2MB）
　・日本の麦 拡大する市場の徹底分析 　 （→購入する）
・新　エクセルで農業青色申告　第2版 　 （→購入する）
・私にもできる!　自然農法入門 　 （→購入する）
・野菜づくりのコツと裏ワザ　全2巻 　 （→購入する）
・青木流　野菜のシンプル栽培 　 （→購入する）
・ドクター古藤の家庭菜園診療所 　 （→購入する）
・新特産シリーズ　サンショウ 　 （→購入する）
・緑茶のマーケティング 　 （→購入する）
・農家が教える　ドリンク★ジュース★スムージー百珍 　 （→購入する）
市況を捉えるプロ農家の指針 トップ農家の事例も公開
・キク大事典 　 （→購入する）
・トマト大事典 　 （→購入する）
・イチゴ大事典 　 （→購入する）
・天敵活用大事典 　 （→購入する）

◆8月号のすべての目次はこちら

やっかいもののクズを健康茶に

絵のページ

ちょっといい話／漬け物お国めぐり／農業偉人伝／ドブロク宣言／土着天敵図鑑 ／よくわかる農家の税金

「女だけの農業」でトマトの尻腐れに挑む（神奈川・田中美登利さん）

あれもこれも石灰欠乏

がっかり　わかってはいるけど届かないカルシウム　青木恒男

キャベツ15tがオジャン　にっくきチップバーン（茨城・平澤大輔さん）

ドクター古藤と見る　石灰欠乏あれこれ（福岡・古藤俊二さん）

図解　石灰欠乏が出る場所

◆積極かん水で挑む　カルシウムは水で動く

夏秋トマト　かん水量1.5倍で尻腐れがガクンと減った　林謙次

露地ピーマン　尻腐れにはウネ間かん水が効く　松本浩

高原野菜　ハクサイだけはスプリンクラー　中野春男

図解　石灰欠乏はなぜ？（1）　水とカルシウム、チッソとの関係も

◆根を励まして挑む　カルシウムは新根で吸う

夏秋トマト　根っこがふんばるミネラル追肥　中家重彦

アスパラガス　クエン酸で根が元気、残肥が吸われる　吉村俊弘

ハクサイ　直播きで根張りよし、心腐れなし（長野・志水敏春さん）

トマト　寝かせ植えで根が増える／全伸栽培で生長点と根を増やす

図解　石灰欠乏はなぜ？（2）　根っこで吸えるとき、吸えないとき

◆葉面散布で挑む　てっとり早く茎葉から

夏場の野菜によく効く3つの葉面散布　青木恒男

葉面散布は茎から吸わせろ

トマト　発酵カルシウムで尻腐れがピタリ　栗野洋一

葉面散布におすすめの石灰資材　古藤俊二

カンキツ　早めの石灰で浮き皮が出ない果皮をつくる　岩本治

リンゴ　葉面散布を2回増やしてビターピット削減　野村哲

おもな石灰資材一覧

◆元肥・追肥で効かせるコツ

韓国でも石灰防除がブーム　金長興

防除にも味のせにも　石灰の使い手たちの、その後

図解　石灰が効くと病気に強くなる、おいしくなる

味のせ石灰で脂ののったうまい米　斎藤行正

トマトの元肥的追肥、ホウレンソウの層状施肥（三重・青木恒男さん）

カルシウムをうまく吸わせてジャガイモの収量・秀品率アップ　谷昌幸

業務用米をもっと多収

あきだわら13俵　実肥でしっかり登熟（富山・白江利光さん）

【多収イネの姿13】多収と食味 両立の施肥管理　薄井勝利

業務用「ご飯」　外硬内軟・炊き増えする米　平田孝一

生きもの調査が盛り上がる　チェックシート　林鷹央

一目瞭然　小麦の収穫判断にドローン　遠藤昌仁

【飼料米で稼ぐ12】ふくひびき869kg　佐々木隆

【こだわり米屋5】長野県風さやか　西島豊造

太陽熱処理後は土が乾く!?

夏播きニンジンの発芽をどうする？

夏の湿度管理で夏秋トマトの収量1.5倍　藤尾拓也

低コストを実現　トマトの自動調光システム　川口岳芳

露地小ギク、10月の暮れ植えで新盆にピタリッ　松田裕二

再電照で小ギクの開花調節　森義雄

【12a340万円4】徒長苗は鉢上げ＆挿し木　峠田等

【野菜を見る、測る2】ピーマン・パプリカ　高橋広樹

【環境制御で変化6】湿度と光合成　東出忠桐

【常識の非常識6】ハス口は園芸家の命　白木己歳

中晩柑、大玉のカギは夏秋梢にあり

夏秋梢の切り戻しで大玉多収（愛媛・片上公憲さん）

夏秋梢伸ばせばオーキシンで根が伸びる　道法正徳

かん水をラクにするアイデア

ナシ　苗木にかん水　大澤一樹／クリ　自動かん水装置　水田泰徳／モモ　スプリンクラーで装置を自作　吉澤定安／

リンゴ　かん水チューブで6列同時に　三浦藤市

【田中式ミカン4】施肥のタイミングは慎重に

客数2倍　チケット制の観光果樹園　加藤瑞博

サンショウは実・花・葉が売れる　宇城哲志

山椒ジェノベーゼで集落再燃　守本隆之

【カメラ訪問記237】ワラビのタダどり栽培（千葉・野中秀雄さん）

耕作放棄の茶園はスゴイ宝の山だった（下）　伊川健一

緑茶のポテンシャルを活かすマーケティング術　岩崎邦彦

毛刈りで子牛の売り値が5％アップ　　菅原みね子

乳牛の暑さ対策

換気扇のおかげで、牛が死ななくなった　亀田康好万円弱でできた屋根散水で（東京・小泉勝さん）

牛舎改革、自家育成で導入牛がゼロになった　伊盛米俊

【酪農継承7】若者に伝えたいこと　三友盛行

スマホでできる遠隔管理・監視システム　曽田寿博

農機メンテ・SS（スピードスプレーヤ）編　松澤努

手作りアイス＆シャーベット

野菜で作る絶品・手作りアイス（新潟・高橋芙蓉子さん）

トマトとシソのシャーベット　千葉ユツ

過熟イチゴを凍らせたいち氷　（岩手・田原浩志さん）

農家と反戦

百姓の道、平和の道 ――「イワンの馬鹿」のように生きる　奥田美和子

農家だから、辺野古米軍基地建設に反対　儀保昇

鍬を銃に持ち替えるのはごめんだ　萬田正治

「小農」に強く立ち還ることこそ　中井弘和

秋ジャガは苗を仕立てて多収

腐葉土100％のポット育苗で、寒冷地でも秋ジャガ10個どり　竹内孝功

秋ジャガで本領発揮！ジャガ芽挿し　坂本堅志

農家のキャンプ場経営

山あいの農地2haをキャンプ場にして維持管理　渡邉司

野菜農家だから、新鮮野菜のBBQ、野菜ピザ　小林勉

【私の現役バリバリ体操8】気軽に腰痛予防、肩こり解消　竹内勝子

【米米新メニュー8】トマトとめんつゆで、冷やし茶漬け風　奥村万利子

【田園活写15】高校生が製作した水車が稼働　橋本紘二

【新連載　小さい農業は知恵の教室でも稼ぐ】　西田栄喜

【わくわく新世界探訪7】有機養液栽培から生まれた技術（その2）　篠原信

【意見異見111】はじめよう!　農福連携　吉田行郷

【編集局ニュース20】赤トンボとホタルの増やし方、そしてミツバチについて
――『季刊地域』30号より

【農家の法律相談】貸し農園の利用者が迷惑行為、貸し主に責任はないのか

【農家の税金相談】税務署が行なう「更正」や「決定」とは

主張　農村力発見！　――『季刊地域』の用語集より

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