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相田百合子 神奈川県在住 1950年生まれ 埼玉県出身 料理研究家 子連れで世界旅行をすれば市場や町の人たちの生活を垣間見たり、一般家庭や料理学校でローカルな料理に接します。世界の子どもたちはなにを食べているのでしょうか。その土地に昔から根づいている料理を学ぶと食文化も理解できます。お米や粉、雑穀、主食になにを食べるかで料理の味つけもバリエーションもずいぶんちがってきます。各国の料理を写真・スライドなどの資料を使い説明したり、各地を旅して集めてきた調理道具を使って実際にエスニック料理を紹介しています。
赤池学 東京都在住 1958年生まれ 東京都出身 (株)ユニバーサルデザイン総合研究所 所長 社会システムデザインを行うシンクタンクを経営するかたわら、製造業技術・科学哲学分野の執筆、評論を手がけています。問題意識としては、地域資源を活用した地域システムを創出する「生命地域主義」、再生可能な生物資源を活用した持続性を開発する「千年持続学」を提唱し、地方自治体や中国において、地域資源や地域連携を活用した産業創出プロジェクトに取り組んでいます。企業や自治体とともに新規開発した、食農関連の具体的な地域システム、製品についてご紹介することが可能です。
秋山勝英 静岡県在住 1959年生まれ 静岡県出身 静岡県農業経営士 「日本茶離れ」のライフスタイルの中で、本当に身体の為になる「生きているお茶」の伝道師となり、日本国民の健康・幸福に貢献し、「農業・食の大切さ」を地道にお知らせしたいと思います。身土不二の精神です。
秋山美展 秋田県在住 1952年生まれ 福岡県出身 秋田県立大学 教授 近年の食品に関するさまざまな事故や事件によって、食の安全性と信頼性に対する社会の要求はますます厳しくなってきている。一方では、食品に含まれるさまざまな化学成分と疾病予防との関係が明らかにされるにしたがって、食と健康との関係が見直され、食品の生理機能性に対する人々の関心や期待が高まっている。このような社会的背景のもとで、これからの食品製造はいかにあるべきであろうか。新しい加熱技術であるジュール加熱法の活用法や、食品中の活性酸素消去成分を積極的に活用した、機能性の高い食品の製造法について紹介する。
朝田くに子 東京都在住 1955年生まれ 兵庫県出身 NPO法人 みつばち百花 代表理事 ミツバチは、花から蜜と花粉をもらい、代わりに植物の受粉を助け、再生産を促すという循環型の生態を確立した生き物です。ミツバチが置かれている厳しい状況は、私たちのライフスタイルと密接な関係を持っています。ミツバチと花の関係を知ることで多様な生物とともに生きる暮らしのあり方を身近に感じ、考えてみませんか?
芦沢克守 東京都在住 1946年生まれ 静岡県出身 東京調友会倶楽部 会長 近年、日本の市場に多種多様な食材が輸入されています。輸入食材の研究を重ね、料理の創作を一考するために、日本料理の「五味」「五色」「五法」を中心に据えています。また、食材の使い方など食文化の思考を高め、とくに日本料理文化の向上をめざしています。そのために、「自然との融合」を技能にとり入れ、食材をスピーディーに仕上げる方法や想像力豊かに料理を創作することを考えています。これからも、よりよい食文化になるよう改善し、食文化が進歩するなかでも、自然の偉大さに負けないよう、日本料理の情熱をもっていきたいと思います。
浅生忠克 東京都在住 1945年生まれ 東京都出身 ライフドクター ライフドクターとして、住まいと食の観点から、健康な暮らしへのアプローチをしています。住まいにしても食にしても、いいものをとり入れ、よくないものを避けること。それにはまず、自らが善し悪しに敏感でなければなりません。人や物を敏感に感じあっていかなければならないと思います。“食と農の応援団”ボクは水産部会の一員と思っています。魚食文化のニッポン人ですから。
足立恭一郎 フィリピン在住 1945年生まれ 大阪府出身 元 農林水産省農林水産政策研究所 環境にやさしく、安全・安心を担保できる「究極の食べ物」は有機農産物でしょう。この有機農産物の供給をふやすためには、「個々人の覚醒」に加えて、「法制度」が必要だと考えます。いま、なすべきは、有機農産物を地産地消する多様な草の根の活動に対する政策的支援の青写真を、衆智を結集して策定し、政府に要求すること。それこそが、21世紀にふさわしい有機農業運動や消費者運動の展開方向だと、私は考えています。2006年12月に制定された「有機農業の推進に関する法律」を伝家の宝刀とするか、抜くべき時にも抜かない宝の持ち腐れにしてしまうのか、いまや運動サイドのセンスが問われているのではないでしょうか。
安積保 岐阜県在住 1945年生まれ 岐阜県出身 (有)安積 代表 仕出し料理店経営の傍ら、「各務原特産品作り研究会」の仲間とともに「各務原キムチ」の特産化などに取り組んでいます。その経験をもとに、1.農産加工で重要になる農家との付き合い方、2.お金をかけないPR方法、3.商品開発の着眼点、4.農商工、産官学が連携した地域おこしの戦略などについてアドバイスします。
阿部治 茨城県在住 1955年生まれ 新潟県出身 立教大学社会学部・大学院異文化コミュニケーション研究科 教授 世界中の人々や未来に生きる世代を含め、人々が安心して暮らせる社会をつくるためには、(1)世代内の公正(平和・人権・民主主義、地域・経済的格差)、(2)世代間の公正(資源の継承)、(3)自然と人間の関係における公正(自然保護)という原則に則りつつ、循環型社会の形成・生物多様性の確保・コミュニティの再興を各地域で具体化する「持続可能な開発」が必要です。そのなかで、子どもを含めた地域住民が、自ら学び成長する過程が「持続可能な開発のための教育」です。
阿部善文 宮城県在住 1966年生まれ 宮城県出身 農業生産法人 (有)板倉農産 取締役 自然と共生可能な農法へ転換し、本格的な直接販売体制へ移行したことをきっかけに、農業への理解を深め、多様化する消費者ニーズに対応する生産者としての信頼性を高めるため、農業体験、消費者交流、情報発信などに取り組んでいます。とくに、自然との共生をめざす取組みでは、ミニ田んぼやアイガモ農法といった農業体験学習や環境調査協力など、次世代を担う子どもたちを対象とした食農教育や環境教育を積極的に実施しています。子どもの生長に大切な食事と運動の両面を見直し、世界的にも注目されている日本型食生活を基本とした、スポーツをしている子どもたちを応援するプロジェクトをはじめました。
淡野一郎 山形県在住 1963年生まれ 神奈川県出身 (株)山形セルトップ 企画開発室長種苗会社でのブリーダー(研究職)として品種育成、また広報宣伝業務、現在は山形県にある育苗専門のグループ会社で新規商品の開発や育苗技術向上の試験を行っています。このような経験から、野菜などの栽培コラムを特にコンテナ栽培について新聞雑誌への寄稿、書籍の執筆や監修、教科書執筆、さらに小学校の生活・総合学習や中学校の技術科生物育成分野における技術指導や講演活動を行っています。
飯澤理一郎 北海道在住 1948年生まれ 山形県出身 北海道大学 名誉教授 今日ほど食と農の隔たりを感じるときはありません。食料自給率(供給熱量)40%に示されるように、輸入物を先頭に、食料・農産物の生産地はますます遠隔地化し、農を思い浮かべながら食することはほとんどなくなってしまいました。こうしたなかで、いま、わが農は極めて重大な局面に立たされています。担い手の高齢化や耕作放棄地の激増などが、そのことを雄弁に物語っています。豊かな農のある風景を残すためにも、今、農を応援し、食を見直すことが必要不可欠です。有機農業や「地産地消」、産直・直売所などに学びながら、ともに考えていきましょう。
飯島博 茨城県在住 1956年生まれ 長野県出身 認定NPO法人 アサザ基金 代表理事 1995年から湖と森と人を結ぶ霞ヶ浦再生事業「アサザプロジェクト」を開始。独自のアイデアで様々なビジネスモデルや事業を提案。上流から下流まで、地域住民、学校、企業や行政、農林水産業を結ぶネットワーク事業、市民型公共事業と呼ばれている。全国各地で竜や河童、キジムナー、子どもたちと一緒に社会の壁を溶かし膜に変える取組みを展開中。
伊井野雄二 三重県在住 1954年生まれ 鳥取県出身 NPO法人 赤目の里山を育てる会 理事 身近な自然「里山」のなかの「里道」をゆっくり歩くだけで「幸せ」を感じたり、多くの動物や植物が「心を癒す」ことも知るようになった。ふるさとの自然を心に焼きつかせ、大人になったときに思いだす「原風景」。自分が日本人だというアイデンティティーが生みだされる場所が、里山だった。「ドングリの木々」たちは、伐採されても切り株から自然に芽がでてきて、20年もすれば元の大きさに戻る。人の手を入れ続けることが、里山を守る。「伐採しなければ里山は守れない」。新しい自立した里山ゾーンがこれからますます注目されるだろう。
一百野 昌世 福岡県在住 1961年生まれ 福岡県出身 オーガニック・ランド株式会社 代表取締役 「安全で信頼できる食品の確保と流通促進」をテーマに活動しています。有機JASなどのオーガニック認証、特別栽培農産物認証、トレーサビリティー認証、適性農業規範や適性農業工程管理認証、HACCPを利用した食品安全認証などの検査や審査業務を行うかたわら、こだわった差別化農産物の生産指導や販売促進に関する支援活動を行っています。
五十嵐桂葉 愛知県在住 1933年生まれ 愛知県出身 NPO法人 LET'S食の絆 理事長 食生活指導は、栄養の理論を踏まえた簡単に理解できる方法[手のひら指導法]をあみだし、生活習慣病全般の糸口に利用しています。現在は現業栄養士さんの献立開発に/ヘルパーさんの食事づくり不安解消に/家庭人になる方の基礎教育に/お手伝いして喜ぶ子どもの笑顔づくりとご近所の交流のために/高齢者の健康寿命の延長のために/を目標に奮闘中です。得意の範疇は献立開発、献立論、病態栄養・臨床栄養・栄養健康食事相談・病院などの調理室設計・健康展などのイベント企画・エコクッキング・患者への在宅訪問栄養指導・療養食の指導や食事計画などです。基礎から旬の食品を考慮して、簡単で楽しい料理を作ることから家庭の団欒や伝承、家族の絆、地域の絆づくりをモットーも指導しています。
池本廣希 兵庫県在住 1947年生まれ 鳥取県出身 兵庫大学経済情報学部 教授 私が取り組んでいるテーマは、ため池や用水路や河川の井堰の調査をとおして「人と水」や「人と自然」の関係を明らかにすることです。水は人間の血液のようなもの。田んぼがなくなるからといってため池を潰すと危ない。なぜなら、ため池は親池 小池 孫池という具合に用水路でつながっているので、無計画なため池の潰滅は血管を断ち切るようなことになるからです。
砂金健一 東京都在住 1948年生まれ 東京都出身 金沢米店 代表 「中国ギョーザ事件」は、食のあり方と農の現状への強い関心を呼び覚ましました。米屋の店頭での会話でも、家族のなかで伝承されてきた食べ物の技と知恵を「便利」「安さ」と引き換えに、「もどき」「まがい」も含む大量生産食品への外部依存に置き換えてきた結果が招いた、という反省が聞かれます。食も教育も「お金で外注してきた都会人」にとっての身土不二とは? これを考える入口は、「1kg600円のお米、100g1500円のお茶、一杯いくら?」からです。
井澤敏 熊本県在住 1943年生まれ 熊本県出身 (株)阿蘇ハーブファクトリー 代表取締役会長「健康は健康な自然に宿る」を理念として自然界の健康づくりからはじまる。人々の健康は、健康な自然に育った食材のいのちをいただいてその「元気」をもらい「体が喜ぶ」状態をつくり、内面的には「心の喜び」を保持できることにある。健康づくりに「農」の役割は大だ。21世紀の「農」は、環境保全・保護型は必然的で宿命的な課題である。農業者は、健全野菜をつくり自ら毎日300〜400gの野菜を食し、健康づくりに励み、調理方法などを指導し菜食をすすめ、生産拡大と生産性を高めることが重要。また、「昔の日本人の野菜」である薬草薬木の利用法もあわせて取り組むことをすすめる。
伊澤良治 山形県在住 1949年生まれ 山形県出身 元高畠町立二井宿小学校 校長 学校のなかでの食農教育を中核とした総合的学習を推進するとともに、地域に根ざした学校づくり、地域ぐるみの子育て・教育運動とコミュニティづくりに取り組む。現在は、宮城県下の高齢化の町で、高齢者の元気と仕事づくり、コミュニティづくりに取り組む。
石井智美 北海道在住 1959年生まれ 北海道出身 酪農学園大学農食環境学群食と健康学類 教授 科学的な視点から食を見つめてきました。専門は栄養学、微生物学、民俗学です。研究フィールドは、モンゴルから中央アジアです。遊牧の食は乳、肉のウェートが高いとされていますが、小麦粉の利用法、消費量、野菜の利用に注目しています。
石川伸 愛知県在住 1963年生まれ 愛知県出身 (株)おとうふ工房いしかわ 代表取締役 小学生から中学生、主婦層、経営者までを対象に、豆腐を媒体にした各種テーマの話と体験教室を行ないます。
石原奈津子 東京都在住 1972年生まれ 島根県出身 (株)おいしいハート 代表取締役 全国のスーパーマーケットを「食育」の情報発信の拠点にしていこうと考えています。食についてなにか聞きたいことがあれば、まずは近所の「スーパーマーケットへ行こう!」そんな場にスーパーマーケットがなるといいと思っています。
市川治 北海道在住 1948年生まれ 新潟県出身 酪農学園大学 特任教授 今日の食料問題で最も重要なことは、日本の安全・安心な食料生産を実現し、供給することである。そのためには、これを担う資源循環型農業・酪農・畜産を十二分に展開させていく必要がある。この実現には、個別的、或いは地域的な循環システム、支援システムの形成が必要である。これらのシステム形成に関する研究・支援等を行っていきたいと考えている。
伊藤和孝 愛知県在住 1960年生まれ 三重県出身 蟹江町教育委員会 尾張平野の気候的土壌的な恵みをうまく利用し、人々が英知を重ねて品種を改良し育んだ尾張出身の各種野菜(宮重大根、治郎丸菠薐草、野崎白菜など)が、育種業者の手により全国に販売され、野菜栽培や市場に果たした役割がいかに大きいかを考察する。そのなかで野菜の栽培・流通・食文化の他、地元で伝統野菜復活に取り組まれる人々の姿などもあわせて紹介してみたいと思う。
伊藤正男 岩手県在住 1949年生まれ 岩手県出身 イーハトーブ雑穀村 代表 健康志向の高まりとともに「雑穀」が注目されていますが、国産品は国内消費量の1割弱。私は、健康を意識する人々には素性のしっかりした国産雑穀を食べてもらいたいと考え、転作田での雑穀栽培に取り組み、年々仲間を増やしながら規模拡大をしています。輸入品がすべて悪いわけではありません。消費者は、国産品も含めて生産現場の実情を知ろうとする姿勢が大切です。健全な作物には健康な土が第一条件。生産者は、その努力をすべきです。
稲泉博己 東京都在住 1962年生まれ 東京都出身 東京農業大学 准教授 日本の農業教育の一翼を担う農業大学校は、今度、どのような方向をめざすべきか? まず、経営・マネージメントにかかわる教育分野の充実は必須である。次に、消費者を巻き込むために、近年の食育ブームに注目すべきだ。農業関係者だけでなく、教育委員会や消費者団体とネットワーク化を図り、各地で「食育(食農)クラブ」を展開する。それを生かすことで、各県独自の経営者像を策定し、そのための教育を提供することが可能になると考える。
稲垣栄洋 静岡県在住 1968年生まれ 静岡県出身 静岡県農林技術研究所 農村植林管理プロジェクトリーダー 農業や農村は、食糧を生産する以外にも、豊かな自然や美しい風景を創りだすなど、さまざまな役割があります。私は、農業や農村がつくりだす自然や風景の魅力や役割を研究しています。とくに田んぼの自然や風景は、人と自然が長い時間をかけて創りあげてきたものです。自然の営みのなかに人の暮らしがあり、人の暮らしのなかに自然の営みがあります。私たちの身近な自然や生き物の世界をのぞいてみませんか? そこには新しい発見があるはずです。
稲葉光國 栃木県在住 1944年生まれ 栃木県出身 NPO法人 民間稲作研究所 理事長 JAS法の生産基準をクリアーする無農薬・有機稲作の概要をわかりやすくお話します。(1)WTO体制を克服する低コストの無農薬・有機稲作、(2)低コストの無農薬・有機稲作への移行、(3)低コスト無農薬・有機稲作の技術、(4)除草から抑草へ、(5)無農薬・有機稲作の技術体系、(6)無農薬・有機水田の生物および多面的機能の向上と「田んぼの学校」について。
稲益義宏 福岡県在住 1966年生まれ 熊本県出身 小学校 教諭 小学校で「子どもが作る弁当の日」「教育ファーム」「生ゴミリサイクル」「おかわり券で残食減らし」「食べ物クラブ」などの食農教育を推進。教科や総合学習などを通した日常的な活動を展開中。基本姿勢は、「自分ができることしか子どもたちには伝えない」。実際のくらしの中で可能なことは何かを子どもたちと一緒に考え、実践しています。
井上弘司 長野県在住 1952年生まれ 長野県出身 地域再生診療所 代表執行役 3.11東日本大震災は改めて地域コミュニティや食の大切さを思い知ることになりました。今なお福島原発事故に由来する放射能汚染で私たちの大切な食が、地域で生きるための生活基盤が奪われています。私たちはもう一度、自分たちの生きる糧となる食料やエネルギー、環境、そしてコミュニティのあり方を見直し、次世代により良い形で地域をバトンタッチする使命があります。
井上雅央 奈良県在住 1949年生まれ 奈良県出身 (独)食品産業技術総合研究機構 栽培者には栽培者の都合があるのと同じように、病原菌、ハダニや害虫、イノシシやサルにはみんなそれぞれに都合があり、ほんの少し相手の都合を気づかうか無視するかで<差>が生じます。それがわかれば年齢、性別、体力に関係なく、楽しく鳥獣害を防ぐことができます。
今井俊博 東京都在住 1926年生まれ 京都府出身 (有)ユーラシア・クリエイティブ・ジャパン 代表取締役 都市のライフスタイルの変容、価値観の変化に関する調査・研究(人類学的、生物学的、社会学的、民俗学的)をベースに、モノづくり、ミセづくり、マチづくりのソフト開発をプロデュース、またはコンサルティングを行なってきた。専門的、具体的、そして総合的に。最近では、地域社会、地域産業振興、都市生物環境制御(環境共生住宅など)のプロジェクトや、アジア諸国との交流が多い。
今村奈良臣 千葉県在住 1934年生まれ 大分県出身 東京大学 名誉教授 私の食料・農業・農村政策にかかわる基本スタンスは、次の5点に集約することができます。(1)農業は生命総合産業であり、農村はそれを創造する場である。(2)農業ほど人材を必要とする産業はない。(3)農業の6次産業化を通じ、食と農の距離を全力をあげて縮める。(4)トップ・ダウン農政から、ボトム・アップ農政への転換に全力をあげて推進する。(5)共益の追求をとおして、私益と公益の極大化をめざす。
岩崎正弥 愛知県在住 1961年生まれ 静岡県出身 愛知大学地域政策学部 教授 かつて農を尊重した思想(=農本思想)が日本にありました。過去の過ぎ去った思想ではありません。経済の地域づくり運動には、農を尊重する思想が土台となっているケースが少なくありません。経済の暴走を相対化する倫理として、地域を持続させる哲学として、暮らしを豊にする技法として、今日改めて歴史に学び、農の思想の現代的可能性を追求することが大切になっていると思います。
岩田弘敏 岐阜県在住 1936年生まれ 愛知県出身 岐阜大学 名誉教授 健康づくりの具体的な指針「ヘルスプランぎふ21」がある。そのなかで好ましい生活習慣の確立にむけた実践のための具体的手法を提案したい。認知症・寝たきり予防のためにすすめてきた五感健康法は五感を刺激して恒常性を維持して健康を確保しようとする健康法である。その一つに健脳食があるが、高齢者のための健脳食指針が作成されているので、それについて紹介したい。「岐阜――食を考えるみんなの会」が結成されている。食を中心として健康、農、教育、環境などを考える県民ネットワークをめざした活動を続けている。その活動内容を紹介したい。
魚柄仁之助 東京都在住 1956年生まれ 福岡県出身 食生活研究家 食育の到達点、完成型っていったいどんなもんだろう? 社会にでたとき、自分の食生活を自分でコントロールできる能力を身につけさせること」ではなかろーか? 親元を離れて一人暮らしをはじめたときに、栄養バランスのよい食事を、自分の経済力の範囲内で摂取することと、それを持続させる知識や技術をもっていること、これでしょう(『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』朝日新書、より抜粋)。いま現場で指導する人にこそ、こういったビジョンが求められていると思うのです。
氏本長一 山口県在住 1950年生まれ 山口県出身 氏本農園 代表 東京(都市)からは限界集落に見える中山間や離島の暮らしやその暮らしを支える豊かな生態系に支えられた農水産業にこそ、これからの日本がめざす社会モデルのヒントが内包されています。 これまで国内で軽視されてきた有畜複合農業の復活で、持続性のある資源循環型の農業を再構築し、都市からあこがれられる農村生活を実現させましょう。
臼井隆 新潟県在住 1953年生まれ 岐阜県出身 なぐも原・結いの里 事務局長 バケツ稲を中心にした「お米の学校」は、たんなるイネの栽培授業ではありません。私は、子どもたちの心と身体の変化に合わせた言葉で、イネの姿や生長について話します。つまり、バケツ稲と一緒に、子どもたちの心も育てるのです。農業は、子どもたちを心豊かにたくましく成長させる教育力をもっています。この活動をとおして、“いのち”の大切さ、食と農と環境とのかかわり、“生きる”ことの意味や役割を伝えていきたいと思っています。
薄上秀男 福島県在住 1933年生まれ 福島県出身 (株)薄上発酵技術研究所 所長 今から30年ほど前、私はハウス病にかかり、医者からは回復の見込みがないと診断され、入院を断られたが、山野に自生する薬草などを利用し、一命をとりとめた。しかし、ハウス病が引き金となり、その後、痛風、糖尿病、高脂血症、ガン、心筋梗塞など、数多くの生活習慣病にかかった。それを、適度な運動と十分な休養、さらに食生活の改善によって回復。とくに、長い間、発酵肥料の研究をしてきたので、この肥料を使った無農薬有機栽培の農作物により、食生活を改善し、健康を取り戻すことができた。
内山節 東京都在住 1950年生まれ 東京都出身 哲学者 「歴史」とは時間の記憶ではないかと思う。この時間の記憶と結びついたところに、地域が生まれ、農の営みが持続する。逆に述べれば、時間の記憶と結びつかない殺風景な景色を私は好まない。守田志郎は共同体を歴史から解き放ち、共同体が内包している歴史性を再評価すべきだと述べていた。とすると「時間の記憶」とは、守田の「歴史性」と同じものなのかもしれない。
宇根豊 福岡県在住 1950年生まれ 長崎県出身 農と自然の研究所 代表 一杯のごはんには、何匹の赤トンボが付随しているのでしょうか。私たちは、米は生産物、メダカやホタルは生産物ではないと平気で分けますが、それはまともな価値観ではないでしょう。なぜなら、ごはんと自然環境は濃密につながっているからです。両者を結んでいる百姓仕事がみえなくなったからです。いくら、安全で、おいしく、安いたべものが安定して輸入されても、赤トンボに代表される自然は輸入できません。まともな農が、そこに、いつも、存在しなければならない根拠がここにあるのです。
梅崎和子 大阪府在住 1951年生まれ 島根県出身 健康料理研究家 飽食と自給率の低下、そして大量のゴミの山。そんな食生活の結果が、アレルギー疾患をはじめ、生活習慣病の急増や、子どもの心と身体をめぐる問題など、深刻な状況にあります。心身の健康を取り戻すには、毎日の食事、本来の家庭料理や郷土食というものについて考え直さなければなりません。その地域の風土や歴史に育まれた本来の家庭料理や郷土食は、陰陽や身土不二、旬やヒトの食性に沿った食べ方など、自然の理にかなった食べ方、暮らしをも含み、世代世代の「体験」の積重ねに裏うちされた安全な生活の知恵だからです。
江上栄子 東京都在住 1935年生まれ 佐賀県出身 江上料理学院 院長 身の回りをみまわすと、食の分野で真剣に考えなければならないことが山積みしている現在です。食糧自給率の問題や食品の安心安全のことにはじまり、子どもや青年たちの食の乱れや、忘れ去られそうな日本の伝統食や食習慣の伝承、簡便さを求めて安易にはしりすぎた結果、増え続ける生活習慣病への対策。これらの問題と真摯にむきあいつつ、みなさまと御一緒に考え、努力してゆきたいと思っております。長年培ってきた料理指導の経験をもとに、家庭料理の大切さを世の人々に訴え続けてゆきたいと思っています。
江口祐輔 島根県在住 1969年生まれ 神奈川県出身 近畿中国四国農業研究センター畜産草地・鳥獣害研究領域 上席研究員ヒトと野生動物が至るところで衝突しています。現在、各地でイノシシやサル、シカなどによる農作物の被害や海外からの移入種の問題が大きくなっており、また、都市部においても野生鳥獣がヒトの生活圏に侵入し、大きな社会問題となっています。これらはヒトの土地利用の方法や、ヒトの動物とのつきあい方などの変化が招いたものです。このような問題を解決していくには、私たちが自然や野生動物に対する適切な接し方を学ぶこと、そして、野生動物のことを環境も含めて正しく理解することが不可欠です。
江部康二 京都府在住 1950年生まれ 京都府出身 (財)高雄病院 理事長 高雄病院は漢方を中心に診療しているユニークな病院です。生薬の使用量は日本一で、西洋医学単独では治療困難なさまざまな病気の患者さんが来院されます。高雄病院では、アトピー性皮膚炎の治療システム「アトピー学校」を確立し、運営しています。「アトピー・アレルギー治療」に対する長年の経験があり、その治療実績は日本有数のものと自負しております。1999年から糖尿病の治療食として糖質制限食を日本で初めて病院給食に導入しました。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立し、これにより自身の糖尿病を克服しました。糖質制限食による入院治療は累積800名を超え、画期的な効果をあげています。
遠藤孝太郎 山形県在住 1952年生まれ 山形県出身 ひなた村 代表 農には多くの役割がありますが、今日ほど地域社会を活性化するための役割を求められたことはありません。農を中心とした結びつきによって地域全体を活性化し、そこに住み続けることができるような環境を保ちたい。そのために、アイデアを駆使して、さまざまな試みを行なっています。(1)地域の宝、在来種の復活=花作大根・馬のかみしめ(枝豆)・さわのはな(米)。(2)全自動除草ロボット「デジガモ」の開発。(3)新野菜「行者菜」の栽培・普及、など。
大江正章 東京都在住 1957年生まれ 神奈川県出身 ジャーナリスト 農・食・環境などに関する書籍を創るなかで、広義の有機農業が産業社会と近代農業のゆきづまりを乗り越える道であると確信しました。中山間地域から都市までをフィールドに、農を活かして持続可能な社会をめざす取り組み、耕したい消費者に応える活動、半農半Xなど、新たな地域の力と生き方についてお話しします。
大久保裕弘 東京都在住 1930年生まれ 東京都出身 富士街道そば打ち同好会 代表 現在の日本は“飽食の時代”といわれて久しくなります。しかし、その食料の多くは輸入品です。輸出国の事情で供給不足が生ずることもあります。このようなとき、わが国はどうするのでしょうか? 少なくとも、麺の材料である小麦、蕎麦などは、少しでも自給率を上げる努力が必要なのではないでしょうか。それには、地産地消の考え方が大切です。私は、地産地消の一つのツールとして、麺打ちの普及、家庭で容易にできる道具の工夫などに努めたいと考えています。
大竹道茂 東京都在住 1944年生まれ 東京都出身 江戸東京・伝統野菜研究会 代表 江戸東京野菜とは、江戸時代から昭和30年代ぐらいまで生産・消費されていた野菜で、その一つひとつに物語があります。たとえば亀戸大根は、春一番に出荷される小ぶりの大根で、初物好きの江戸っ子は人よりも早く食べたことを自慢したそうです。伝統的な江戸東京野菜の復活は、江戸の食文化を次世代に伝えることができるだけでなく、身近な自然としての農地保存、さらには地域振興や食料自給率の向上にもつながると考えます。
大塚貢 長野県在住 1936年生まれ 長野県出身 教育・食育アドバイザー 「非行やいじめがなぜおきるか」と、子どもの生活を徹底的に調査したところ、大きな原因は食生活であることがわかりました。そこで行なった「地産地消の給食改革」の経験より、「食」の改革によって、家庭でも学校でも明るい希望がもてることが確信をもっていえます。
大庭理一郎 熊本県在住 1942年生まれ 福岡県出身 崇城大学 名誉教授 平均寿命より健康余命を大切にして、おいしく食品をいただけるような食品開発と食文化をつくってゆきたいと願っています。そのためには新鮮な機能性の高い野菜、果物、木の実を加工する技術を開発し、地域の産地の産物を重視し、また、廃棄物なども付加価値の高い食品加工へと転換する二次産業・工業化も重要です。食品の機能性を研究していました。
大村省吾 神奈川県在住 1934年生まれ 大分県出身 (公社)日本國民高等学校協会 常任理事21世紀は先進国・発展途上国を問わず食生活・食文化の危機的状況が続く。食糧・食品は市場・商品性に傾注し“生命と食の基本的価値”“食の文化価値”の再認識が必須である。食農教育と食文化教育の総合・体系化と先駆的実践が急務である。
岡崎好秀 岡山県在住 1952年生まれ 大阪府出身 モンゴル健康科学大学 客員教授医学の進歩とともに、次々に病気が克服されたおかげで、日本人の平均寿命は世界一を更新しています。人生が延びたぶん、健康で快適な生活を送りたいものです。しかし、歯の寿命は延びたとはいえません。歯の病気は直接「いのち」にかかわることは少ないですが、健康な生活を送るためには必要な器官です。一方、現代の食生活の変化は、大きく口腔疾患の変化をもたらせました。口腔は食物が入る最初の器官ですから、食物が変化すると最初に変化する可能性があります。動物の食生活の変化を通じて、噛むことの意味について考えてみたいと思います。
岡田啓司 岩手県在住 1956年生まれ 茨城県出身 岩手大学農学部獣医学過程 准教授ヨーグルトを作ったことはありますか? 殺菌温度によって牛乳の味の大きく違うことはご存じですか?最上級のサシの入った肉はどれくらい食べられますか? 生産者が自分の生産物の実態を知らない。それが日本の畜産の悲劇です。生産者も消費者であると認識することが、食と農の改革の基本です。
岡本靖史 愛知県在住 1965年生まれ 兵庫県出身 おやじの休日の会 代表私が一番大切にしているのは、「体験」です。現代は、なにごとも情報優先で知識だけが一人歩きしている。それは子どもたちだけでなく、大人にもいえることではないでしょうか? とにかく体験してみること。やってみなければ、料理の楽しさなどわかるはずがありません。私が開催する親子の料理(食)体験は、「食」のもつおいしさの感動・できあがりの喜び・つくることの楽しさをどうやって伝えるかを、工夫しながらつくりあげているプログラムです。
岡本正子 東京都 1953年生まれ 東京都出身 管理栄養士・国際薬膳師"料理が好きになると、人生はもっともっと楽しくなります。安全でおいしくて、そして経済的な食事は手作りが一番! ご馳走でなくていいのです。シンプルな一汁一菜から、基本の一汁三菜まで、食生活のヒントをお伝えしています。 食事は体だけでなく、心も育てます。おいしく食べて幸せになりましょう。お手伝いします。"
小川宣子 愛知県在住 愛知県出身 中部大学応用生物学部 教授食生活の役割である生理的機能については「食べ方」が重要であり、そのためには食材の特性について知っておく必要がある。情報提供できる食材は、卵・大豆・米であり、これらの食材の食品・栄養特性および調理加工法、消化管内環境・消化管組織の変化、消化吸収への影響など、食べ物を複合的にとらえることで食べ物の具体的な「食べ方」を示唆していきたい。また、幼児を取り巻く食環境と幼児の嗜好性の事例から、幼児の「食べ方」を明らかにし、地域の特産物や行事食、伝統食の伝承などから食文化が意味するものを考え、食教育・栄養教育の指導方法の提案を行なう。
小川雄二 愛知県在住 1955年生まれ 愛知県出身 名古屋短期大学保育科 教授子どもの食育を専門としています。子どもの育ちにとって、食と農のプロセスが身近にあり、かつ子どもが参加できることが必要だと思います。食と農は子どもたちの学びの重要な環境ですし、そのプロセスにかかわることで、見通しをもってものごとをすすめていく力を身につけていきます。「楽しく食べる食育で子どもの体と心を伸ばす」というテーマで、次のような内容のお話しをよくさせていただいています。(1)家庭の食と子どものいま。(2)子どもの力を伸ばす食と農。(3)子どもの食生活と健康・発達、(4)子どもたちに受け継がせたい食生活。
荻野目望 埼玉県在住 1952年生まれ 東京都出身 (株)にんべん研究開発部 元執行役員部長本物の味をいかに幼いころから数多く体験したかにより、正しい味覚が身につくのではないでしょうか。巷にあふれる多くの食品から、確かな食品を選択していく能力を身につけることのベースに、本物の味覚体験があると考えます。和食料理の基礎となる「だし」。そして「鰹節」。それがつくられるまでのお話のあと、鰹節を削り、香りと味を体験する。そして「だし」をとり、料理をつくる。これらの体験をとおして、世界に誇る日本の食文化を伝えていきたいと思います。
奥瑞恵 兵庫県在住 1962年生まれ 兵庫県出身 栄養教諭芦屋市立浜風小校に続いて精道小学校でも、「給食は生きた教材」を合言葉に学校給食を核とした体験活動重視の食育に取組んでいます。本校の給食には1.手作り愛情給食2.主食・主菜・副菜の揃った給食内容3.日本の食文化の伝承4.「食」の体験という4つの柱があり、栄養教諭は食育のコーディネーター、調理師は食育サポート隊として『子どもも大人も目をキラキラさせる』食育を実践中です!!
奥村彪生 奈良県在住 1937年生まれ 和歌山県出身 伝承料理研究家動物はおのれ以外の生命を食べて生きている。それを包丁を使い、火を使い、鍋釜を使っておいしく調理する文化をもっているのは、生物界では人間だけである。美しく器に盛り、食卓を華麗にコーディネートをし、語り合いながら飲食するのも、人間だけがもっている文化。食材づくりから料理、演出、レストラン経営。そして食文化ならびにその歴史と変容などについて食にかかわる事柄を総合的に研究し、指導ならびに講演をしている。
小倉朋子 東京都在住 生まれ 東京都出身 トータルフードプロデューサー日本の食事情では「売れる食」と「守るべき食」の間にはさまざまなアンバランスが生じています。その間を埋める術をメニュー・商品企画・プロデュースするとともに、消費者と生産提供者の両者の橋渡しをめざした事業提案をしています。また「なにを食べるか」とともに「どう食べるか」、その食事が人生にいかにかかわるのかを各人がより能動的に考えることも大切であり、テーブルマナー、食文化からも「食の価値」をとらえ、より幅広い視点の食の提案も行なっています。現代の箸文化と、食業界、マーケティング、ダイエット、商品開発、メニュー開発、生き方との関連性も含め講演は好評いただいております。。
尾崎正利 福岡県在住 1970年生まれ 福岡県出身 (有)職彩工房たくみ 代表取締役素材の良いところを様々な角度から再評価し、地域で昔から息づいてきた食文化や味わい方なども踏まえながら、食べやすく手に取りやすい新しい製品に形作る作業を地元の皆さんと一緒に進めたいと考えています。 また、地元の現場の人材や設備機材で対応できる加工や飲食サービスの作業にまでかみ砕いていく経営管理も大事です。現員スタッフが少しずつ実績を挙げるプロセスを大事に、そうした流れを見届けるまで、私は現場との関わりを継続的に持ち続けるようにしています。