ルーラルネットネットワーク

黒炭岩手一号窯製炭法

7.普通の製炭操作によって生じる木炭の亀裂について
8.横焼き木炭の見分け方


前頁目次


 7. 普通の製炭操作によって生じる木炭の亀裂について


  1.  木炭頭部、木口面に亀裂がある。亀裂の形状は菊花状で、亀裂の配列に規則性があり、また、模様の細かい物はその地方の土質によって異なる。    
     蒸気乾燥、着火、煙道口と通気口の調整、精錬が適切に行われていれば、木炭を水中に入れ、引き上げて乾燥させても砕けることはない。

     
  2.  木炭の頭部が大裂しているのは、着火を急激に行ったり、高温で炭化過程を経過させたために発生したものである。
     木炭の頭部のみでなく、縦裂・横裂が木炭に発生する。
     また、炭材の立て込みの時に、上木に炭材よりも太い木用いると、木炭頭部が大裂する。

       
  3.  生木の蒸気乾燥が不充分の状態で、急激に高温で炭化させると、木炭に縦裂・横裂を甚だしく生じさせる。    
     とくに、太い炭材ほど縦裂・横裂の程度が大きくなる。
     
     
  4.  木炭の頭部、頭部より1〜2寸下の位置に網目模様の斑点ができるのは、一旦着火した後に炭化を故意に押さえ過ぎた場合や、再着火した時に発生する。
     また、炭材表面に極細い横裂が発生するのは、着火の適時性を見逃した時や、炭化が進行して窯内が高温になりかかる時点で発生するので、通気口と煙道口の調整に細心の注意を払わなくてはならない。


 8. 横焼き木炭の見分け方について


炭材は立て積みにするのが普通である。
まれに窯内の一部に炭材を横積みにして製炭することがある。
立て積みして製炭した木炭と、横積みして製炭した木炭の特徴を述べる。

立て積みして製炭した木炭の特徴

  1. 木炭の頭部は饅頭状をしており、下部は凹状である。


横積みして製炭した木炭の特徴

  1. 木炭の両端は炭材時の形状と同一で平である。

  2. 割材を横積みにして製炭すると焼き上がった木炭は樹皮の方向弓形に反り返る。

  3. タールが溜まりができ、そのタールが燃焼した跡がはっきり見えるものもある。

      
  4. 木口面にできる亀裂に規則性はなく、立て積みに比較して少ない。
   
参考:
朝倉書店 内田 憲 著 林業体系 「木炭と加工炭」第3冊    
財団法人 日本林業技術協会編 栗山 旭 著 「林業技術史」 第5巻 林産化学編・木炭
ほか 


黒炭岩手一号窯製炭法(了)



自然の循環に適合したエネルギーである木炭が注目されています。
森林資源の有効利用、環境保全の観点から見直されております。  
鹿沼農業高等学校において、新型の簡易製炭窯の開発を実現しました。
地場産の大谷石を利用して、みなさんも製炭にチャレンジしてみませんか。  
ご相談は、下記までお寄せ下さい。
遠方からの問い合わせは、最低料金で世界中に配信できる e-mail が便利です。          

県立鹿沼農業高等学校 教諭 萩原 靖弘(はぎわら やすひろ)
郵便番号 322−0524    
住 所 栃木県鹿沼市みなみ町8番73号   
電 話 0289−75−2231   f a x 0289−75−1420
E-Mail :ootuki@rose.plala.or.jp

前頁目次


Topへ▲

「炭・木酢利用の実践・研究」に戻る