1日目は、じっくりと武田さんの理論を学んだ。概略をいうと、作物の生育や土の状態をきちんとつかみ、それに基づいた対策をして、安全でおいしい農作物をつくり安定した経営を実現させる、ということ。まずは自分の畑の診断をして、その作物にとって一番生育しやすい土壌の環境を作ること。また、土壌の中だけでなく、地上部でも「湿度」や「光(ルクス)」から見ていき、その作物を取り巻く環境を総合的に捉える。さらに作物自身からも樹液濃度を計かり、直接確認していくことで、その風土にある作物世界を客観的に捉えていく。この生きた世界が数字として確認できるので、伝達も可能。これが武田さんの提唱する「伝達農法システム」(詳しくは『新しい土壌診断と施肥設計』(農文協)を参照)。
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武田健氏(株)AML農業経営研究所 |
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真剣にメモを取りながら聞く参加者たち。 |
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武田さんが持参してくれた堆肥6種類。どれも無臭だった。 |
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講義の途中では、さまざまな写真を壁に映しながら、具体的に作物の見方を説明。「このキュウリの実のイボイボが真中にあるのは美味しいが、前や後に移動するのはカリ欠乏です」、「この葉の周りが光っているのはカルシウム不足ですね」等々みな食い入るように聞いていた(詳しくは『現代農業』「武田健のおいしい野菜の見方、育て方のコツ」連載記事参照)。
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教室は補助席を出すほど、ぎっしりと参加者で埋まった。 |
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アシスタントの杉山さんが、堆肥の成分を『土壌肥料用語辞典(農文協)』を使い説明。 |
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2日目は実習。栂池センターの畑の土を教室に運び、フライパンを使って土壌の三層分布の測定をした。全員ができるようにと7グループぐらいに分かれて土を採取。結果は、気層率が30.9%、液層率が49.2%、固層率が19.9%。気層率を24%に下げるため、堆肥を入れて物理性の改善。武田さんのアドバイスのもと、参加者は実際に電卓をたたきながら各自計算を行なった。
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土の採取。耳たぶくらいの柔らかさに詰めるのがポイント。 |
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樹液濃度を測るため糖度計を覗く。 |
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武田さんを取り囲んで直接説明を受ける受講生たち。 |
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三相分布を簡易測定するためにフライパンで水分を飛ばす。 |
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「実技では、自分で計算して答え合わせをしたので、自分の理解不足や誤解していることがよくわかった。何度か受講して、CECや塩基飽和度など、ようやくわかりかけてきたところです」。 |
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「根作りには気相の割合を調整することが必要だということがわかった。土の採取の仕方もわかって良かった」。 |
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「塩基バランスの調整のしかたが勉強になった」。 |
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■講座メニュー
9月13日(月) |
13:00〜 |
簡単な自己紹介(参加者) |
13:15〜第1講 |
講義1「土壌診断の活かし方(基本編)」 |
14:30〜 |
休憩 |
14:45〜第2講 |
講義2「土壌診断の活かし方(基本編)」、「堆肥マルチの活かし方」 |
15:45〜 |
休憩 |
16:00〜第3講 |
講義3「苦土・糖度計診断について」 |
17:00〜 |
質疑・応答 |
17:45〜 |
アンケート記入 |
19:00〜 |
夕食・交流会 |
21:30〜 |
自由 就寝 |
9月14日(火) |
7:30〜 |
朝食 |
9:00〜 |
アンケートの質問への回答など |
10:00〜 |
実習 「三相分布の測定・堆肥の投入量の計算」 |
12:00〜 |
昼食・解散 |