▼[特集]
特集:食から世界を考える
フード・マイレージから日本の食を考える……中田哲也
食のリテラシー形成と食教育のあり方……野田知子
牛から学んだ「おいしい」牛乳……吉澤千佐子
食卓から温暖化と食糧自給率を考える……北野玲子
「魚の三枚おろし」から命と環境を考える……菅野久美子
初めての塩作りから見えてきたもの……松田明子
なぜコーヒーがフェアトレードなのか……清田和之
「食育」運動からアメリカの食糧戦略史を見る……真下弘征
食育基本法の成立で、「食育」が注目を浴びているが、単なる栄養知識や調理技術の習得に終わっていないだろうか。食は本来、自然と人間、人間と人間を結ぶものだから、食を起点にすれば、グローバルな世界へも、ナチュラルな世界へも学びを広げることができる。
例えば、食糧輸入が輸送にかけるエネルギー消費を数量化して、それが環境に与える負荷を計るフード・マイレージの考え方を解説し、食品群表のフード・マイレージ版をつくる中学校の実践を例示した。また、貧しい生産国・豊かな消費国という対立の構図をなくす、生産者の顔が見える貿易=コーヒーのフェアドレイド構想も提案。
さらに、健全な食が生まれる場=自然の命を生かす場を、牛乳・魚・塩という「もの」から探っていく。
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