▼[特集]
働くこと・学ぶこと
「働くこと・学ぶこと」に取り組む教師と劇作家……池上正道
鈴木安蔵の「働くこと・学ぶこと」……田中萬年
働きながら学んだ基礎学力の重要さ……佐々木享
「雇用融解」と現在……風間直樹
私の「働きつつ学ぶ」と「学びつつ働く」体験……藤掛沖幸
私の技術教育33年……下田和実
土と命を学ぶ授業……赤木俊雄
卒業後の自立をめざして……石井良子
【論文】家庭科における福祉教育(1)……藤田昌子
中教審の「審議のまとめ」では、中学生の職場体験をすすめる方針が出されている。それを教育現場で実践する際には、いろいろな問題があるかもしれないが、思春期の子どもたちから、「将来、どう働けばいいの?=どう生きればいいの?」と、教師として、大人として問われている現実からは逃れようがない。働くことの意味を、学校の場で、どうつかめばよいのかを考えた。
労働教育は現代の学校教育の場では傍流だが、「学び」の第一の意義は、通念となった知識の習得ではなく、自己能力の開発であり、それは労働のなかで獲得されるとするなら、労働教育こそ主流になってよい(田中記事)。また、働きながら学んだ人の体験を振り返ると、管理社会でがんじがらめになっている現代の子どもたちにとって、「ビリでも、落第してもいいから、自分のペースで学ぶ」という、自分を生かすもう一つの生きる道が見えてくる(佐々木・藤掛記事)。以上の視点に立ったうえで、地域の特産物の導入に成功した農家のライフヒストリーを聞き取ることから、地域の農業の過去と未来を考えた授業実践を報告する(石井記事)。
|