農文協のトピックス
- 1940年 3.25 社団法人農山漁村文化協会創立。会長有馬頼寧、常任理事古瀬伝蔵。各府県に支部設置。
- 1942年 協会専属の「瑞穂(みずほ)劇団」発足。団員に宇野重吉、永井智雄、浮田左武郎ら。
- 1947年 経済混乱し、職員組合による管理。理事に近藤康男、古島敏雄、浪江虔、八木林二ら就任。
- 1949年 岩淵直助、浪江虔常任理事に就任。“再建農文協”がスタート。雑誌『農村文化』の直接普及を千葉、埼玉、神奈川で実施。
- 1950年 浪江虔『誰にもわかる肥料の知識』刊行、ロングセラーになり最終部数10万部。
- 1952年 メーデー事件で検挙者あり痛手。だが、『農村文化』の刊行を続ける。
- 1953年 『農村文化』月3万部から漸減、雑誌存廃の議論が起こる。
- 1954年 書籍の書店への常備寄託制度開始。
- 1955年 『農村文化』月1万5000部に減、しかし支部独立採算制で存続を決定。
- 1956年 大学新卒者採用開始。運動部(のち文化部)を置く。
- 1957年 5ヵ年計画実施(単行本の点数増加、農業高校教科書の発行をきめる)。林野庁スライド『優良林業地シリーズ』制作開始。
- 1958年 農村文化運動理論確立の小委員会(福武直、松丸志摩三、須藤克三)を設置したが成果得られず。内部でも運動理論論争盛ん。政治路線の浪江虔論文と書籍による農村変革を説く坂本尚論文。
- 1959年 技術記事中心の編集に変えた『農村文化』は4万部を越え、5ヵ年計画に設定した目標を突破。
- 1960年 『農文協の運動方針』を坂本尚、堀越久甫ら小委員会が答申、内部討議。第1次10ヵ年計画立案、実施(加除式出版物を刊行。事業の形態と内容と年次目標を明確化)。『農村文化』を『現代農業』に改題。
- 1961年 支部独立採算制から直轄制へ移行計画立案。
- 1962年 高卒職員を採用し2ヶ月間の集中研修ののち支部に配属。この職員講習会方式は以後、大卒についても実施し、現在もつづく。加除式出版物『農業総覧』を刊行、農業団体への普及開始。
- 1963年 農業高校用教科書が検定合格。農業教育との関係深まる。
- 1964年 支部の本部一体化完了。『現代農業』が“米が足りない”を特集。
- 1965年 このころ山形県の精農家、片倉権次郎氏の追肥重点技術を中心にした稲作増収運動を『現代農業』や単行本で全面展開。一方で、茨城県玉川農協の農家経営確立運動を調査し、“プラスアルファ経営”と名付けて『現代農業』や単行本で紹介。
- 1966年 文化財論、普及論、農文協の歴史、農業農村論などをテーマとした全職員への内部研修開始。
- 1967年 『農業総覧・原色病害虫診断防除編』刊行開始。
- 1968年 文化部による”農村の自主的農民グループ”の巡回訪問を開始、県単位の交流会を組織して現在全国に波及。
- 1969年 『現代農業』を182頁から366頁に増頁し、生活・農政ページを増して総合雑誌となる。発行部数月14万部。
- 1970年 第2次10ヵ年計画(支部組織の確立に向かって)。港区赤坂に新事務所、練馬区に書庫を建設。創立30周年記念式典を新事務所で行なう。席上岩渕専務が第1次10ヵ年計画の成果を報告。『現代農業』主張「近代化路線にまどわされるな」「新しい自給生活を確立しよう」など。
- 1971年 東北農文協(ブロック単位の研究者組織)を設立、第1回シンポジウムを開催、以後年1回開催継続。同様の組織が北海道(1973)、九州(1974)にもつくられる。
- 1972年 農家グループ(交流会)による中期講習会が東北ではじまり現在もつづく(2泊3日の勉強会。講師は守田志郎氏があたった。のちに内山節氏など)。
- 1973年 土曜研修(毎週土曜午後に全職員で行うもので1971年から開始)で戦後思想史をテーマとする。
- 1974年 農文協編『豊かさとは何か』を発行、農の視点からの生活見直しを訴える。松尾孝嶺『環境農学概論』ロデイル『有機農法』などエコロジー関係書籍を初刊行。
- 1975年 『明治大正農政経済名著集』刊行開始。以後『日本農書全集』(1977)、『安藤昌益全集』(1983)など古典の発掘に取り組む(現代語訳付が特徴)。
- 1976年 健康双書刊行。農を基礎として医(健康)、食、想(教育)の分野に活動を拡大する構想の第一段階。『近世稲作技術史』(嵐嘉一著)が日経経済図書文化賞を受賞。
- 1977年 人間選書刊行開始。上記の構想を全面展開することをねらいとする。コンピュータ導入により、直販事務と書店管理を合理化。農業技術スライド『土つくりシリーズ(全5巻)』発行(農協・普及所・農高へ普及)
- 1978年 『昭和前期農政経済名著集』刊行開始。以後、『昭和後期農業問題論集』(1984)、さらに『食糧・農業問題全集』(1986)へとつづく。
- 1979年 近藤康男会長就任。農書全集の読者により「農書を読む会」が発足、会長に古島敏雄氏。人間選書の『百姓入門記』(小松恒夫)が日本エッセイストクラブ賞受賞。
- 1980年 第3次10ヵ年計画(単品普及から総合普及へ、農を基礎にした都市住民への働きかけの重視)。
- 1981年 財団法人農文協図書館設立。『現代農業』発行部数月20万部を超える。
- 1982年 全支部に専任の事務局長を置く。
- 1983年 久宗高会長就任、近藤康男氏は名誉会長に。農業技術スライド『安定イネつくりシリーズ(全10巻)』発行。教育映像祭文部大臣賞受賞食生活指導スライド『食と健康シリーズ(全5巻)』発行。教育映像祭優秀作品賞受賞。
- 1984年 坂本尚専務理事就任、岩渕直助氏は副会長に。聞き書きによる庶民の食生活の記録『日本の食生活全集』刊行開始。
- 1985年 文化部は山梨県の長寿村として知られる棡原の食意識を調査し1986年人間選書『短命化が始まった』として公表。中国農業科学院・北京農大に図書を寄贈し、提携の準備開始。
- 1986年 絵本の刊行開始。『ふるさとを見直す絵本』(全10巻)からスタート。
- 1987年 中国農業科学院の招待で坂本専務訪中。現代農業増刊号『コメの輸入59氏の意見』を刊行。以後、年4回刊行。日本食生活協会と提携し健康スライドの制作を開始。『安藤昌益全集』第四一回毎日出版文化賞特別賞受賞
- 1988年 『安藤昌益全集』第2回物集索引賞受賞
- 1989年 『日本の食生活全集』の各県版の刊行を契機とした「食と農を結ぶシンポジウム」の開始。
- 1990年 近藤康男『農文協50年史』刊行。第4次10ヵ年計画。
- 1991年 中国農業科学院に中日農業科学技術文献陳列室を開設。ビデオ自主作品第1作『井原さんの良質米つくり(全2巻)』発行。ビデオ自主作品第2作『操体法のすすめ(全1巻)』発行。
- 1992年 中国の山東大学で「中日安藤昌益学術討論会」を開催。生研機構と提携して、ビデオ『バイオテクノロジーマニュアルシリーズ』を制作。農文協が事務局の児童図書販売グループ「NCLの会」の活動が開始される。
- 1993年 アメリカのコーネル大学でシンポジウム「安藤昌益と戦後の日本研究」を開催。
- 1994年 東京大手町JAビルに「農業書&AVサービスセンター」を農業書専門店として開設。農業書協会(出版社13社)とトーハン農業書特約店との「メロス確約便」が稼動=専門書VAN。
- 1995年 農文協創立55周年記念事業として「全農文協展示会」、各種シンポジウムを開催(「中国哲学者日本を語る」「中国の安藤昌益研究」「先人に学ぶ農業研究の道」)。記念出版『戦後日本の哲学者』『渡辺大濤昌益論集』などを刊行。
- 1996年 『地域農業活力図鑑』(全10巻)刊行。インターネットにホームページと「ルーラル電子図書館」を開設。『現代農業』6月号(防除特集)から本文写真のカラー化を実施。(財)味の素食の文化センターと提携して、ビデオ作品『日本の味・伝統食品 第1集〜第3集(全15巻)』を企画し、発売元となる。
- 1997年 絵本『そだててあそぼう』第1集刊行 シリーズとしてスタートする。自然の中の人間シリーズ『微生物と人間』全10巻刊行。『英文稲学大成』全3巻刊行。教育総合展で食教育展示・フォーラムの開催に協力。農水省から「21世紀の日本と農業・農村を考えるための行動」呼びかけ人会議の事務局業務を受託、雑誌『21世紀の日本を考える』の刊行開始。北京の「文献陳列室」に「日本農業科学技術応用研究室」を併設。
- 1998年 『自然教育活動』を改題し季刊『食農教育』を創刊。紀伊國屋書店と提携して、97年教育総合展をベースにしたビデオ『21世紀を拓く食農教育』全15巻を発売。味の素食の文化センターと提携、『講座食の文化』全7巻を発売。あわせて季刊『vesta』を農文協が受託販売開始。『昭和農業技術発達史』全7巻完結。自然の中の人間シリーズ『昆虫と人間』全10巻刊行。
- 1999年 近藤名誉会長満百歳『農文協六十周年略史』の編著にあたる。増刊現代農業『定年帰農シリーズ』が農業ジャーナリスト賞を受賞。地域資源活用『食品加工総覧』全12巻刊行開始。『日本農書全集』第2期全37巻完結。1期35巻とあわせて『日本農書全集』全72巻となる。『全集 世界の食料・世界の農村』全27巻完結。栂池センターで「『現代農業』読者のつどい」開催。以後、毎年開催。
- 2000年 3月25日創立六十周年を迎える。東京国際ブックフェア展示と併催で、食農教育セミナー、読者・著者交流レセプションを開催。月刊『初等理科教育』発行所となる。『人づくり風土記』全50巻完結、『果樹園芸大百科』全18巻刊行、自然の中の人間シリーズ『農業と人間』刊行開始。
- 2001年 『転作全書』全4巻刊行。『日本農書全集・文献索引巻』を刊行。「地域に根ざした食生活コンクール」事務局を農水省より委嘱され、公募表彰を実施。JA-IT研究会設立。以後、毎年公開研究会を開催。
- 2002年 『花卉園芸大百科』全16巻刊行。中国文化百華シリーズ刊行開始。東京都港区赤坂にある農文協本部事務所屋上に試験田んぼをつくる。『ぼくらのイネつくり』全5巻刊行。季刊『住む。』創刊。『日本農書全集』編集委員会第3回「明日への環境」賞・農業特別賞
- 2003年 そだててあそぼう第8集『土の絵本』第50回産経児童出版文学賞。そだててあそぼう第10集を刊行、シリーズが計50冊となる。『ダイズの絵本』を読み秋田県八森小学校2年生の松岡清平くんが第48回青少年読書感想文コンクール・内閣総理大臣賞受賞
- 2004年 『おもしろふしぎ食べもの加工』全5巻刊行。『ふるさとの家庭料理』全21巻刊行。『全集 世界の食文化』刊行開始する。『百の知恵双書』刊行開始する。「地域に根ざした食生活コンクール」を「地域に根ざした食育コンクール」に改題し、公募表彰事務局を継続担当。
- 2004年 『そだててあそぼう』の姉妹編『つくってあそぼう』第1集刊行 シリーズとしてスタートする。『そだててあそぼう』既刊分、学校図書館出版賞・特別賞受賞。『野菜園芸大百科第2版』全23巻刊行。『稲作大百科』全5巻刊行。『安藤昌益全集増補篇』全3巻刊行。
- 2005年 「食農教育ネットワーク」設立 おばあちゃんに学ぶ食のライフスタイル誌季刊『うかたま』創刊。『作物・野菜・果樹病害虫百科』全13巻刊行。
- 2006年 『最新農業技術大事典』刊行。『病家須知』全3巻刊行。
- 2007年 『写真ものがたり昭和の暮らし』全10巻完結。伊藤富士男専務理事就任、坂本尚は副会長に。
- 2008年 『茶大百科』全2巻刊行 『花卉病害虫百科』全5巻刊行 『全集 世界の食文化』全20巻完結 『最新農業技術シリーズ』6点刊行。アルブレヒト・テーア『合理的農業の原理』全3巻刊行。
- 2009年 『大きな手大きな愛』第56回産経児童出版文化賞JR賞。農業書センター15周年、新JAビル地下一階に移転、リニューアルオープン。『中国文化百華』全18巻完結。『百の知恵双書』全20巻完結。農文協70周年記念企画復刊3部作 『自然の観察』『東アジア4000年の永続農業』全2巻『三澤勝衛著作集 風土の発見と創造』全4巻刊行 新シリーズ『地域の再生』全21巻、『大絵馬ものがたり』全5巻刊行開始。
- 2010年 『地域食材大百科』全5巻刊行開始。『季刊地域』創刊。『大絵馬ものがたり』全5巻完結。『日本めん食文化の1300年』第1回 辻静雄食文化賞受賞。70周年記念シンポジウム「ゆるがぬ暮らしを地域から」(内山節・基調講演)開催。
- 2013年 一般社団法人へ移行。