ルーラルネットネットワーク

黒炭岩手一号窯製炭法

2.築窯の順序 (3)窯底経始


前頁目次次頁


2 築窯の順序

  (3) 窯底経始

窯底経始を始めるに際し、下記の(1)〜(4)の事項について事前に決定しておかなければならない。

  1. 事前に、常風の方向、地形の傾斜を見極めて、窯口(焚き口)と排煙口(煙道口)の位置を決定しておく。

      
  2. 窯口と排煙口の位置が決まれば、炭窯の奥行きが決まる。

       
  3. 大円の直径は、窯の奥行きの7割5分である。

       
  4. 小円の直径は、窯の奥行きの5割である。


経始法の種類は、下記の2種類に分類できる。

[1] 分廻し経始法    [2] 定木経始法

[1] 分廻し経始法

  1. 大円と小円の半径に相当する長さのまたは細紐を用いて窯の外形を描く方法。

  • 大円と小円の半径に相当する寸法の縄または細紐を分廻しという。

  • 排煙口より窯口前に向かって中心縄を引く。

  • この中心縄を中心基準として大円と小円を描き、窯形の輪線を描く。

  • 大円と小円との交点を結ぶ延長線上に(外方に)、大円の直径の1割の長さに相当する地点を定める。

  • この地点と大円と小円とを滑らかに結ぶ曲線を描く。


このようにして、窯形の外形を描く。
    
[2] 定木経始法

  1. 大円と小円の半径に相当する長さの真っ直ぐな竹または細木を用いて窯の外形を描く方法。 

  2. 大円と小円の半径の長さの真っ直ぐな竹または細木を定木という。

  3. 排煙口より窯口前に向かって中心縄を引く。

  4. この中心縄を中心基準として大円と小円を描き、窯形の輪線を描く。

  5. 大円と小円との交点を結ぶ延長線上に(外方に)、大円の直径の1割の長さに相当する地点を定める。

  6. この地点と大円と小円とを滑らかに結ぶ曲線を描く。


  このようにして、窯形の外形を描く。

前頁目次次頁


Topへ▲

「炭・木酢利用の実践・研究」に戻る