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黒炭岩手一号窯製炭法

2.築窯の順序 (4)窯底経始 (5)窯壁の構造


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2 築窯の順序

  (4) 排気口の構造

  1. 排気口は点火室奥部の角より6寸(18cm)離して設置し、炭化室(窯内)に向かって開口する。

  2. この開口部より窯底の上面に平行に窯外に連絡開口している。この窯外への開口部は窯口の角より1尺2寸(36cm)離れた所に通じている中空の管である。

  3. 排気口の大きさは、窯の大小に係わらず、直径3寸(9cm)である。

  4. 直径3寸(9cm)、長さ4尺(120cm)の丸太を横に敷き込み、その上に粘土を盛って打ち堅める。

  5. 窯壁及び窯底の仕上げの際にこの棒を抜き取って排気口とする。

     

    

  (5) 窯壁の構造

湿気は、山沿いの方から窯内に侵入することが多い。
この湿気の侵入を防ぐには、樹皮または枝条材などを立ち並べて山沿いと窯壁とを切り離し、空間を設けて、窯内への湿気の侵入を遮断する。

窯壁の構築法には、(1)積立法と(2)搗込法とがある。
下に、搗込法について説明する。     

搗込法について

  1. 窯に相当する窯底経始によって描線した輪線に沿って、口径5寸(15cm)内外、長さ2尺4〜5寸(72〜75cm)の炭材を輪状に立ち掛け、窯壁の腰部の枠組みを作る。

  2. その枠組みの外側に、なるべく有機物の混入の少ない土中深部から掘り取った粘土を搗込む。

  3. 順次、枠組みを重ねて粘土を打ち堅め上げて、予定の高さまで窯壁を作る。
    壁の厚さは約7寸(21cm)になるように打ち堅め上げる。

  4. 予定の高さまで打ち堅めたら、窯内側に設けた枠組みを外し、窯内の窯壁の表面を削り、窯壁の形を整える。
    窯壁の腰部は垂直、滑らかで、腰部上端の線が窯底面と平行で平坦となるように仕上げる。

  5. 窯壁腰部の外側は、土を盛って保護する。
    有機物の多く含まれた土壌を盛り付けると製炭時に加熱されて有機物分が燃えて無くなり窯壁部の保護の役割を果たさなくなる。
    砂利などを盛り付け、突き込んで、湿気の侵入の防止や排水を図ることが大切である。
   

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