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黒炭岩手一号窯製炭法

2.築窯の順序 (9)窯の乾燥方法


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2. 築窯の順序

  (9) 窯の乾燥方法

窯ができあがったら、点火室で口焚することにより、天井の乾燥に着手する。   
また、この他に窯を乾燥する仕方として、最も信頼度の高い小窯乾燥という方法もある。

点火室の前口に4寸(12cm)位の送熱口を造り、その外は総て密閉して、点火室から2尺(60cm)位離して小窯を造り、送風口をこの小窯に連結する。
この小窯に口焚をして送熱乾燥する訳である。
  
乾燥に必要な時間は、窯の大小、用土の良否、水分の多少、築窯の時季によって異なる。
小さな窯でも3〜4日間、大窯では5日〜1週間の期間が必要である。

点火室で行う口焚が強すぎると、窯内の炭材や天井形木に延焼してしまう。その燃焼は激烈な熱を発生させ、急激に炭窯の天井を乾燥させるので、水分の多い粘土で天井が造られている場合は、天井に亀裂を生じさせたり、急激な乾燥によって天井が下へ下がる結果となる。
ある一定の限界を超えて天井が下がると、天井は墜落してしまう結果となる。

初窯
の乾燥には充分な配慮が必要となる。   
初窯の場合で、点火室で口焚を行う場合には、窯が充分に乾燥するまで、煙道口の蓋を締め切っておく。

窯が充分に乾燥したところで煙道口の蓋を開き、口焚の勢いを強くする。すると、早い窯では 約5分位で黄肌煙となる。臭気が鼻を刺激し、点火室の炭材の下方より黄肌煙を吹き出す。黄肌煙は炭材へ着火し始めた徴候である。着火準備をした後に排気口と焚口を密閉する。

初窯では用土に含まれる水分が速やかに窯外に発散するため、着火後の操作としては、煙道口と通風口を少しずつ大きく開きながら、炭化を進めた方がよい。

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