黒炭岩手一号窯製炭法
3.炭材整調
- ■ 3.炭材整調
炭材の調整の良否は炭質や収炭量に大きく影響する。
炭材の太さは、丸太のまま、または割ったものに係わらず、太過ぎないように注意すべきである。
- 丸物では直径3寸(9cm)以下に揃える。
- 割物では長辺3寸5分(10.5cm)以下に揃え、長さも長短のないように調整する。
- 太さ1寸5分(4.5cm)以下の細い炭材で木炭を焼くと、木炭は叩き合わせるとカンカンという金属音がする。
細い炭材は、製炭初期の蒸気乾燥している間に心材部まで暖まり、材表面を心材部との水分傾斜外部が比較的少なく、心辺材ともに均一に炭化するためである。
反対に、太い炭材では、蒸気乾燥しても心材部まで容易に温まらず、心辺材部の水分傾斜も増大するため、焼いた炭に縦割れができるなど、優良な木炭を焼き難くなる。
太い炭材または大割の炭材を蒸気乾燥もせずに、直ちに点火して焼くと、縦割れが生じやすい。
甚だしい場合は、煎餅割れを発生することとなる。煎餅割れを生じた炭を握ると簡単に砕けてしまう。
- 太い炭材は、三角割または、四方柾目に調整するのがよい。