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第3回 お雑煮づくりを撮る

 子どもがなにかしているところを撮影するコツは、一にも二にも表情豊かに撮影することだ。表情豊かに撮影するには、カメラを構える位置が重要。
 画面の手前に調理中の食材などを入れ、その向こうに子どもの顔があるというような構図がいいだろう。
※画像をクリックすると拡大表示します。


アングル1 材料を撮る

材料はひとつずつ撮影してもいいし、まとめて撮影してもいい。
食材が多いときには似たような種類をまとめて撮影してもいい。
なるべく高い位置からテレ側ズーム(望遠側)を使って撮影する。ワイド側ズーム(広角側)を使うと食材の形がゆがんでしまうからだ。テレ側ズームを使うと、食材の形はゆがまない。
▼撮った写真

1:こんな風に写る。手前のレフ板はぜひとも必要。

アングル2 肩越しに手元をきちんと撮影する

料理づくり撮影の基本。簡単そうに見えてなかなか難しいのがこのアングルだ。
コツは写真のように子どもの視線と同じ高さにカメラを構えること。
できるだけ三脚を使って固定したほうが作業しやすい。
▼撮った写真


1:顔を少しいれて、さあこれから切るぞ!という印象を出そう。


2:このときの緊張した手のようすをクローズアップで見せよう。

3:刻んだにんじんも写しておく。

4:カタ抜き作業は楽しそうに。なるべく視野を広く写す。

5:ミツバを洗うシーンも。

6:力が入るところはじっくりと撮影しよう。
時には、「ちょっと待って」と作業を止めてもらってもいいだろう。

アングル3 低い位置から表情を狙う

テーブルギリギリにまでカメラを下げて、低いアングルから撮影しよう。
手元もしっかり写すけれども、このアングルは作業している表情をしっかり見つめられるのが一番優れているところ。
子どもと話をしながら、できるだけのんびりとした気持ちで撮影しよう。
間違ってもせかしてはいけないよ。
せかすと、表情が硬くなる。
▼撮った写真

1:余裕のあるおねえちゃん。

2:余裕のない妹。

3:思ったよりも力を入れなければ切れなかったニンジン。
両指先に入る力を見逃してはいけない。

4:後ろで見守るお母さんの心配げな表情もしっかり記録。

アングル4 中腰で撮る

子どもの視線よりも少し高い位置からの撮影。
身長のあまり高くない人であれば、普通にたって撮影してもかまわない。また、高学年であれば、脚立がいるかもしれない。
このアングルの特徴は、表情もある程度カバーしながら、周囲の状況も適度に写しこむことができる点。
最も注意すべきは、画面の水平をしっかり取ることである。
▼撮った写真

1:いっちょ上がりの得意げなポーズはこのアングルが一番である。背景の棚が水平であることに注目せよ!

2:縦位置撮影で、画面の余分なものをカット。
同時にメリハリをつける。

アングル5 高い位置から撮る

作業全体をきちんと説明するときにはこのアングルがよい。
部屋の広さ、奥行き、作業環境、作業内容などを説明的に見せることができる。
ただし、説明的過ぎて、多用すると間延びする。全体の中で2から3カットで充分かもしれない。
▼撮った写真

1:鍋の中を写す必要にはこのアングルしかない。

2:器の中にもちを入れるシーンも、器の中を写す必要があるので、このアングルを使う。

できあがりの写真

親子でつくるお雑煮
作業工程をひととおり撮ったら、WEBページに手順をまとめて発信したい。
たとえば、こんな感じで調理のようすを説明しよう。
WEBページをつくるときの注意点
撮影協力:月向農園 http://minabe.net/

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